まさかの事件だと思われる。私はそう思わない。
何とも暗澹となる事件である。
まず、産経新聞の記事を載せる。
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「邪魔で仕方ない」同僚教諭に薬入りシュークリーム 一時意識不明に
産経新聞2013年11月14日(木)21:05
小学校の同僚の女性教諭に睡眠導入剤を入れたシュークリームを食べさせ、急性薬物中毒にしたとして、大阪府警平野署は14日、傷害などの容疑で、大阪市立加美北小学校(同市平野区)の講師の女(60)を書類送検した。教諭は一時意識不明となり、入院を余儀なくされた。
また、職場復帰したばかりの教諭の運動靴や指導用教科書に「ヤメロ」「バカ」とマジックで書き込んだ器物損壊容疑でも書類送検した。「教諭の指導方法が自分と異なり、任せていたら子供たちが育たないと感じた。態度にも不満があり、邪魔で仕方なかった。いなくなればいいと思った」と容疑を認めている。
傷害の書類送検容疑は昨年6月1日午後4時5分ごろ、小学校職員室で、市販のシュークリーム1個に睡眠導入剤を混入して40代の女性教諭に食べさせたとしている。教諭は食べて間もなく意識不明となり、病院に搬送。9日間入院した。
同署によると、女は家族に処方された導入剤の錠剤を持参。職員室での会議中に自ら買ってきたシュークリームを配り、教諭にだけ錠剤入りのものを渡した。「1錠を割って中に入れた」と供述している。
病院から急性中毒の患者がいると通報があり、同署が女性の血液を鑑定したところ、服用した覚えのない導入剤の成分が検出されたことから捜査していた。
今年4月には教諭が担当する児童の個人情報が書かれた書類の紛失も起きており、同署が関連を調べている。
学校によると、女は同署の任意の聴取を受けた8月から自宅待機となり、出勤していない。校長は「講師は指導力が高くて評判が良かった。このようなことになり、申し訳ない」と話した。
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まさかの事件だと思われる。
私はそうは思わない。
大阪市で起こっているのも気になることである。
この事件は、疲弊した学校現場の教師間で起こっている諍いがこんな暗澹な事件として露出したものと、私はとらえる。
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いま教師たちが学校を中途で辞めていく原因は、学級の荒れ(学級崩壊など)、親とのトラブル、そして教師間のトラブルの3つ。
この3つがほぼ原因の90%を占めているはずである。
問題は、教師間のトラブル。
これが教師たちをますます苦しめている。
さまざまな事例を知っているのだが、ここでは書けない。
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一方病気離職者は、どうなっているのか。
舞田良彦さんは、「データエッセイ」でさまざまな統計を示してくれる。
http://tmaita77.blogspot.jp/2013/11/blog-post_17.html
今回は「病(辞)める教員」。
このデータによれば、病める教員の数は全教員1万人あたり14.7人。
それほどの量ではない。
だが、ここ10年で3倍に膨れあがっている。
今でものび続けているはずだ。
一方、どの年齢層が病気離職をしているのか。
データははっきり示している。
25歳未満と55歳から59歳の教師たちである。
ここに集中している。
若年層の離職は、持っている力量が子供たちに対応できないからである。
また、高齢層の離職は、今までの自分の経験を変えることができないことから起こっているはずである。
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