学級崩壊しているのですけど、どうしたらいいでしょうか?
学級崩壊の状況になっている。
どうしたらいいのだろうか、という相談をいくつか受ける。
これについては、「必ずクラスを立て直す教師の回復術」(学陽書房)を出しているのでくわしくはこの本を読んでほしい。
ベテランの先生のクラスに多い。
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この時期である。
ほとんどクラスをどうにかできる段階を過ぎている。
率直に言えば「立て直す」段階を過ぎているということである。
それでは、どうするか。
凌いでいくいく以外にない。
学校の中で、凌いでいく体制を整えなければいけない。
校長の決断が迫られる。
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こんな状況になって必ず打っていく手がある。
まず、空きの先生(空き時間になっている先生たち)を入れ替わり教室に投入するという手立てである。
空きの先生も大変であるが、まったく効果はない。
次に打っていく手立ては、保護者へ連絡して、入れ替わり保護者を教室に常駐させていく手立てである。
これも保護者は「我が子のことが心配になる」だけで何の効果もあげない。
こんなことは止めにすべきである。
★
学校で凌いでいく体制とは、まず空きの先生(たとえば教務主任など)をずっとその教室に常駐させて、できれば担任と交代してどんどん授業をしていくことである。
子供たちは担任が授業をすることに拒否感をしめしているはずだから、そういうことをできる限り少なくする方策をすることである。担任は補助に回らせればいい。
これがまず順当に考えられる方策になる。
思い切って担任交代ということも考えられる。
担任が鬱状態で、もはや教室に居続けることは無理な場合はその手立てがある。
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なぜベテランの教室で崩壊状態が多いかというと、それは原因がはっきりしている。
子供たちととの「関係づくり」の崩壊なのである。
ずっと子供たちを「注意する」「叱りつける」「どなる」を繰り返してきて、一部のやんちゃたちがそれに反発をするということから起こっている。
その担任の先生は、子供たちとの「関係づくり」を変えることができない。
そのために、同じことを繰り返しているはずである。
もはや、「縦糸を張ること」(それも張りすぎ)だけで成り立つ時代ではなくなったことを自覚すべきである。
しかし、それができない。
その先生はもはや辞めどきにきているのである。
きびしい言い方だが、現実はそうなる。
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昨年、あるベテランの先生が私の講座を受講された。12月のことだ。
その先生のクラスも、荒れていた。
私は、回復することはなかなか難しいので、これから凌いでいく方策をとるべきであることを進言した。
2月にまた私の講座に参加された。
私は「どうなりましたか?」と聞いた。
その先生は、「クラスが落ち着いてきました!」と言われた。
「決め手は何でしたか?」
と聞いたら、
「先生が『8割に目を向けよ』と言われたので、思い切って8割の方へ目を向けた
取り組みをしたら、クラスが落ち着いたのです」
と言われた。
この時期でも、原理・原則にあった取り組みをしたら、うまくいく場合はあるのである。
このようなベテランの先生になってほしいと願っている。今までの自分なりの考え方ややり方に固執しないことだ。
★
ベテランの学級崩壊が、「縦糸の張りすぎ」による関係づくりの失敗だとすると、若い先生たちの学級崩壊は、「横糸だらけ」による関係づくりの失敗である。
この場合も、凌いでいく手立ては同じである。
何とも憂鬱な時期である。
それも年々ひどくなっていく状況がある。
どうしたものか、考え込む。
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