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2013年11月

竹田先生の第2信のコメントを受けて

 竹田先生から第2信のコメントがつきました。
 竹田先生、こちらこそありがとうございます。
 

 鳥取へ行っていましたので、返事が遅れました。
 今回の指摘は、大変重要なことだとして受け止めております。
 

 最後のところでの参考文献の件については、ちょっと誤解がありますので、書いておきます。
 最後の参考文献は、渋谷先生のものです。
 

 私は参考文献をきちんとあげておりません。それは、前回に書いたとおりです。
 私のページの最後に次のようにあげるべきだったと反省しております。

1、「指導言の区別」について、「指導言」とは、大西忠治先生が指摘されたことである。 『大西忠治教育著作集10、11』(明治図書)を参考にしている。

2,「指示ー確認の原則」については、向山洋一先生の『授業の腕をあげる法則』(明治  図書)の授業の原則を参考にしている。第2条「一時一事の原則」第8条「確認の  原則」である。

3,「フォローの技術」については、中村健一先生の『学級担任に絶対必要なフォローの  技術』(黎明書房)を参考にしている。
 

 これからは十分に気をつけたいと思います。私の甘さでした。
 ただ、講座などでは必ず名前を挙げて紹介しています。

  向山洋一先生の『授業の腕をあげる法則』については、私は大変影響を受けた本で、
来春明治図書で開催される教育書フェアーの紹介コーナー(そういうコーナーを設けるそうです)では、私は、一番目にこの本を紹介いたしました。教育技術について考えていくきっかけを与えられた本です。
 

  今回、私と渋谷先生が書いていることは、初任者の先生が授業の技量を上げていくためには、どういう筋道が必要なのか、そしてどういう研究方法が効果的か、ということについて私なりの持論を書いたものです。

 私は法則化運動以来、向山先生から多くのことを学んできました。(もちろん、他の先生からも多くを学んできました。)
 だから、私の主張の中身が「TOSSの主張にそっくりだ」と言われるのは、私が学んだことが私のものになっているとしかいいようがありません。

 私は、その学んだものを若い先生たちに(特に、私は初任者の先生たちへ)、私なりの方法を使って伝えていくことをしてきました。今も北海道を中心にして各地の教育委員会などで行っています。

 今回の特集は、まさに初任者に授業の技量の向上を伝えようとして組まれたものでした。
 そういうものとして読んでもらうことを切に願っています。

 以下は竹田先生のコメントです。

 ★ ★ ★
野中先生、わざわざ取り上げていただいてありがとうございました。
内容以前の問題で、いくつか書きたいことがございます。

>2番は、確かに向山先生の著作からの参考です。
>1番は、大西忠治先生、
>3番は中村健一先生からの参考です。

と言われてしまえば、これは、そのように受け止めるしかありません。

ただ、私の「必須3原則についてほとんどTOSSです」の意見に対して、

> TOSSの主張がどのようなものか、私は分かりません。 私が参考にしたのは、3人の方からです。

とあります。
 「TOSS」は向山洋一氏を代表とする研究団体です。
 「TOSS」の代わりに、「向山洋一氏の主張」とすれば誤解がなかったでしょうか。

 授業検定については、

>授業検定D、E、F表と似ているという指摘ですが、これは私は読んだことがありません。
>向山先生の本はいっぱい読んでいますので、そのどこかで指摘されてあったことが頭にはいっていたのではないかと言われれば、そうかもしれないという思いはあります。
>たとえば、「テンポよく進めている」「指示が明確である」などは多分どこかの本で指摘されてあったことだと考えられます。
>だが、それを一々参考文献にすることは不可能です。

とあります。
 検定の項目を知らなくても、向山先生の本をいっぱい読んでおられたなら、当然似てきます。
 
◆そこで、TOSS授業力量ライセンスシステムを作り、3年かけて試行してきた。
 黒帯六条件より、はるかにすぐれたシステムであった。
 授業の技量を上げるのは、毎日毎日の一つ一つの授業の蓄積なのである。
 誰でも技量は上がる。しかし、それには目標を持ち正しい地道な努力が必要だ。
            (向山洋一『教室ツーウェイ』2003年11月号)
  http://toss-license.or.tv/

と書かれているように、向山先生のこれまでの主張のエッセンスが技量検定の項目だからです。

>参考にしていることは確かですが、私の中に「これはもう普遍的な教育技術だ!」という思いがあって、失念しています。

とあります。
私から見れば、「参考にしたぐらいで、そこまで似るものか」という思いがあります。
つまり、もはや「参考」の域を超えて、「引用」があったのではないか、ということです。
一々参考文献にすることは不可能でも、向山氏の著作1冊なら可能でしょう。

>最後の参考文献一覧の中に、きちんと上げて紹介すべきであったと思います。反省しています。

とありますが、意外でした。
最後の参考文献は、後半の渋谷先生のものであり、野中先生は参考文献の紹介がないのだと思っていたからです。
もし野中先生が「発問上達法」のみを参考文献に挙げていたのだとすれば、これは意図的に向山先生の名前を出さなかったとしか思えません。
野中先生自身、「向山先生の本はいっぱい読んでいますので」と書いておられるのですから。
繰り返しますが、一々参考文献にすることは不可能でも、向山氏の著作1冊なら可能でしょう。

>内容についても竹田先生に指摘いただければありがたいです。

とあります。遠慮なく指摘するなら次のように言います。

【二段目・三段目は、向山洋一氏の主張、そのものではないか。】
【野中先生と同じように、たくさんの先生方に、向山先生の本をいっぱい読んでほしい。
たくさんの初任者の先生方に、向山先生の本をいっぱい読んでほしい。
ぜひ、向山先生の本の紹介をしていただきたかった】

それ以上の感想はありません。申し訳ありません。
 ★ ★ ★

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竹田先生の問いにお答えします

 竹田先生から以下のような問いがコメントにあった。

 小学館の小四教育技術12月号の内容についてである。

 以下私の答えを載せておきたい。

 ★ ★ ★

竹田博之と申します。
野中先生の担当した「必須の三原則」は、ほとんどTOSSです。

①指導言(発問・指示・説明)の区別
②指示ー確認の原則
③フォローの技術

②には、向山洋一氏の提唱した「一時の一事の原則」の言葉がそのまま出てくるが、その但し書きはない。
③は、ほめ言葉の大切さを説いていますが、要するに「激励の原則」です。

そしてP17には、「必須の三原則」のチェックリストとして次の10項目が挙げられています。

1:子どもの前で自然に話したり、歩いたりしている。
2:子供たちの顔を見て授業をしている      
3:ノートを見ないで授業をしている              
4:にこやかで、元気に授業ができている     
5:テンポよく進めている             
6:発問・指示・説明が区別して明確になされている 
7:指示が明確である               
8:指示したことをきちんと確認している。
9:子どもの「活動」する時間がきちんと保障されている。
10:子どもたちをほめたり、認めたりすることができている。

「私は次ページの項目を設けてチェックしている」とありますが、
これは、以下のTOSS技量検定D・E・F表の項目と酷似しています。

TOSS授業技量検定D表
1 授業の始まり(15秒)のつかみ 
2 子どもへの目線 
3 あたたかな表情、対応 
4 明確な発問、指示 
5 心地よいリズム 

TOSS授業技量検定E表
1 授業最初の作業指示
2 子どもの指名・対応
3 にこやかな表情

TOSS授業技量検定F表
1 子どもの前で自然に歩ける。
2 紙を見ないで授業ができる。
3 声が自然に出ている。

しかし、先生の論稿には、そのことが一切触れられておりません。
先生は、TOSS技量検定の評価項目を一切参考しないで、ご自分で10項目を作られましたか?
今回の特集を書くにあたり、向山氏の著作を参考にしたり、引用したりなさいませんでしたか?

初任者向けの書籍をたくさんお持ちの先生です。
先生の公式な見解をうかがいたいです。

  ★ ★ ★
 竹田博之先生から以上のような指摘を受けました。

 私が「教育技術4年」に書いている「授業技術の階段見えますか?」という特集に書いている内容への指摘です。

 私の答えを書いておきます。

1,必須の3原則で書いている第1の「指導言の区別」という「指導言」については、亡くなった大西忠治先生が初めて使われた言葉です。
  私は講座では大西先生が最初に使われたと紹介していますが、この雑誌では確かに紹介していません。
2,指示ー確認の原則については、「一時に一事の原則」と「確認の原則」は確かに向山洋一先生の「授業の腕を上げる法則」(明治図書)の中で書かれているものです。向山先生が書かれる前に、大西忠治先生も「一指示一行動」という言い方で指摘されてもいます。(『大西忠治著作集10』)
  この「一時に一事の原則」については、以前の本(『学級経営力を高める3・7・30の法則』(学事出版)では次のように書いて紹介しています。
  「…②は、向山洋一氏の『授業の腕をあげる法則』(明治図書教育新書)で取り上げてある法則の一つである。
       『一時に一事を指示せよ』
 子どもたちに指示を与えるときの基本原則である。同じ時に、二つも三つもの指示を与えてはいけない。」
   このような紹介は、あちこちでしていますが、ずっと昔から指摘されてきた普遍的な教育技術だという思いがありました。
  「確認」については、確かに向山先生の本は読んでいたので私の中に入っていたものであることは確かなことです。
    これも必須の普遍的な教育技術だと思いがありました。
3,「フォローの技術」については、中村健一先生が昨年黎明書房から出された『学級担任に絶対必要なフォローの技術』からもらったものです。
  講座や他の本では指摘していることです。
  これは中村先生にきちんとことわっています。
   だが、これもその本からの引用だということは書いていません。
   「激励の原則」については、まったく念頭にありませんでした。

 以上のような経過です。

 2番は、確かに向山先生の著作からの参考です。1番は、大西忠治先生、3番は中村健一先生からの参考です。

 

  竹田先生は、「必須3原則についてほとんどTOSSです」と指摘されています。

 TOSSの主張がどのようなものか、私は分かりません。

 私が参考にしたのは、3人の方からです。

  参考にしていることは確かですが、私の中に「これはもう普遍的な教育技術だ!」という思いがあって、失念しています。
 最後の参考文献一覧の中に、きちんと上げて紹介すべきであったと思います。
 反省しています。

  

 4 ただ、「一人研究授業」チェックリストの10の項目で、授業検定D、E、F表と似ているという指摘ですが、これは私は読んだことがありません。
  向山先生の本はいっぱい読んでいますので、そのどこかで指摘されてあったことが頭にはいっていたのではないかと言われれば、そうかもしれないという思いはあります。
  たとえば、「テンポよく進めている」「指示が明確である」などは多分どこかの本で指摘されてあったことだと考えられます。
  だが、それを一々参考文献にすることは不可能です。
  今までの授業研究の積み重ねられたものを参考にしているという以外にありません。
  この10項目は、普通の普遍的な項目ではないでしょうか。

 この特集は、初任者が身につけていく教育技術についてのものです。
 私は、「授業技術の階段」(これは私が思いついたものです)と「一人研究授業」(これはベテランの教師ならば誰でもが一度は実践したものでしょうが、このように名付けてぜひやるべきだと指摘しました)を指摘しています。(第二段目と第三段目は渋谷渉先生が書かれています)
 内容についても竹田先生に指摘いただければありがたいです。
  

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学級崩壊しているのですけど、どうしたらいいでしょうか?

   学級崩壊の状況になっている。
 どうしたらいいのだろうか、という相談をいくつか受ける。
 

  これについては、「必ずクラスを立て直す教師の回復術」(学陽書房)を出しているのでくわしくはこの本を読んでほしい。
 

  ベテランの先生のクラスに多い。
 ★
 この時期である。
 ほとんどクラスをどうにかできる段階を過ぎている。
 
率直に言えば「立て直す」段階を過ぎているということである。
 

  それでは、どうするか。
 

  凌いでいくいく以外にない。
 学校の中で、凌いでいく体制を整えなければいけない。
 

  校長の決断が迫られる。
 ★
 こんな状況になって必ず打っていく手がある。
 

  まず、空きの先生(空き時間になっている先生たち)を入れ替わり教室に投入するという手立てである。
 空きの先生も大変であるが、まったく効果はない。
 

  次に打っていく手立ては、保護者へ連絡して、入れ替わり保護者を教室に常駐させていく手立てである。
 

  これも保護者は「我が子のことが心配になる」だけで何の効果もあげない。
 

  こんなことは止めにすべきである。
 ★
 学校で凌いでいく体制とは、まず空きの先生(たとえば教務主任など)をずっとその教室に常駐させて、できれば担任と交代してどんどん授業をしていくことである。
 

  子供たちは担任が授業をすることに拒否感をしめしているはずだから、そういうことをできる限り少なくする方策をすることである。担任は補助に回らせればいい。
 

  これがまず順当に考えられる方策になる。
 

  思い切って担任交代ということも考えられる。
 担任が鬱状態で、もはや教室に居続けることは無理な場合はその手立てがある。
 ★
 なぜベテランの教室で崩壊状態が多いかというと、それは原因がはっきりしている。
 

  子供たちととの「関係づくり」の崩壊なのである。
 

  ずっと子供たちを「注意する」「叱りつける」「どなる」を繰り返してきて、一部のやんちゃたちがそれに反発をするということから起こっている。
 その担任の先生は、子供たちとの「関係づくり」を変えることができない。
 

  そのために、同じことを繰り返しているはずである。
 もはや、「縦糸を張ること」(それも張りすぎ)だけで成り立つ時代ではなくなったことを自覚すべきである。
 

  しかし、それができない。
 その先生はもはや辞めどきにきているのである。
 きびしい言い方だが、現実はそうなる。
 ★
 昨年、あるベテランの先生が私の講座を受講された。12月のことだ。
 その先生のクラスも、荒れていた。
 

  私は、回復することはなかなか難しいので、これから凌いでいく方策をとるべきであることを進言した。
 

  2月にまた私の講座に参加された。
 私は「どうなりましたか?」と聞いた。
 

  その先生は、「クラスが落ち着いてきました!」と言われた。
 「決め手は何でしたか?」
 と聞いたら、
「先生が『8割に目を向けよ』と言われたので、思い切って8割の方へ目を向けた
 取り組みをしたら、クラスが落ち着いたのです」
と言われた。
 

  この時期でも、原理・原則にあった取り組みをしたら、うまくいく場合はあるのである。

 このようなベテランの先生になってほしいと願っている。今までの自分なりの考え方ややり方に固執しないことだ。
 ★
 ベテランの学級崩壊が、「縦糸の張りすぎ」による関係づくりの失敗だとすると、若い先生たちの学級崩壊は、「横糸だらけ」による関係づくりの失敗である。
 

  この場合も、凌いでいく手立ては同じである。
 
 

  何とも憂鬱な時期である。
 それも年々ひどくなっていく状況がある。 
 どうしたものか、考え込む。

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横浜国立大学へ行った!

   横浜国立大学へ行った。
 教育人間科学部の教職実践演習での講義のためである。
 
 

  外部講師による演習に私が呼ばれたということになる。
 これは免許取得のための必修科目であるために、260名の参加。
 
 

  大講義室での講義である。
 この中の半分ぐらいが教職に就くという。
  ★
 学生相手の講義は、大変である。
 切実感がないために、真剣に語るほどはずれていく。
 

 今回は、すでに合格通知がきて教師になることが決まっている学生にターゲットを絞って訴えようと準備した。
 80分ぐらいの時間。
 ★
 とくに訴えたかったのは、初任者の壁である。

 

 「初任者がうまくいかなくなる壁が2つある。それは何だろうか?」という質問から講義は始めた。
 

 

 1つには子供とのつきあいかた(関係づくり)がまずいこと。
 2つは、「学級づくり」が分かっていないこと。
 

 

 この2つが答えになるのだが、ここは簡単なことではない。
 ★
 1970年代、80年代までは初任者は、この2つが壁になることはなかった。
 
 

 

初任者は、学校に入ってからこの2つを教えてもらいながら身につけていくことができたからである。
 教師をしながら、徐々に身につけていけばよかったのである。
 ★
 今はどうなっているのか。
 今は、これが無理になっている。
 
 

 

  2つのことを知った上で、きちんと実践できる力が必要になる。
 そうしなければ、いつ学級崩壊の憂き目にあうか分からないのである。
 
 

 

  熱意があるとか、情熱があるとか、教師への夢や思い入れなどがあるとか関係ない。
 そんなものでは、もはややっていけない。
 
 

 

  子供との関係づくりにも、原理・原則がある。
 「学級づくり」にも、原理・原則がある。
 
 これを知って、具体的に実践できるかどうかにかかっているのである。
 ★
 なぜ、昔はそんなことを知らなくて、学校へ入ってから身につけていくことができたのか。
 
 

 

それは、親や子供たちが、学校や教師に対して「縦糸の枠組み」を身につけていたからである。
 
 

 

  親たちは、朝「先生の話をちゃんと聞くのよ」と子供の背に声をかけて送り出していた。
 
 

 

  学校や教師に対しての「聖性」がまだ生きていたのである。学校は未来への架け橋としての「聖性」をもちえており、学校をかけがえのないものとする観念が社会に共有されていたのである。
 
 

 

  子供たちも、この「聖性」という観念のもとに教師の「権威」をきちんと認めていた。
 

 

だから、初任者は、この「縦糸の枠組み」の基盤に乗っかっていけば良かったのである。
 
 だが、これが親や子供たちから完全に消え去ってしまった。
 ★
 だから、教師たちは素手になってしまったのである。
 素手になって、初めから作らなければいけなくなった。
 
 

 

  何を作らなければいけないのか?
 「縦糸の枠組み」である。
 ★
 初任者は、このことが分かっていない。
 誰かがこのことを教えなければいけない。
 
 

 

  初任者が学校に入ってからではもう遅すぎる。
 事前に教えなければいけない。
 
 

 

  これは、教職課程を担っている大学の課題である。
 誰が他にこのことを担うことができるのか。大学以外にありえないではないか。
 
 

 

  このことに気づいた教育委員会が、4月1日の辞令前に事前の研修会を設けていくことが多くなった。
 しかし、一日の研修で、このことを徹底していくことはなかなかむずかしい。 
 ★
 横浜国立大学も、私などの外部講師を呼んで動き始めている。
 
 このままではどうにもならなくなることは目に見えてはっきりしている。

 大学がどんどん動き始めることを切に願っているのである。

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まさかの事件だと思われる。私はそう思わない。

  何とも暗澹となる事件である。
 まず、産経新聞の記事を載せる。

 ★ ★ ★
「邪魔で仕方ない」同僚教諭に薬入りシュークリーム 一時意識不明に

産経新聞2013年11月14日(木)21:05

 小学校の同僚の女性教諭に睡眠導入剤を入れたシュークリームを食べさせ、急性薬物中毒にしたとして、大阪府警平野署は14日、傷害などの容疑で、大阪市立加美北小学校(同市平野区)の講師の女(60)を書類送検した。教諭は一時意識不明となり、入院を余儀なくされた。

 また、職場復帰したばかりの教諭の運動靴や指導用教科書に「ヤメロ」「バカ」とマジックで書き込んだ器物損壊容疑でも書類送検した。「教諭の指導方法が自分と異なり、任せていたら子供たちが育たないと感じた。態度にも不満があり、邪魔で仕方なかった。いなくなればいいと思った」と容疑を認めている。

 傷害の書類送検容疑は昨年6月1日午後4時5分ごろ、小学校職員室で、市販のシュークリーム1個に睡眠導入剤を混入して40代の女性教諭に食べさせたとしている。教諭は食べて間もなく意識不明となり、病院に搬送。9日間入院した。

 同署によると、女は家族に処方された導入剤の錠剤を持参。職員室での会議中に自ら買ってきたシュークリームを配り、教諭にだけ錠剤入りのものを渡した。「1錠を割って中に入れた」と供述している。

 病院から急性中毒の患者がいると通報があり、同署が女性の血液を鑑定したところ、服用した覚えのない導入剤の成分が検出されたことから捜査していた。

 今年4月には教諭が担当する児童の個人情報が書かれた書類の紛失も起きており、同署が関連を調べている。

 学校によると、女は同署の任意の聴取を受けた8月から自宅待機となり、出勤していない。校長は「講師は指導力が高くて評判が良かった。このようなことになり、申し訳ない」と話した。

  ★ ★ ★

 まさかの事件だと思われる。
 私はそうは思わない。
 

 大阪市で起こっているのも気になることである。
 この事件は、疲弊した学校現場の教師間で起こっている諍いがこんな暗澹な事件として露出したものと、私はとらえる。
 ★
 いま教師たちが学校を中途で辞めていく原因は、学級の荒れ(学級崩壊など)、親とのトラブル、そして教師間のトラブルの3つ。
 

 この3つがほぼ原因の90%を占めているはずである。
 問題は、教師間のトラブル。
 

 これが教師たちをますます苦しめている。
 さまざまな事例を知っているのだが、ここでは書けない。
 
 ★
  一方病気離職者は、どうなっているのか。
 舞田良彦さんは、「データエッセイ」でさまざまな統計を示してくれる。

 http://tmaita77.blogspot.jp/2013/11/blog-post_17.html
 
 今回は「病(辞)める教員」。

 このデータによれば、病める教員の数は全教員1万人あたり14.7人。
 それほどの量ではない。
 

 だが、ここ10年で3倍に膨れあがっている。
 今でものび続けているはずだ。

 一方、どの年齢層が病気離職をしているのか。
 データははっきり示している。
 

 25歳未満と55歳から59歳の教師たちである。
 ここに集中している。

 若年層の離職は、持っている力量が子供たちに対応できないからである。
 また、高齢層の離職は、今までの自分の経験を変えることができないことから起こっているはずである。

 
 

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教育技術小4 12月号発売

   「教育技術小4」12月号が発売された。
   総力特集として冒頭に、野中と渋谷渉先生の原稿が掲載されている。
  「『授業技術の階段』は、見えていますか?」というテーマ。

 「しかるべき道筋も示されず、ただひたすら『頑張れ!』とムチ打たれる
  初任者たちの実態を憂う野中先生が、授業技術を効率的に身につけていく
  方法を伝授してくれました。
  いま自分が何段目にいて、次にどんな授業技術を身につけていくべきなの
  か、いま一度立ち止まって考えてみませんか?」

 Kyouikugijyutu


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つれづれなるままに~9日間の北海道訪問が終わりました~

  ●10日(日)14:30新千歳行きの飛行機で札幌へ行く。
 宿泊は、いつもの東横イン北口ホテル。
 

  ここがいいのは、近くにおいしいコーヒー店があり、そして一人でも行ける飲食店があることだ。
 

11日(月)午後13:10から札幌第二水産ビルで道央ブロックでの講演90分。
 最後に30分だけ模擬授業。
 

  この会場で、初めてM先生に会う。
 いつも個人の通信をもらっている先生。
 思っていたよりも若い先生なのでびっくり。少し話す。
 

終わったらすぐにホテルへ引き上げる。歩いて札幌駅に向かっていると、講座に参加されていた若い先生から声をかけられる。
「とても勉強になりました。社交辞令じゃなくて、ほんとに勉強になりました。」と言われる。うれしいものだ。
 

  この日、札幌は夕方激しく雪が降る。
 こんな降り方は久しぶり。傘をささないととても歩けないほど。
 

  札幌の人たちもびっくりしていた。
 こんな中で食事に行く。

●12日(火)朝4:30に起きる。周りはまだ暗い。
 5:30にはホテルを出る。雪が積もっている。その中をゆっくり歩く。
 

  6:00の新千歳行きの電車。
 8:00発の中標津空港行きの飛行機に乗るためである。55分で着く。
 

  途中で摩周湖が見える。初めて、この湖を見る。感激、感激。
 

  空港には、よく知っているT指導主事の迎え。
 すぐに、別海町立上西春別小学校へ行く。
 

  ぜひ、若い先生の授業を見てほしいと頼まれていたのである。
 5年生の体育の授業と、初任者の算数の授業(3年)を見せてもらう。
 

  2人ともよく頑張っている。うれしくなる。
 

  午後から講演会場に移って、道北ブロックの講演90分。ここでも模擬授業。
 

  この会場で、TOSS北海道代表である水野先生に初めて会う。
 私は、フェイスブックで顔は知っていたので挨拶をする。
 水野先生も「野中先生が来られているなんてさっき知りました」ということ。
 

  その日、協議会会場になったグランドホテルに宿泊する。

●13日(水)朝6:00に起床。7:00に朝食に行く。
 朝食会場で、協議会に参加されていた先生たちから挨拶をされる。このホテルに泊まっておられたのである。
 

  2人の先生と30分ぐらい珈琲を飲みながら話し込む。
 

  8:30にT指導主事に迎えにきてもらい、中標津空港へ行く。
 9:30の飛行機で新千歳に戻るのである。
 
 

  新千歳から小樽へ向かう。
 小樽の稲穂小学校から呼ばれている。
 

  今年学校力向上の学校になった学校で、アドバイザーとしての学校訪問になる。
 小樽へ行くと、A指導主事が迎えに見えていた。
 

  この稲穂小学校は、石原慎太郎や石原裕次郎も通った小学校で、明治28年の開校という古い歴史をもった学校である。
 

  給食をいただいて、5時間目の授業をする。
 4年2組、国語の詩「なくぞ」の授業。
 

  子供たちの目が輝いている。
 1時間の授業を終えて、こんなに満足した授業も珍しいくらいに子供たちは乗ってくれた。
 

  終わって教室を去るとき、「おもしろかった~~~」という子供たちの声が聞こえる。
 

  K先生の学級経営が素晴らしい。
  こんな子供たちが育っているのである。
 
 

  放課後の講演で、私の授業は決して「ごちそう授業」を提起したのではないことを強調する。15分程度で作った授業。シンプルに作っているのである。
 「授業づくり3原則」に基づいて作り上げた授業になる。
 

  私達は今まで「ごちそう授業」づくりに奔走してきて、授業のイメージがぱんぱんに膨れあがってしまっている。
 

  この膨れあがったものを一つ一つ削っていって、身軽になる。
 最後に残ったシンプルなものをまとめてみる。
 

  これで「日常授業」をターゲットにしようという試み。
 

  時代の風が吹いている。
 

 それは「足し算的発想」から「引き算的な発想」への転換の風である。

●14日(木)再び稲穂小学校へ向かう。
 初任者2人の授業参観。
 

 2時間目に2人の授業を半分ずつ見る。
 1人のN先生は1年担任。国語の授業。みごとな授業。
 

 もはや初任のレベルを超えている。
  終わってからの反省会で、「私は、福山憲市先生を目標に頑張りたい!」と志を述べられる。
 

 小樽の地で、福山憲市さんを目指す教師がいる。
 

 もう一人のA先生は3年担任。算数の授業。T・Tの先生との授業。
 これもみごとな授業。
 

 落ち着いた授業は、すでに初任のレベルを超えている。
 T・Tの先生の介入も見事。
 
 

 「恐るべし稲穂小学校」という感想を持った。

 その日、横浜へ帰り着いたのは、夜の7時30分頃。
 関東も夏から秋を通り越して一気に冬へと突入する気候。寒いのである。
 

 北海道への旅。9日間の旅であった。

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つれづれなるままに~また、北海道へ出掛けます~

  ●「THE教師力」シリーズの「手帳術」と「新任教師」の原稿を書いて、担当者に 

  送る。
 まだ締め切りの20日には余裕がある。
 
 

  私の場合、締め切りを過ぎるというのはめったにない。
 小さい頃からの習慣なのか、どうもぎりぎりで仕事をしていくことができない。
 

 私の数少ない長所の1つであると、思っている。(笑)

●小学館の教育技術4年生の原稿の校正をする。
 12月号の原稿である。
 
 

 主に初任の先生向けに書いた原稿。
 「授業技術の階段は見えていますか?」というテーマである。
 
 

 私が6ページを書いて、網走小の渋谷渉先生に4ページを書いてもらった。
 編集部でうまい具合に2人の原稿をつなげている。
 
 

 これはなかなかうまい原稿だと、自画自賛している。(笑)
 買って下さいね。

●明治図書から3月に出版される『新卒教師時代を生き抜く授業術』の校正原稿が来る。
 最後の勤務校であった大池小学校の同僚であった井上雅一朗先生との共著本になる。 
 

 このシリーズも、もはや5冊目。
 初任の先生たちに少しでも希望の光を持ってほしいという願いで書きつないできたものである。

1月の下旬に訪れるアメリカのサン・ノゼの日本人学校(補習校)から航空券のチケットが送られてくる。

 

 「行くんだなあ」という思いになる

 今回は成田からではなく、羽田から行けないかという注文に、「ありました!」という返事。
 

 12時過ぎの真夜中に飛び立つ日航のサンフランシスコ便があったのである。
 ラッキー。

●10日からまた北海道へ行く。
 今日は早起きして、22日の横浜国大の講座のパワーポイントを作成している。
 
 

 学級づくりについて80分ほどの講座になる。
 250名の4年生が受講する。これも単位の1つだという。
 
 

 教師になるのは、その半分ぐらいだということ。
 大切なことを訴えたい。 
 
 

 今日は14:00の飛行機。
 荒れまくっている天候は大丈夫かなと思いつつ、さて出発である。

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つれづれなるままに~北海道へ行ってきました~

   ●11月4日(月)から北海道へ行く。
 北海道教育委員会の教育課程改善協議会での講演のためである。
 
 

 4カ所を回る。
 まず、室蘭。
 
 

 羽田から新千歳へ行き、そして南千歳からJRで東室蘭まで1時間15分。
 連休の最終日で、ものすごい混雑。溢れる人たちで、指定席の車両も満杯。
 
 やっとたどり着く。
 

 駅前のルートインというホテルに宿泊。
 ここは人工のラジウム温泉があり、なかなかのもの。
 ちょうど部屋のまん前に風呂があり、3回も入る。
 
 

 夜は、一人で居酒屋へ行く。ここは焼き鳥のメッカ。豚を焼いてくれる。豚を焼い ても、焼き鳥という。(笑)
 海産物もおいしくて、やはり北海道へ来たなあという思いになる。

●5日(火)5時30分起床。すぐに温泉へ。
 食事をして、東室蘭の街を歩く。広くて、北海道特有の豊かさ。良い街である。
 
 

 1時間ぐらい散歩する。
 ホテルへ帰ってきて、講座の準備をする。
  
 今回は知り合いから勧められてマイクロソフト社の「surface」を買って、持ってきている。
 これを使って、パワーポイントを修正する。軽くてなかなか良い。
 

 昼に、指導主事の先生が迎えにみえる。
 
 13:10~14:40までの90分講演。
 

 テーマは、「日常授業の改善をどう進めるか」。
 最後の30分は、模擬授業。いつもの「なくぞ」(谷川俊太郎)の詩。

●今回の道教委のテーマが「学校がチームとなって取り組む学校力・授業力の強化」。
 

 小学校でチーム力を打ち出すというのは、珍しいことではないか。

 そういう時代が小学校にも来ている。
 提案の手引きも、分かりやすく、平易に書かれてある。

 道教委も大きく変わろうとしている。
 そんな思いが強くする。

 学校が取り組む学校力・授業力の強化として、次のような例を挙げてある。

 教室環境の整備、学習規律の確立、基本的な学習過程、実物投影機を活用した授業改善、ノート指導の徹底、宿題の工夫

 こんな具体的なところへ踏み出している。

 特に目をひいたのは、学習規律を学校全体で整備していくことの提案。
 講演で「学校全体で学習規律を決めてあるところは手を挙げて下さい」と手を挙げてもらったところ、半分ぐらいの先生が手を挙げられた。
 びっくり。

 あとで指導主事の先生に「あれは、ほんとうですか?」と問いただす。(笑)
 学校全体で学習規律を決めていくというのは、まだまだ普通のことだと思っていなかったのでびっくりしたのである。
 

●6日、5時に起床。すぐに温泉へ。
 8:31の南千歳行きの「すずらん3号」に乗る。

 そして、11:00発の稚内空港行きの飛行機に乗る。
 プロペラ機だという。
 

 久しぶりのプロペラ機。50分ばかりの飛行。
 上へ上がったら、すぐに降下が始まる。
  カリフォルニアで乗せてもらったセスナ機のことを思い出す。

 12時に着いて、すぐに会場へ向かう。
 ここは空港から稚内の街まで15分ぐらい。便利な空港である。

 13:10~14:40まで(かなりオーバーしてしまう)講演。
 模擬授業は、「おならうた」(谷川俊太郎)。

 ここでも強く「日常授業の改善」を訴える。

●懇親会で、教育支援課長のN先生に言われた。
 「授業観を変えていかなければいけないということですね」

 N先生の言いたいことは次のようなこと。
 
 今まで多くの授業研究が「ごちそう授業」づくりに奔走してきた。
 そういう授業のついての考え方を変えていかなければいけないということ。 

  我が意を得たりということ。
 
 私は「ごちそう」授業を否定しているのではない。
  1年に何回かはたっぷりと教材研究をして「授業づくり」をすべきだと思っている。

 しかし、そんなことは「日常」はできない。
 むしろ、この「日常」が1000時間以上続く。

 この「日常」をどのように構築していくか。
 今までの「ごちそう授業」づくりの授業観では無理だ。

 この授業観を変えていくという発想だったのだと、改めて考えてしまう。

●稚内の全日空ホテルへ泊まった。
 
 10階から見える日の出は素晴らしいもので、うっとりと見とれてしまった。
 
 

 その日、突端にある「ノサップ岬」にも連れていってもらう。
  めったにないという、穏やかな波が岬を包み、向こうにはかすかに宗谷岬が見えている。
 

 ここは日本の北端なのである。
 

●夕方、横浜へ帰ってくる。
 やはり、関東は暖かい。

 さあ、今度は10日からまた北海道へ行く。
 

 小学校の教育課程改善協議会4カ所は私で、中学校の教育課程協議会4カ所は、池田修先生である。 
   池田先生は、熱を出して寝込んでいたと聞いたが、大丈夫なのかな。

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