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なぜ児童尊重型の「学級づくり」はうまくいかないのか②

 森田純・山田雅彦2013年の論文を紹介した。

 この論文で何が明確になったのか。

 これを私の言葉ではっきりしておく必要がある。

 ★
1 「縦糸を張ること」が先である
 論文の結論から分かることは、2つ。
  1つは、教師と児童の上下関係(私達は「縦糸を張る」と言っている)を先に
 

 確立し、そして水平関係(私達は「横糸を張る」と言っている)を確立していくこと

  の確かさが実証されている。

 論文では、次のように書かれている。

 ★ ★ ★
 以上の分析により、学級内の児童の良好な人間関係に寄与しているのは、学級内の水平関係ではなく、上下関係の確立であることが強く示唆された。それも、「自治によってルールを決める」といったメタ・ルールの確立ではなく、調査1に列挙されたような、学習規律、整列、整理・整頓、敬語の使用、挨拶といった具体的な生活習慣の確立が、社会性自己評価の平均値の向上にも児童間の格差縮小にも寄与していることが示された。

 ★
 従って、指導重視型と児童尊重型の対立に即して本研究の結果を解釈するならば、個々のルールの徹底という形で上下関係を確立してから仲のよい水平関係を確立してゆく指導重視型の学級経営の方が児童の社会性の向上、ひいては順調な学級経営に有効である可能性を示唆したものと見なす方が矛盾が少ない。
 ★ ★ ★

2「横糸を張ること」が先であることの問題
 

2つ目は、児童の社会性が低く、友達関係を育みにくい学級担任のスタイルは、水平関係に偏っていることの実証である。

 初任者が最初に子供たちと「関係づくり」をするとき、友達みたいな関係(私は友達先生と言う)を作ってしまう。
 最初は、子供たちは歓迎するのだが、そのうちにだんだんと反発が広がり、ついに6月頃にクラスが荒れていくというパターン。
 

   こういう初任者のクラスは、どこにでも転がっている。

 また、児童尊重型の教師のクラスも、水平関係からクラス作りをする。
 できるだけ子供の意見を尊重して、彼等の意見をクラス作りにどんどん取り入れていく。
 
 

  論文では、次のように指摘されている。

 ★ ★ ★
 このように、水平関係の確立は、上下関係が確立された学級で社会性自己評価の低下を抑止することに寄与するものの、水平関係自体としては社会性自己評価の低下さえももたらすことが示唆された。
 ★ ★ ★

  この指摘は、意外な結果として受け止められるであろう。
 水平関係自体を頭から「善なるもの」として考えている教師たちはかなりいるからである。

  問題はどうしてこうなるのかということをつっこんで考えておくことである。

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