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体罰調査のその後

   Y新聞社から電話取材を受けた。
 体罰についてである。
 もう1か月も前であろうか。
 

 結局、この取材記事は没になってしまった(と思う)。
 

 私の答えが、Y新聞社の望むことに合わなかったからであろう。
 
 

 文科省の指示にもとづいて、体罰の調査があったことは周知なことであろう。
 これについての調査結果(二次調査)がまとまっていることからの取材であった。
 
 

 くわしい内容は分からないが、一次調査と比べてかなり多いということらしい。
 
 一次調査の結果はすでに文科省の方で公表されている。
 一次調査は、平成24年4月~平成25年1月までの結果
 

 二次調査は、平成24年度に発生したもの(今回新たに実施した調査の結果把握したもの)
 
 ★
 私が取材に応じて話したことは、次のようなことである。
 
 ★ ★ ★
 今回の調査で体罰が多く発生していることを報告されることになると思うが、これは今学校現場で進んでいる「学級崩壊」や「学級が荒れていく事態」と軌を一にしている。
 
 

 クラスによっては、子供たちが、担任が気にくわないということで学級を壊しにかかったり、授業を妨害したりする事態は頻繁に起こっている。
 
 担任がそれに対処する形で体罰が起こっていることが容易に考えられる。
 

 教師は、いきなり体罰などするものではない。
 
 小・中学校の先生は、しょっちゅう校長から教育委員会通達の体罰禁止の通告を受けている。身に沁みて体罰はやってはいけないと理解している。
 

 だから、そんなに簡単に体罰が発生するはずがない。
 
 順序としては、最初に問題のある児童に「注意」し、それでも聞かないので「叱り」、それでも聞かないので「怒鳴り」という経過になる。

 そして、最後のところで、「体罰」という事態が発生していく。
  その時点で教師は冷静さを失っている。
 
 

 クラスが平穏で、普通に進んでいるならば「体罰」などが起こりようがないのである。
 

 今、文科省はじめ各都道府県教育委員会は、「体罰根絶」とスローガンに調査を何度も行い、徹底的に根絶をしようと動いている。
 
 しかし、その方向は教師を徹底的に指導するという方向だけである。
 

 学校現場では、このような指導を受けて、児童を「叱ること」さえも手控えていく風潮が生まれている。
 
 

 問題は、授業を妨害し、学級を壊しにかかっている児童をどうするかということである。
 教師たちは、クラスに存在する2,3人の超やんちゃな子供たちにクラスをかき乱されて、その対応に追われている。
 

 どうにもならなくて教師を辞職したり、鬱病になったりしている。
 
 教師を学校に増やしていけば、担任を持っていない先生たちがそれらの子供たちの面倒を見て、担任は他の子供たちの授業を進めることができる。
 

 当たり前のそのような措置が取れないのである。
 
 こういう措置を取らないで、教師の側だけを処罰し、指導していくということはあまりにも片寄った対応ではないか。
 
 

 これから学校教育はますますこのような度合いを強めていく。
 教師が疲弊し、打ちひしがれていく。
 
 

 文科省は、ほとんど何の対応も取れていない。
 ますます教育亡国への道を進んでいく。
 ★ ★ ★

 こんなことを話したのだと思う。
  
 学校教育法11条は、次の内容である。

  学校教育法 11条:
「校長および教員は教育上、必要があると認めるときは監督庁の定めるところにより、
学生・生徒および児童に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。」

  「懲戒を加えることができる」と記してある。
 だから、「叱ること」を手控えてはいけない。
 叱らなければいけないことは、毅然として叱るのである。
 


 しかし、体罰はしてはならない。
 これから体罰をしたら、自分の教師生活が危うくなる。

 ★
 今回の体罰の調査を受けて、一部の「生徒しない」子供たち(学びの姿勢をとれない子供たちのこと)がますます増長していくことが予想される。
 
 

 今回の調査報告でも、ある保護者から「先生、子供たちがそろって『あの教師辞めさせようぜ』ってあることないこと書いて送ったって聞きましたよ」と聞いた。
 あり得ることだ。
 
 この報告を受けて、当然指導主事は調べる。
 

 担任は、がっくりとする。
 そして、やる気をそがれていく。
 
 おそらく、今回の調査は「体罰根絶」という意図のもとに進められたのだろうが、教師のやる気喪失をますます深めていくものとして機能したのであろう。
 私にはそのように思えてならない。

 事の本質をつかんでいない。

 滅びへの道は、善意と美しい言葉に敷き詰められている。

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