自分の許容量を広げるということ
網走で、以前私の講座に参加された先生から質問があった。
これからの若い先生たちへのメッセージをお願いしたいという質問だった。
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強調したのは、仕事を早く済ませる仕事術を身につけてほしいということ。
これが身につかなかったら、これからの仕事は行き詰まっていく。
学校には、毎日9時、10時まで居残って仕事をしている先生が必ず2,3人いる。
熱心だと推奨する管理職もいる。
本人もそうすることに満足しているのかもしれない。
私に言わせれば単に、仕事が遅いだけである。
初任者ならば仕方ないが、もう数年経験しているのにまだこんなことを繰り返している。
学校の仕事は、やろうとすると限りなくある。
ただ基本的で、必要な仕事は、そんなにあるわけではない。
やり方さえ覚えてしまえば、きちんと勤務時間で終えられる。
遅くまで残っている先生たちは、無駄なことをやっているか、だらだらと仕事をしているだけにしか過ぎない。(と私は予想している。何をしているか見ていないので)
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「時間に支配されない人生」(ジョン・キム著 幻冬舎)を書いたジョン・キムは、
次のように書く。
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大きな目標を実現するには,努力の加速度を上げることが大切だ。人生にも
「ムーアの法則」を適用しよう。
ムーアの法則とは、コンピュータの集積回路の性能は18ヶ月で二倍になる
という法則である。これを内面の4つの力(思考、感情、言葉、行動)にも適
用し、一定期間ごとに自分の許容量が二倍になるようにする。
これがうまくいくと、以前は100パーセントの力を尽くしても納得のいく
レベルまで仕上げられなかった仕事が、数十パーセントの力で達成できるよう
になる。そうすれば時間の余裕が生まれ、ほかの仕事もできる、ゆっくり休む
時間も確保できる。
これは誰にでも適用できる法則である。新人の頃は24時間あっても足りな
かった仕事が、数年後、ほんの数時間でできるようになった経験は誰にでもあ
るだろう。そうなれたのは、時間配分や仕事のやり方を工夫し、自分の許容量
を大きくしてきたからである。子どものときは大問題だったことを、いまはい
とも簡単にこなせるようになったのは、内面の許容量が広がったからである。
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私が言う仕事術とは、ジョン・キムに言わせれば「自分の許容量を広げる」ということである。
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私が若い頃のことを思い出せば、冷や汗もののことが多いが、1つだけ誇れるものがあるというのは、「大切なことと大切でないこと」の区別をきちんとできていたなということである。
大切でないと判断できるものは、徹底的にいい加減に済ませた。
大切だと判断できたものは、じっくりと時間をかけた。
このことは自分の許容量を広げることにおおいに役だったと思われる。
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テストの丸付けは、放課後一度もしたことがない。
空きの放課後は、全て教材研究の時間だった。
えっ、そんなことできるの?
来週の週案は、空き時間の15分で終えた。
えっ、そんなことできるの?
通知表は、締め切り1,2週間まえにはほとんど終えていた。
えっ、そんなことができるの?
できるのである。許容量の問題である。
その仕事術について、「必ずクラスを立て直す教師の回復術!」(学陽書房)に全て書いた。参考にしてほしい。
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