そのような「重点研修システム」に改善していくべきである
各学校で重点研究として「授業研究」が始まっている。
一人1回の研究授業をする。
ほとんどの学校がだいたいこのような取り決めである。
テーマは、壮大なテーマが多い。
・思考力・判断力・表現力をはぐくむ授業の工夫
・確かな学力を身につけた自ら学ぶ生徒の育成
・望ましい人間関係を基盤とした『確かな学力』の向上を目指す授業
などなど
そして、研究授業が行われる。
中学校ならば、誰か教科の中の一人が授業をするのであろうか。
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今は、研究授業の膨大な指導案を作るために、ネット検索をすればほとんどの資料が手に入るらしい。
たとえば、「大造じいさんとガン」の指導案を手に入れたいと思えばネット検索すればどんどん出てくる。
それをそのまま写せば指導案ができあがる。
お決まりの全体会で、話し合いをして、それで終わり。
最後に、指導案と考察を加えたものを印刷して紀要にしてまとめる。
★
私が初任の頃(45年前)からこのパターンは、ほとんど変わりない。
年中行事である。
運動会を行うのと同じように、1つの行事として行う。
変えようという発想などは浮かばない。
研究授業は、準備されて作られたものなので、よく練られている。
子供たちも特別な時間でがんばっている。
それで先生たちの授業が変わっているのか?
それで先生たちの授業がうまくなっているのか?
それで子供たちの学力は良くなっているのか?
………
そういうことは問わない。年中行事だから。やればいいのである。
★
何も変わっていないのである。
「日本の学校教育のシステムそのものが制度疲労の限界に達している」と言い放ったのは、「学校教育の終わり」を書いた内田樹さんである。
さしずめこの「重点研究研究授業システム」は制度疲労の典型的な一つである。
私はこのような「研究授業システム」を変えなければいけないと主張している。
「研究授業」だけをこのように飾っていても、学校は何も変わらない。先生たちも変わらない。だから、子供たちも変わらない。
その「研究授業」と「日常授業」があまりにも離れすぎている。
だから、これからの研究システムは、「研修システム」に変更していく必要がある。
どだい一つの学校に「研究」などというのは無理な相談である。
「研修」で十分。
その研修のベクトルを、「日常授業」の充実の方に向け直していく。
そのような「重点研修システム」に改善していくべきである。
これが私の主張点である。
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今日のフェイスブックで、山口の福山憲市先生が次のように書かれていた。
★ ★ ★
今日は「音読・群読・合唱・合奏」の発表会。日曜日が保護者対象の日です。非常勤の先生は初めてわが校に来ました。偶然、全校児童鑑賞の日に当たり、全学年のを見ることができました。興奮して言われるのです。「声が素晴らしいです!!どの学年も心に響きます。」お世辞もあると思いますが、自分もそう思いました。声がいいのです。・・・・・校内研修が「日常授業の改善」。その改善視点は、学年で自由に決めていいのです。どの学年も書いています。「声がそろう」「声が出る」と。その視点を生かして、日々の授業を仕組んでおられるのです。たがら、2ヶ月でどの学年も心に響く声が。その上、今年度から、全国合唱コンクールで金賞を何度もとらせている先生が音楽担当として転勤されてこられたのです。その指導の素晴らしさも影響しています。・・・・日々の事実が積み重なると、人の心を動かす。強く思います。
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福山先生が今年校内研修の担当になり提案されたのが「日常授業の改善」。
校内研究ではなく、「校内研修」である。
とても注目している。
できれば授業の発表会などがあれば、ぜひとも参観させてもらいたいものだと願っている。
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6月29日(土)の「味噌汁・ご飯」授業公開研究会では、トップバッターとして
私が模擬授業をする。
http://kokucheese.com/event/index/91891/
前回のアンケートに何人もの人が「野中先生にも模擬授業をしてほしい」という内容が書いてあったからである。
「味噌汁・ご飯」授業であるから、期待しないでほしい。(笑)
こんな「日常授業」を作り、授業に移していこうとしているのだという意気込みが伝わればいい。
くれぐれも期待しないでほしい。(笑)
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