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「学校教育の終わり」ということ(2)

   「学校教育の終わり」という内田さんの論は、今まで曖昧であった原因をきちんと言葉化されている。
 

 その点で、私は今まで自分の中ではっきりしていなかったことが一気にまとめられたことになる。 
 

 これをどう受け止めるか。
  それは立場や考え方によって大きく異なって来るであろう。
 ★
 内田さんは「教育の受益者が『共同体』から『個人』に移ったのである」と書いた。
 

 この変化は、考えてみれば大変な転回である。
 

 「共同体」の存続で作られてきた「学校」のすべてが、「個人の尊重」「個性化、個別化」で作り替えなければならなかったということになる。
 

 学校はほとんどそれができなくて、これほどの変調をきたしていることは今更ながら分かってくることである。
 

 内田さんは次のように書いている。

 ★ ★ ★
 学校を全部変えるということは「無学校状態」に子供たちを放置するリスクを負うことにであり、私たちはそんなソリューションを採択することができない。
 つまり、学校教育システムを全部変えなければいけないのだが、部品は今あるものをそのまま「使い回し」てゆかなければいけない。
 いわば、自動車を走らせながら修理するようなことを私たちは求められているのである。これが学校教育についての私の基本的な立場である。「走りながら修理する」ために、何をすればいいのか?何ができるのか?
  ★ ★ ★

 「走りながら修理する」
 

 そんなことが可能であるのか。
 作り替えられるものなのか。
 

 また、作り替える必要があるのかどうかも大きな論議を呼ぶであろう。
 

 しかし、教師たちは、まだそういうことがまったく分かっていない現状である。
 

 ましてや保護者や、マスコミなどは皆目分かっていない。
  
 ★
 昨年から私は北海道へ行くことが多い。
 道教委の学校力向上事業のアドバイザーとしての仕事である。
 

 北海道の各地で、実際に授業をしながら子供たちの様子を見ていくのである。
 子供たちはまったく違う。
 

 私が出会ってきた北海道の子供たちは、素直で、授業に真正面から向かい合ってきた。
 

 横浜の子供たちの状況とは違う。
 こんなに違うものかと思うほどであった。
 

 横浜でも40年前は確かにこんな子供たちはいたのである。
 

 だから、地域によって大きな違いが出ている。
 

 おそらく、日本の中で東北、北陸(全部とは言えない)などは最も安定した地域として内田さんの論は、ピンとこないのではないかと思われる。
 

 しかし、関東から西は深刻だ。
 特に、主要都市圏の深刻さは、行くところまでいっている。
 

 私は、驚くべき事実をさまざまに知っている。
 

 小学校でさえも、制服警官の常駐がいますぐ必要であるところはいくらもあるのである。
 ★
 私は、現場教師の立場で常に考えてきた。
 退職した今も、この立場で考えているし、行動もしてきた。
 

 だから、内田さんとは立場が違う。
 

 現場教師は、どんなに現場が大変になろうが、どんなに学級が荒れていこうがとにかく何とかしなくてはならない。
 

 目の前のことに全力を尽くしていかなくてはならない。
 ここが決定的に違う。
 

 確かにこれから学校は、学級崩壊だけでなく、「学校崩壊現象」を抱え込むことになる。
 あちこちに突然この現象が起こってくることを覚悟しなければいけない。
 

 現場は、「無援の前線」を進むことになる。
 ★
 次回は、私が今まで取ってきた立場からこれからのことを語りたい。  
 

 
  
 
  
  
   

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コメント

野中信行先生へ

はじめまして。

私は、香川県教育委員会の指導主事をしております
松浦と申します。

「現場教師は、どんなに現場が大変になろうが、
どんなに学級が荒れていこうがとにかく何とか
しなくてはならない。」
 
「目の前のことに全力を尽くしていかなくてはならない。」

まったくそのとおりだと思います。

本県は、不登校等の出現率や暴力行為の発生件数が
全国ワースト上位にあり、今一番の課題となっています。

学校の教員は、目の前のことに全力を尽くしています。
しかし、高止まりの現象はなかなか改善できません。

そこで、今年度は、全県をあげて対処療法的な指導だけでなく、
いわゆる「未然防止」の観点から生徒指導に力を入れ
ていきたいと考えておりますので、ぜひ、野中先生のお話
を県内の先生といっしょに聞かせていただき、士気を上げたいと
考えております。

もし、ご都合がよろしければ、ぜひご講演をお願い
したいのですが、いかがでしょうか。

日は、8月26日(月)です。

誠に恐れ入りますが、このメールアドレスにご返事
いただきますようお願いします。


どうぞ、よろしくお願いします。

投稿: 松浦 | 2013年5月22日 (水) 14時31分

松浦先生、野中です。講座の依頼ありがとうございました。
ぜひとも伺いたいと思いましたが、8月は大変詰まっていて、8月27日に愛知の東海市教育委員会の講演です。
昨年、無理をして虚血性腸炎になりまして、ちょっと無理ができない状態です。
また、別の日でも連絡をください。
私のメールです。
kazenifukarete@hkg.odn.ne.jp

投稿: 野中信行 | 2013年5月23日 (木) 09時44分

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