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「学校教育の終わり」ということ(5)~「自慢づくり」のこと~

   5年生には、他校との球技大会がある。
 ミニバス(女子)とサッカー(男子)である。
 

 隣の学校との親善試合になる。
 隣の学校は、1クラス。1試合ができる、やっとの人数。
 

 だから、ほとんど同じ子供たちが出てくる。
 こちらは、2クラス。圧倒的に有利である。
 

 ところが、ところが、女子も男子もほとんどが負けと引き分け。
 「えっ~~~~」と頭を抱える状態。
 

 これは、どうしたことだろうか?
 子供たちに聞いた。
 

 「おい、おい、どうしたことかね?」
 子供たちは答えた。
 

 「先生、どうせオレたち前から何やったってだめだよ。負け、ずっと負けてるよ!」
 という答え。
 

 全体的に子供たちに覇気がなく、だらだらしていて、意欲がないというのは、こんな考えにもあったのだとしみじみと思う。
 このような負け犬根性が、全体的に蔓延し、子供たちに染みついている。
 

 子供たちに、自分たちの学校を自慢できる気持ちがまったくないのである。
 そして、そのような「事実」も学校では作り出していなかった。
 ★
 子供たちが自分たちの学校を自慢できる「事実」を作り出さなくてはならない。
 「うちの学校にも、こんなすごい子供がいるんだ!」
 

 「うちの学校は、他の学校ではやっていない、こんなことがあるんだ!」
 

 「うちの学校って、すごいよ!」
 

 私は「自慢づくり」と言う。
 自分の学校を自慢できることを作らなければいけないとしみじみと思う。
 

 さて、どうするか?
 ★
 2年目から「特設の陸上クラブ」を作った。
 手っ取り早く成果をあげる以外にない。
 

 5,6年の子供たちを対象に特別に陸上クラブを作り、朝練をやったり、夏休み練習をやったりして、子供たちを陸上の大会に出場させる。
 

 そして、良い成績を上げて、朝会で校長先生に表彰してもらうのである。
 私ができる方法では、これしかないと考えた。
 

 陸上でとりあえず目立つ成績を上げる。
 私には目算があった。
 

 私は、このために夏休みの全ての空き時間をこの練習につぎ込んだ。
 子供たちも大変であったが、私も大変であった。
 

 その甲斐あって、すぐれたランナーが出てきた。
 6年生女子で、100m神奈川県大会で2位になる。
 

 6年生女子が400mリレーで横浜全体の体育大会で3位に入るという快挙を出していく。
  次々に朝会で校長に表彰してもらい、選手達を讃えていくことを繰り返した。
 

 そのうちに、5年生男子が神奈川県大会で100m優勝したり、6年生女子が神奈川県代表として全国大会に出場したりするようになった。
 

 もうこの頃には、「どうせオレたち……」と考える子供たちはいなくなっていた。

 「陸上学校」の名前が高まっていく中で、その気になる子供たちが多くなっていった。
 

 区のクロスカントリー大会が11月の下旬に行われる。
 10月の最初から1ヶ月間運動場の周回コースを回る朝練を始める。
 

 1年生から6年生まで参加する。
 100名以上の参加。
 

 350名の学校だから30%ぐらいの子供たちがそのレースに参加する。 
  10名以上が3位以内に入り(20名以上が3位以内に入ったときもあった)メダルをもらってくる。
 

 全員が体育館の壇上に上がり、校長から表彰される。
 壮観である。
 

 「すごいよ!オレたちの学校はすごいぞ!」
 ★
 2年で普通の学校になった。
 もちろん、さまざまな火だねはあるが、クラスは落ち着いていった。
 

 子供たちの「自慢づくり」の必要を痛感した。
 そして、この頃、先生たちも一丸になり、さまざまな「学校改革」が実行されていく。
  

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