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緊急にコメントに答える~クラスを回復する処方箋~

 以下のようなコメントが載った。
 これは大変である。
 

 緊急に、このコメントに答えていかなければいけない。
 T先生に連絡をしたが、連絡がないので私の思いを伝えることにする。
 

 もうすでに信頼する2人の先生からT先生へコメントが入っている。
 きちんと受け止めてほしいと願っている。
 ★
 ほんとうなら教室の子供たちを見て、先生の対応を見て、授業の様子を見ればだいたいの状況をつかむことができる。
 そして、どのような対応をしていけばいいかが分かる。
 

 まだ、1ヶ月なのだ。十分に対応できる。
 まず、そのコメントをあげたい。 
  ★ ★ ★
 こんにちは。
私はTの小学校の初任者で、二年生の担任をしています。
今、自分のクラスは荒れています。
中心的なやんちゃな男子(Sくん)が一人おり、その子が周りの児童を叩いたり、授業を妨害します。子供たちはその子の苦情を私にひっきりなしに言いにきます。私は注意をしたり、時には教室の外まで引っ張っていって叱ったりするのですが、なかなかおさまりません。
Sくんの行動は、私の注目を浴びたいためだと他の先生には言われます。実際に、Sくんは私に甘えているように見えます。しかし、何度も私に叱責され、他の子供たちにも苦情を言われ、今とても心が荒れているのだと思います。
私自身も時間やトラブルの対応に追われ、子供たちとゆっくり話す時間も取れずにいます。子供たちには、「先生なのに、なんでS君をとめられないの」と言われてしまいました。
さらに、Sくんと共に授業中にふざけ出す児童が二人います。
その三人が騒ぎ出すため、周りの児童も集中できず、また私の指示の出し方や授業の仕方が悪いためか、半分以上の児童がすぐにおしゃべりをしてしまい、授業が成り立ちません。
叱っても、黙って待っても、きちんとできている子を褒めても、どうにもおさまりません。
学級がスタートしてから、なにがなにやらわからない、その場しのぎの日々が続き、授業中に子供たちを静かにさせることも、きちんと整列させることもできない状態です。なにかを指示するにも、一度で指示が通らないため、何度も何度も大きな声で指示を出しています。それでも聞かない子達のところには直接行って、肩を叩いてやらせている状況です。
先生のブログを読ませていただきました。
私は先生がおっしゃる初任者の失敗をほとんどしてしまったようです。
やんちゃの対応にかかりきりになり、縦糸もはれず、一対一対応をしすぎ、学習規律も整えられず、子供たちの「前のクラスではこうだった」という声に揺らぎつづけました。その結果、子供たちに先生として見てもらえなかったのだと思います。
子供たちの去年の担任は二年目の男の先生で、学習規律をあまり整えて来なかったようです。ですが、男の先生が大声で叱ることで、子供たちは言うことを聞き、学級が成り立っていたという状況でした。結果、今子供たちにはルールに従うという概念が身についていないように見えます。さらに男性に怒鳴られてきたため、私が声を荒げても怖くないようです。
自分は担任として、チャイムがなっても座らなかったり、おしゃべりばかりする子供たちを、叱り続けてしまいました。
そのときは自分が前の先生に比べて怖くないから子供たちが従わないのだと思ったためです。
しかし、そうではなく、もともと学習規律を教えられていなかったため、一から優しく教えてあげればよかったのだと気づいた時には遅すぎました。

子供たちとの関係は、悪いわけではありません。給食中や休み時間には子供たちは私のところに来てくれるので、好かれているとは思います。
ただ、教師として前に出て指示を出すと、指示がほとんど通らず、授業も成り立ちません。一部の真面目な子達が一生懸命自分のほうを向いてくれるのですが、その子たちには申し訳ない気持ちでいっぱいです。
今、どうしたら良いのかわからない状態です。他の先生はそのうち落ち着くよと言ってくださいますが、私にはそうは思えません。子供たちの前に立つことが怖くなってきて、向いていないのだろう。子供たちの貴重な一年を私がめちゃくちゃにしてしまうのでは。辞めたほうが良いのではと思っています。
指導教官には、甘えすぎ、マイナス思考すぎと言われます。ですが、本当にどうして良いのかがわかりません。大好きなはずの子供たちに対してイライラしてしまい、怒鳴ってばかりの自分は、自分が一番嫌いなタイプの先生になっています。放課後は毎日泣いています。個人面談や公開日が来るのが怖いです。
私のように最初の一ヶ月を失敗してしまった者が、学級を立て直すことはできるのでしょうか。
もしお時間があれば教えてください。お願い致します。
 ★ ★ ★
 ★
 この様子から言えることは、初任者が陥る典型的なパターンで学級が荒れていっている。
 クラスの様子は異なるが、このような状況になっている初任者のクラスは日本全国でかなりあると考えられる。
 

 そして、必ず初任の先生は次のように心を痛めていく。
 
 ★ ★ ★
 今、どうしたら良いのかわからない状態です。他の先生はそのうち落ち着くよと言ってくださいますが、私にはそうは思えません。子供たちの前に立つことが怖くなってきて、向いていないのだろう。子供たちの貴重な一年を私がめちゃくちゃにしてしまうのでは。辞めたほうが良いのではと思っています。
  ★ ★ ★
 ★
 「やり方」がまずかっただけである。
 そのように前回のブログで書いた。
 

 どこからも誰からも教えられていない。
 もちろん、本を数冊読んだのであろうが、そのような知識が即座に現場で生かされるわけではない。
 

 分刻みの生活の渦の中に巻き込まれて、何が何か分からないままに現在の状況を迎えているというのが正直なところであろう。
 

 私はもう一度強調しておきたいが、この状況は「やり方」がまずかっただけで、原則に戻ってやり直せばそのうちにだんだん落ち着いてくるはずである。
 

 教師に向いていないとか、辞めた方が良いのではないかとか、そういう問題ではない。 ほとんどの初任者が最初はぶつかる壁であり、この先生だけの問題ではない。
 「子供たちの貴重な一年を私がめちゃくちゃにしてしまう」と嘆いておられるが、子供たちにはさまざまな経験をさせたがいい。
 

 T先生も、自分の人生の中で最初の試練だと思って、全力でぶつかることである。
 必ず道は開けてくる。
 私が断言してもいい。
 

 それでも耐えられないというのならば、私があなたの学校を訪問したい。
 
1日いて、方向を必ず提起したい。
 

 もう一度私のブログに連絡をしてほしい。
  ただ、救いなのは、次のように書かれていることである。
 
★ ★ ★
子供たちとの関係は、悪いわけではありません。給食中や休み時間には子供たちは私のところに来てくれるので、好かれているとは思います。
 ★ ★ ★

 T先生に味方してくれる子供たちはいるのである。
 その子供たちのためにがんばることである。

 ★
 さて、問題をはっきりしよう。
 どこに問題があったのか。

 ①初任者が典型的に陥るパターンは、クラスで目立つ超やんちゃな子供(ここ  

  ではS君を中心にする3人)にかかりきりになることである。
  当然、周りの子供に迷惑をかけ、苦情が届けられているので対応せざるをえない。
  

  毎日毎日注意し、叱り、……を繰り返していくことになる。
  効果はない。だけど、こうするより他に方法がない。
  モグラ叩きの状態。
 

 ②でも、効果はないどころか、ますますひどくなる。最初はS君だけだったがそれに  同調してくる子供が増え、クラスがますます不安定になる。
 
 <アドバイス1>
 ①ここでの「やり方」のまずさは、確かにS君に対しては注意をしなければいけない  が、過剰になってはいけないということ。
  

 そして、ここで肝に銘じて大切にしなければいけないのは、「8割の子供たちを味方 にする」ことである。
  ここに意識の大半を向けなければいけないことなのである。
  

 そんなことを言われても、目の前で実際に騒いでいくS君や2,3人の子供たちが いるのでどうしようもないと言われるであろうが、でも実際はここのところを踏み外さないことである。
  

 そこで、これからのことになる。
  実際に騒いでいるS君などのために授業ができないことを初任者指導教官、学年主 任、校長に訴えることである。とにかく窮状をどんどん訴えることである。
  

 授業を邪魔するS君は別のところで学習をさせてもらえるなどの処置も考えていい。
  

 管理職と相談して、S君の保護者へも訴えることも考えていい。
  とにかく、自分一人で抱え込まないで周りに訴えること。

 ②S君などが授業の邪魔をしないならば、そのままにしてどんどん他の子供たちのた  めに授業を進めていくことである。

  <アドバイス2>
 ①「8割の子供たちを味方にする」。
  これが最も大切なこと。
 

  この子供たちのために、ほとんどの意識を傾けなければいけない。
  この子供たちのために動いていくことを心がけること。
 

  そのために、まず
  A、時間割にある時間をできるだけ守り、その時間に従って進めること。
   「空白になる時間」を作らないように徹底する。
 

   もめごとは、授業中に解決することなどは取らない。
   廊下に連れ出して問題解決に当たるなどもしない。
 

  B、教室が汚くなっているのではないだろうか。
   ゴミが放置されてあったり、雑巾が落ちていたり、プリントが落ちていたり、
 

   掲示板に貼っているものがはずれていたり、……。
   こういうことが子供たちの騒々しさを倍加していく。
 

   できるだけきちんと整えていく。意識してきれいに整えていくこと。
 
 

 ②クラスにスピード感をつける。
  今、クラスは何をしてもスピードがなくなっているはずである。
  何をしてもダラダラして、時間ばかりかかってしまう。
 

  そうなっているはずである。
  これを改めなくてはならない。
 

  A、まず、朝の会、終わりの会を5,6分で終わるようにすること。
  今は朝の会はほとんど1時間目に食い込むようになっているだろうし、終わり 

 の会も15分から20分はかかっているであろう。 
   

  プログラムをもう一度検討して、効果がないものはやめにする。
  
  

  B、プリントなどの配付は、給食の時間に済ますことを考えてほしい。
  

  C、給食の時間、掃除の時間の再検討をしてほしい。
     多分、この時間が大変になっていると思われる。
   

 

    この時間がスムーズに行くようになるとクラスも落ち着く。
    特に、準備の最初と後片付けが大変になっているであろう。
   

 

    ここで指摘することはできないので、私の本をとにかく読んでほしい。
   (『「新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則』明治図書)

  <アドバイス3>
 「8割の子供たちを味方にする」
 具体的にこのことを実現していくのは大変なことであるが、私が指導した2年生の初任者のクラスで具体的に実践した方法がある。
 

 同じように1年の時1クラスが学級崩壊になっていて、2年生の初任者のクラスは、4月、5月は大変であった。
 

 しかし、私がアドバイスした方法で1ヶ月でクラスは落ち着き、その後素晴らしいクラスに変身していった。
 

 その方法は、「8割を子供たちを味方にする」方法である。
 「個人目標達成法」と名付けている。
 

 この方法をすぐにでも実践してほしい。
 (『「新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則』明治図書97~102ページ所収)
 1ヶ月ぐらいで必ずクラスは落ち着いてくるはずである。
 方法は簡単なものである。
 すぐにでも実践できる。

 

 以上のアドバイス3つを粘り強く5月、6月の2ヶ月は続けてほしい。
 クラスは落ち着いてくるはずである。
 

 もちろん、その間に私の本を固めて読んでほしい。
 多くのヒントが満載である。(笑)
 

 特に、コメントをつけている2人の先生が推薦されている次の本はすぐにでも読んでほしいものである。

 『必ずクラスを立て直す教師の回復術!』(学陽書房)

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コメント

野中先生
本当にありがとうございました。

忙しく、ブログを見返せていなかったのですが、三人もの先生方や野中先生から温かいお言葉をいただいていたことを知り、嬉しくて涙が出ました。
野中先生から連絡をいただいていたようですが、自分には届いていないようです。


「分刻みの生活の渦の中に巻き込まれて、何が何か分からないままに現在の状況を迎えているというのが正直なところであろう。」

まさにその通りです。


一昨日は遠足がありました。
うちのクラスはやはり整列もなかなかできず、指示にもなかなか従えなかったのですが、子供たちとたくさん話をしたり、楽しく走り回ることはできました。

しかし昨日は、クラスは一番ひどい状況でした。朝からやんちゃ三人を含めた男子によるトラブル(いじめに近いもの)があり、その対応をしていたら、クラスが騒がしくなりました。そのまま立て直せずに一日を過ごしたため、四時間目と五時間目はほぼ誰も聞いていないような授業でした。本当に虚しかったです。クラスの子供たちの心も、荒れたクラスの状況によって荒んできている気がします。喧嘩、嫌がらせ、チクチク言葉などが増えてきて、自分の指導も本当に心に響いているのかわからないです。自分もクラスのトラブルの多さや子供たちの思いやりのない行動に対してムキになってしまいました。

やんちゃ三人以外の子達も、落ち着かなくなってきています。子供たちにとって、「私の話を聞かなくてはならない」という意識がほとんどないように見えます。友達とおしゃべりをすることが楽しく、私が大声で授業をしても、ほぼ無視という状況でした。昨日は本当に落ち込みました。

自分のクラスの状況については、学年主任も校長先生もご存知で、気にかけてくださっています。たまに教室までいらっしゃって指導をしてくれます。S君に対しては、校長室で指導をしていただいたり、学年主任からご家庭にも今の状況を伝えていただきました。

一つ救われたことは、S君に校長先生が、ちひろ先生のことが嫌いなの?と聞いたら、すぐに好きだと答えてくれたことです。

その言葉を聞いて、絶対にクラスを建て直したいと思いましたが、昨日は子供たちにとっても自分に取っても最悪の一日にしてしまいました。

しかし、このままの状況にしておく訳にはいけません。

野中先生がブログでご指摘してくださったことは、ほとんどが今の状況にあてはまっていました。驚きました。
昨日、野中先生の本を三冊購入しました。その本を読んで、GW明けからの自分のやり方を考え、できるところから実践してみようと思います。本当にありがとうございました。

またご連絡をさせてください。

投稿: ちひろ | 2013年5月 3日 (金) 22時41分

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