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初任者の授業はどのように始めていくのか?(1)

  初任者が授業をどうしていくか。
 これは大きな課題になる。
 

  大学で教えられてきていることは、実際の教室ではなかなか具体化できない。
 私の3年間の初任者指導の経験からアドバイスしておきたい。
 ★
 まず、授業を作るときに最初にすること。
 
 

  ①教科書を教えること。
 ②指導書を参考にすること。
 ③この時間で何を教えるのかを明確にすること。(「本時の目標」を明確に)
 
 

 ①②は初任者にとっては当然のこと。
 

 大切なのは、③のこと。これをはっきりしないで授業をする場合がある。
 まったくダメだ。
「この時間で何をおしえたかったのか?」という問いにきちんと答えられなくてはならない。
 ★
 これで準備はできた。
 そこで次に整えることが2つある。

  ①「分割授業」を整えること。
 ②「学習規律」を整えること。

 この2つになる。
 

 ①「分割授業」とは何か。
 これはユニット法として提起されているのだが、授業をいくつかに分割する方法である。
 とりあえず、国語と算数は「分割授業」を考えた方がいい。
 

 私は次のように提起している。
 なぜこのような分割法を提起するかと言えば、子供たちに「基礎的な学力保障」をするためである。
 

 初任者にクラスを受け持たれて保護者が一番心配するのは、ちゃんと勉強を教えてくれるのだろうかということに尽きる。
 だから、初任者は基礎的なことはきちんとしなければいけない。
 

 国語では漢字指導、音読指導は必須のこと。
 これを授業では何も教えないで宿題に出して(もちろん、授業で教えて宿題に出すことはいい)消化するようなことをしてはならない。
 

 算数では、教科書の問題がきちんとできるような措置をどのように取るかになる。
  だから、分割授業では次のようになる。
 
 

 国語
    A 漢字指導(5分~10分)
  B 音読指導(本時の音読)
  C 本時指導(30分)

  Aの漢字指導は、最初の導入は時間がかかるが、そのうちに5分ぐらいで終わるように組んでいく必要がある。
 

 新出漢字 2,3個
 
 

 「味噌汁・ご飯」授業研究会では、次のような資料を出している。
 ★ ★ ★ 
 漢字指導資料

1 漢字は必ず学校で指導する。
 漢字指導を宿題にして済ます教師が多いらしい。宿題でできるようになる子は一部の優秀な子だけである。どの子にも漢字が書けるようにするためには、授業時間の中で指導することが絶対に必要である。毎時間の授業の指導計画の中に漢字学習の時間を入れるようにする。漢字を宿題で出すことは、あくまでも学校での指導の補助的役割と考えて行うべきだ。

2  新出漢字の学習システムを定着させる。
 ①指書き…画数を言いながら、見ないで書けるまで最低5回行う。
  ②なぞり書き…画数を言いながらはみ出さないようになぞる。
 ③写し書き…手本の字を見て丁寧に写す。
  ④見ないで書き…手本を隠して自分の力で書く。書けなければ指書きを再度行う。

システムが定着すれば、「スキル○番の○から○までを学習しなさい。」で学習は  進められる。時々、声を出しているか、指書きをしているか、はみ出ないようになぞ り書きをしているか、丁寧に書いているか、といったチェックを入れて、緊張感を保 つようにすれば良い。「あかねこ漢字スキル」がこの学習システムに一番適している  が、他の漢字ドリルでもこのシステムは使用できる。
    
3 小テストを定期的に行い、定着させる。
  テストの前には必ず予告をし、自分で書けない漢字を書けるように、100点がとれる状態にしてからテストを受けさせるようにする。間違えたら、間違えた漢字だけを練習させる。
 
4 少し時間をおいて大テスト(50問テスト)を行い再確認する。
      忘れた頃にテストを行い再度定着させる。

 ノート1ページにぎっしり練習させるような力技、根性で覚えるのではなく、効率的に覚える方法を考え、教えていく。このシステムで練習を行えば漢字が書けるようになるという事実を作り、子どもにやる気をおこさせることが大切である。
 
  ★ ★ ★

 Bの音読指導は、本時で扱う部分を毎日音読させる。
 音読させるには、次のような方法を持っておかなくてはならない。
 これも私達の研究会で出している資料である。
 
 
  ★ ★ ★
 音読バリエーション20+α

1 <教師主導型>……範読後の単元導入時などに
    ① 追い読み      教師の後について読む。
    ② マル読み      読点ごとに交代して読む。
    ③ 交代読み      様々なパターンで交代する。
                 ・紅白読み ・男女読み ・班読み  ・列読みなど
    ④ チャレンジ読み    全員起立して間違えるまで立って読む。間違えた    

                   場合は座って読む。最後まで残っていた児童を  

                   誉める。
    ⑤ 条件読み      条件の人に当てはまったら立って読む。例えば、「ス

                  カートをはいている人」 「お兄ちゃんお姉ちゃんが

                  いる人」「朝ごはん、バンを食べてきた人」など。
               

                  ポイントは最後に『どれにも当てはまらなかった人、

                  お待たせしました。立ちましょう。』と言うこと。

2 <ペア・グループ型>  ………全体読みの後、習熱のために
    ① シーソー読み     交互に立って読む
    ② ダウト読み      2人組で向かい合う。間違えたら「ダウト!」→交代
    ③ 指摘読み       グループで音読し、正し<読めているか指摘し合う
    ④ 役割読み       登場人物と地の文の役割ごとに音読する。
    ⑤ 点丸読み       読点で交代して読むスピード感重視!

3 <一人読み型> ……すらすら読めるようになったら、練習量確保のために
    ① 四面読み      正面、右、後ろ、左と体の向きを回転させて読む。
    ② 移動読み      1回目、2回日と場所を移動して読む
    ③ l分間速読     1分間でできるだけ速<読む
    ④ スピード読み     決められた範囲を何秒で読めるか挑戦する。
    ⑤ ハッキリ読み     □をハッキリ開けて、滑舌に気を付けて読む。

4 <その他バリエーション>
    ① タケノコ読み     好きな文を決めて、その行を一人が立って読む
    ② なりきり読み     アナウンサー/ロボットなど、なりきって音読する。
                   <お化け読み→聞いている人が怖<なるようにな

                    ど>
    ③ 輪唱読み      1行遅れて歌の輔唱のように読む。
    ④ 完肇読み      範囲を全<間違えたり、つかえたりしないで読む
    ⑤ 指名なし音読     読みたい1文を立って読む。2人以上立ったら目で

                   譲り合う。

 ★ ★ ★
 
 

 
  A 前時の復習(5分)
  B 本時(35分)
  C 本時の復習(5分)

  算数の分割授業は、以上のような展開になる。(小学校)
 Aの「前時の復習」は、前時の最後に出てきた問題を復習する。
 ただ、同じ問題だと、前時にノートに書かれているので、数字は変えた方がいい。
 

 黒板に板書してやらせればいい。
 あくまでも授業は教科書を教えるという考え方で進めることである。
 

 前時の復習をする意味は、クラスの半分はもう昨日のことは忘れていると考えた方がいいからである。経験的にそう言える。
 ここから入ることは、ポイントになる。
 

 C 「本時の復習」も、必ずドリルかスキル(学年で購入したもの)を使って、本時の部分を練習させることである。5分しかないので、3分で終わらせ、丸付けは隣同士交換して、教師が答えを言って丸付けをすることである。
 5分しかないので、すばやく行わなければいけない。

 ★

 「分割授業」は、できるところから始めればいい。

 無理をしないことである。

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