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コメントに答える~授業技術の階段について~

   私のブログには、さまざまなコメントが付く。
 まことにありがたく読ませてもらっている。
 だが、私の方が無精をして返信をつけていない場合がある。
 ある場合は、返信を返しにくい場合もある。
 また、へたに返さないがいい場合もある。
 許していただきたい。
 だが、どうしても返信を返さなくてはならない場合もある。
 次のようなコメントがつけられている。(一部のコメントを引用している)

 ★ ★ ★
 ぜひ、1~3段階を明示していただけるとうれしいです。
 自分自身の中で、技術の程度の難易度が分からなくなっています。経験を積んでいることが邪魔していると思えます。(技術を整理する余裕があればいいのですが)
 若い人に教える時も、難易度を分かっていて教えるのとそうでないのとでは、言い方のニュアンスが変わってくると思うからです。
  ★ ★ ★
 私が「授業技術の階段」として授業技術を基礎、1階、2階、3階と分けて明示したことから、このように言われている。
 実は、私の方でもきちんと整理できていない。
 これから「味噌汁・ご飯」授業研究会できちんとしていきたい。

Photo_4

ただ、左のような図示をしている。

基礎部分は、学習規律が入る。
1階の「必須の基本的授業技術」は、
今のところ私の場合は4つほど設定し
ている。
①指導言の区別
(発問、指示、助言の区別をする)
②指示ー確認の徹底
③多様な「活動」の組み入れ
④フォローの技術
                                              
 
初任の先生たちには、ぜひとも①②を最初にきちんと身につけさせてい                   くことから入らなければいけない。
                                                       
これができていない30代、40代の先生た

ちは数多くいる。
授業技術の基本を身につけないままに授業をしているわけであるから、「日常授業」が荒れている。
 当たり前である。
 

 なぜ身につけないままに10年以上も授業ができているのか。
 今まで教えてくれる先輩もいなかったし、学ぼうという気持ちもなかったのかもしれない。
 

 今までは子供が耐えてくれていて、何とか凌いでいたのだが、もうダメである。
 耐えない子供たちが教室の中で一つの層として登場して、もはや制御できない状況を作っている。
 

 今、中堅やベテランのクラスの学級崩壊の原因の1つは、こうした「日常授業」にある。
 相変わらず、べらべらと1時間中「おしゃべり授業」を続けている。
 

 ここを変えない限り、この先生たちの「未来」はない。
 ★
 もう一つ気になるのは、3階の「高段の授業技術」についてである。
 今流行の1つになっている「話し合いづくり」ブーム。
 

 重点研究のテーマとして取り組んでいる学校が数多くある。
 クラスの子供たちに話し合いをさせたり、討論をさせたりしたいということ。
 

 とてもいいテーマであると私も思っている。
 話し合い作りをしていくことは、「味噌汁・ご飯」授業研究会でも大きなテーマになっている。
 

 しかし、クラス全体を巻き込んでの討論となると、これは大変である。
 ★
 私も現役の頃、ずいぶん取り組んだ経験がある。
 研究授業で、10人前後の子供たちが互いに討論できている授業は迫力があり、「すごい!」ということになる。
 

 かつて法則化運動が全盛の頃は、この討論の授業に挑戦する先生たちが数多くいた。
 あこがれの授業として若手の先生たちは、このような授業を目指した。
 

 ただし、全員を巻き込んでの討論ができるクラスにするというのは、これは高度の3階の授業技術になる。
 

 今、日本の中でこれができる教師は指折り数えるくらいではないだろうか。
 10人前後の子供たちを討論させていくことは努力すればできる。
 

 それでもきちんとした技量が必要だ。
 ただ、あとの20人ぐらいは傍観者になる恐れがある。
 

 見た目の良さ、活発な雰囲気に引きづられて続けていると、うっかり傍観者の子供たちを忘れてしまうことがある。
 私が気になるのは、1階の必須の授業技術さえおぼつかないままに3階の段階に挑戦していこうとすることである。
 

 傍観者が多くなり、クラスはぐちゃぐちゃになる恐れがある。
 もちろんうまくいくはずがない。
 そんな先生の授業に憧れるのはいい。
 

 いつかそんなクラスを作りたいという憧れである。
 すぐにできることではない。
 それが分かっていない。
 ★
 かつて「総合の授業」が華やかな時代があった。
 多くの先生がそれに取り組んだ。
 

 研究授業も、数多くなされた。
 子供たちが授業の中で活躍し、授業の主体者として活動する授業。
 

 教師たちは挑戦した。
 しかし、ほとんどがうまくいかなかった。
 

 「研究授業」では、何とかそれらしい授業を作ろうとする。
 でも、「日常授業」は相変わらず「おしゃべり授業」で指導言の区別さえもままならない授業をするという教師たちはごまんといた。
 

 その時の教師たちが今30代、40代になっているのである。
 私は、二枚舌の授業と表現していた。
 

 嫌な言い方だが、多くの教師たちはそうする以外に方法がなかったのである。
 何がダメだったのか。
 3階で要求されるような高段の授業を、1階の授業技量さえもままならないままに突っ込んでいったからである。
 ★
 また、次のような質問がなされている。  
 ★ ★ ★
 ところで、学級づくり研究会は断念されたと読み取れるのですが、これは先生の明治図書4部作(赤青緑朱の本。勝手に命名してすみません・・・)の実践を重ねればクリアと考えればいいのでしょうか?
 私に時間(余裕)があれば、それに沿って著名な実践をまとめてみようかなと思いますが、きっと無理だと思うので、お答えいただければ幸いです
 ★ ★ ★
 ★
 「味噌汁・ご飯」授業研究会では、確かに「学級づくり」を研究することを断念した。 解散を明示して会を結成したので、あと3年しかない。
 もはや、「味噌汁・ご飯」授業と「学級づくり」の2つはできない。
 

 「味噌汁・ご飯」授業だけに絞ることにした。
 「学級づくり」の課題がなくなったわけではない。
 というより課題は多い。
 

 私が提起した「学級づくり3原則」だけに絞ってみても、まだまだ追求すべきことはかなり多い。
 

 明治図書4部作は、ほとんど何も学んでいない初任者の先生たちへ向けて現場での具体的課題について明らかにしたものである。
 来年の2月には、もう一冊上にあげた「授業づくり」の課題を付け加える予定である。
 ★
 京都の明日の教室で、瀧本哲史先生がうまいたとえを使われた。
 大学は、「野球の仕方を教えている」が「現場ではサッカーをやっている」と。
 まさにこの通り。
 

 大学で教えられたことが「現場」ではほとんど通じない。
 この喩え通りなのだ。
 もちろん、すぐに通じるような実学だけを考えているわけではないが、「野球の仕方」を相変わらず教えているのである。
 ★
 これに挑戦した明治図書シリーズだった。
 あと「授業づくり」を残してほとんど私が訴えたいことは書いてきたと思っている。
 

 これを読んでもらえれば、1年目にどんなことをやっていけばいいのかが分かる。
 私ができる仕事は、ここらで十分ではないだろうか。
    

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コメント

 ご返答いただき、ありがとうございました。
 また、いろいろご配慮いただき、ありがたいと同時に申し訳なく思っています。
 
 「授業技術の3段階」のプレゼン画面は、私は初めて見ました。
 何となくあの事かな?と思うものもあります。(某旧団体?の代表が提唱する10原則や、某新団体?の○○○○検定のF・E・D表の審査項目などが入ってくるのでしょうか?)
 また、「学級づくり」の課題の多さも気になります。

 先生の研究会について、メーリングリスト等で参加することはできないでしょうか?
 名前の通り、私は愛知県に住んでいます。
 多分、先生の研究会は横浜にあると思うのですが、往復の時間・交通費等を考えると研究会にリアルタイムに参加するのは非現実的なのです。(参加したい気持ちは山々なのです)
 教えていただけると幸いです。
 

 もちろん、教えていただいたことをもとに、新任をはじめとする「若い」先生に伝授することも考えています。多忙なところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
 「若い」は、精神的にです。年齢とは関係なく、子どもの実態に沿って学力向上を目指せる人、改革意欲のある人という意味です。


 
 蛇足ながら、某団体のレベルは高すぎます。
 もちろん、とても勉強になりますし、よさは認めます。
 私も、さまざまな教材に助けてもらっています。
 今後も大いに利用させてもらいます。
 基礎基本を学ぶ人にとっても、とてもよいものだと思います。

 ただ、過去の内情を見聞きしている者としては、「是非入って、共に学びましょう」とはなかなか言えません。(個人的にのめりこんでいけそうな人なら大いに勧めますが)
 それに、全ての教師がお金や時間が無尽蔵にあるわけではありません。私もです。

 
 しかし、団塊の世代が次々と退職し、若い人たちが次々と入ってきています。
 事は急を要していると思います。
 今のままでは、有力なのは巨大?な某団体だけしかなく、「お金と時間の余裕のある人しか生き残れない」という事態になってしまわないでしょうか。いわば、“教員の二極化”が生じてしまうことになります。
 某団体の基本的なことは賛同しつつ、あせらず、ゆるやかに、自分のペースで学べる機会が必要だと思います。
 私も自分のできるペースで、周囲に働きかけていきたいと思っています。

投稿: 小牧市に勤務している一教師より | 2013年3月22日 (金) 01時42分

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