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「味噌汁・ご飯」授業の提唱~都政新報に掲載

   東京の行政職の方を中心に発行されている新聞(都政新報)に「味噌汁・ご飯」授業について掲載された。
 新聞記事を載せられないので、記事の全文について紹介しておこう。
  私の寄稿という形で掲載してもらった。
 ★ ★ ★
「味噌汁・ご飯」授業の提唱
教育現場を立て直す手立てに
 野中 信行
 
 今、小学校を中心に深刻化している「学級崩壊」の事態は、様々なところで大きな波紋を起こしている。「学級崩壊」は依然として増えている。それも深刻化している。
 「学級崩壊」を起こしているのは、初任の先生のクラスだけではなく、中堅やベテランの先生のクラスも多い。それらのクラスに共通する原因の一つに、「授業」の問題がある。
 小中学校の場合は、主に重点研究として「授業研究」を行っている。自分たちの授業の力量を上げたり、子供たちの学力を向上させたりするために「研究授業」をする。他の先生たちに参観してもらい、放課後、研究会を開いて様々な検討をする。教師は、年に1、2回の研究授業のために、多くの時間をかける。十分に教材の研究をし、アイデアを出し、様々な準備をして授業を公開する。学校によっては、毎年定例的にその研究を発表している学校もあり、市内や全国からの参加者に公開されている。
 ところが、今、問題点を指摘したいのは、その1、2時間の「研究授業」には多くの時間を使って準備していくのだが、残りの日頃の授業(「日常授業」)はいい加減に済まされてしまっていることである。「研究授業」と「日常授業」がかけ離れてしまっている。
 元々の「研究授業」は、「日常授業」を豊かに充実するために行っていたはずである。ところが、いつのまにかショー化してしまっていて、「研究授業」のための練習授業のように「日常授業」が使われていったりする場合がある。また、「研究授業」と「日常授業」とは全く別物として扱われていく状況になっている。
 別物としての「日常授業」は、どのように行われているのか。多くの教室で、「おしゃべり授業」と「写経式授業」が繰り返されている。「おしゃべり授業」とは、先生の説明だけで終始していく授業。ほとんどの子供たちがただ聞くだけ。傍観者だらけの授業になる。「写経式授業」とは反対に、プリントなどにひたすら書かせるだけで終始していく授業。
 小学校の場合、「日常授業」は年間1千時間以上。「研究授業」は年間1、2時間。これだけ考えても、「研究授業」だけに多くの精力を費やしていくことがどれだけ異常なことかが分かるはずである。どちらに力を尽くしていかなければならないかは誰でも分かる。
 そのために、私は「味噌汁・ご飯」授業を提唱している。
 「味噌汁・ご飯」とは、普通の家庭で日常的に食べている食事をイメージしている。
 そのネーミングで、教師が日頃行っている授業(日常授業)を改革する授業としてイメージしたものである。この言葉には、私の思いがこもっている。毎日毎日、「ごちそう」を作れるはずがない。そんな「ごちそう」授業を目指していくよりも、地味だが、きちんと栄養を考えた「味噌汁・ご飯」を保障する。「日常」に耐えられなければ、どんなに素晴らしい授業論でも意味がない。
 「味噌汁・ご飯」授業のキーワードは、三つ。
 ①日常的
 ②全員参加
 ③基礎的な学力保障
 「①日常的」というのは、多くの時間を要したり、特別な準備などをしなくても進めていける授業をイメージしている。
 教師は今、分刻みの生活をしている。授業のための教材研究の時間は一日に1時間。それだけでも取れればありがたいものである。それだけの時間で、どのように準備できるか、それが勝負になる。
 「②全員参加」は、傍観者を作らない授業にすること。常に全員が授業に参加している授業を構成する。ここも大きなポイントになる。
 「③基礎的な学力保障」は、どうしても身に着けなければいけない必須の事項(たとえば、基礎的な計算、かけ算九九、漢字、音読など)の保障のことである。これを宿題にしないで、きちんと授業で教えていくこと。当たり前のことであるが、それができていない現実がある。
 特別な授業をすることではない。70点の授業でいい。ただ、キーワードの3点はきちんと押さえておかなくてはならない。これが「日常授業」の改革である。
 教師たちは、今まで「研究授業」に振り向けていたベクトルを「日常授業」の方に向け直さなくてはならない。この「日常授業」を豊かに充実させていくこと。
 このことは、疲弊している教育現場をもう一度立て直していく手立てになるのだと、私は確信している。
(元横浜市立小学校教諭・初任者指導アドバイザー)
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