初任者が授業の技量を上げていくには?
神奈川県の三浦三崎口まで行った。
ここでの初任者研修会と臨採職員の研修会。
初任研の最終で、初任者の授業研も組まれていた。
H中学校で、I先生の英語の授業。
その後、90分の私の講座。
テーマは、「今、授業づくりをどうすべきなのか」。
8月にここの初任者に「学級づくり」の講座をしている。
だから、今回は、「授業づくり」の講座である。
★
インフルエンザが流行っていて、先生たちにも蔓延し、5人の初任者の方が研修会へこられない。
指導主事の先生から授業参観の前にマスクを配付されて、それをつけていく。
I先生の英語の授業。
初任者としてはとてもりっぱな授業であった。
このくらいのレベルで初任者が授業ができることはたいしたものである。
★
玄関で、上越教育大学のM先生に会う。
前に一度東京で授業づくりネットワークの大会でお会いしている。
「こんなところで、何ですか?」
「私のゼミ生のI先生が英語の授業の研究授業をするということで見に来たのです」
と言われる。
いやいや、驚く。
I先生は、M先生に大学で鍛えられたのである。
それにしても、M先生は、上越から新潟まで出て、新幹線で東京まで、そして東京から2時間かけて三浦三崎口まで来られてのである。
それも1人のゼミ生のために。
私は頭が下がる思いでいっぱいであった。
M先生は、研修会でみなさんに挨拶をされて、そこそこに帰られていった。
すごい先生もいるものである。
話の中で、新潟のO先生もゼミ生の一人だと聞く。
O先生は、私たちの「味噌汁・ご飯」授業研究会の一員である。
M先生のゼミは、すごい人材を育てておられるのである。
★
研修会でのI先生への授業批評では、厳しく問題点をついた。
「良い点は3つ、問題点は4つ」
良い点の1つ目は、I先生の「明るさ」。
授業が始まる前からにこにこしながら、生徒たちと会話をしている。
この「明るさ」は、何よりも良い。最も大切な条件をクリアしている。
2つ目は、学習課題をきちんと明確にしていること。(しかし、最後にまとめが時間がなくて曖昧になったのは残念)
3つ目は、授業の組み立てがいい。とくに、活動1、活動2を設定しているところがいい。
問題点の1つ目は、ノートに書かせる時間が遅い。学習課題を書かせるだけで7分もかかっている。
小学校の高学年なら3分以内に済ませなければいけないことを多大な時間がかかっている。全てに書く時間が遅い。その結果、大切な活動1,2の時間が満足にとれなくなっている。
2つ目は、活動2のグループ活動がまずい。
1班だけが、先生が要求する課題をこなしているだけで、あとの班はしていない。
先生のルール説明を生徒たちがよく聞いていないことなどから考えると、説明の仕方が悪い。グループの人数が多い。
3つ目は、机間巡視が良くない。これは後で講座で扱いたい。
4つ目は、生徒たちへのフォローがなされていない。これも後で講座で扱いたい。
★
こんな具合である。
だけど、このような問題点が出てくることは当たり前である。
初任者の授業は、このようなところまでいかないで、その手前で沈没してしまうことがよくあるからである。
この授業を見ながら、初任者が授業の技量を上げていくとき、まずどんな手立て(技術)を身につけなくてはいけないのかというテーマが浮かんできた。
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