前回のブログでは、かけ算の九九ができない子供たちをどうすればいいかについては書かなかった。
これについて書いておこう。
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クラスに、繰り上がりのたしざん、繰り下がりのひきざん、かけ算九九のできない子供たちがいないであろうか。
国語の本をすらすら読めない子供たちはいないであろうか。
ちゃんとできるようにどのような指導をされているのであろうか。
できないままに放置されていないであろうか。
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「これは学校の教師の責任です」
11月に北海道を訪れたときに、O小学校で話したことである。
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もちろん完全にマスターすることに限界がある子供たちもいる。
でも「あの子たちには無理、無理」
と最初から放置されていないであろうか。
しかし、私はその限界にも挑戦してきた。
ある子供は、1年生のとき、「4」という数が分からなかった。
3までは数えることができ、3の数を出せば「3」と言えたけれど、「4」は厳しかった。それが2ヶ月ぐらい続いただろうか。
授業には、ほとんどついてくることができなかった。
しかし、持ち上がりの2年生で、その子はかけ算九九を全部覚えてしまった。
家庭での協力もあったが、ほとんど奇跡的(?)なことだったと思う。
こんなこともあるのである。
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計算ができない子供、本が読めない子供を授業の中で何とかするということは難しい。
べったりとその子供のところにしゃがみこんで教えている初任者の姿を見ることがあるが、そんなことはするべきではない。
他の子供たちが遊び始める。
じゃあどうするのか?
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小学校の教師は、給食の配膳の時間10分間が勝負になる。
この時間を使う。
私のクラスでできない子供たちは、この時間で一掃した。
どうしたのか?
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次の手順で進める。
まず、クラス全員にできない子供たちには、配膳の10分間を使ってできるようにすることを伝える。
そして、できない子供たち一人一人に確認を取る。
①100円ショップで英単語帳を買ってくる。
②かけ算九九を全部言わせてみる。
(この場合、アトランダムに並んだ九九を言わせる)
③言えない九九、間違いの九九を全部英単語帳に書く。九九を表に、裏に答
え。
(教師が書く)
④10分間に覚える。
⑤覚えたら持ってきて言う。5回間違わずに言えたら合格。
単語帳から抜き取る。
だんだん少なくなる。
⑥全部なくなるまで繰り返す。
⑦全部なくなったら、もう一度九九が全部書いてあるプリントに挑戦。
(4分以内)
⑧答え合わせをして、また間違いの九九を英単語帳に書いて繰り返す。
人数が多い場合は、聞く係として算数係に手伝ってもらう。
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大切なのは、その本人がほんとうに覚えようという気持ちになるのかどうかにかかっている。
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学年でどうしても身につけさせなければいけないことがある。
必須事項。
これがかなり曖昧。
たとえば、1年生ならば、算数は繰り上がりのたしざん、繰り下がりのひきざん。
それぞれ36問。
そんなに多くはない。
しかし、学校現場ではこんなことさえもきちんと対象にする段階にさえなっていないのである。(自戒を込めて)
ましてや、その必須事項ができない子供たちをそのままにして進級させていく状況が当たり前になっている。
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