通知表 親に事前公開~その2
通知表の事前確認のブログに、池田修先生と横浜市の先生からコメントがついた。
池田先生の言われるのは、まさにその通り。
横浜市の先生のコメントには、もう少し付け加えたいなと思って、続編を書く。
横浜市の先生のコメントは、以下の通り。
★ ★ ★
横浜市で教員をやっています。野中先生がおっしゃる通り、パソコンでの通知表の作成でミスが多くなったともいます。私は手書き→電算化に移行する時期に教員になったので、電算化のよさはわかりますが、圧倒的に通知表に費やす時間が増えています。
なによりも、横浜市は他の都道府県に比べ圧倒的に1人あたりに書く所見が多いですから、ミスが多くなるのは当たり前です。
近県の情報や他の都道府県で教員をやっていた人に聞いても、驚くほどの量です。
教科欄、行動欄、総合的な学習の時間欄、特別活動の欄・・・。学校により違いますが、一項目あたり200字から300字書いています。
私の田舎など、学期末の面談をしていれば、面談済みのハンコで終わったり、書いても全体で40文字程度・・・。
横浜の先生は働きすぎです。
今回も8月に急にこの確認のお願いがあり、小学校では出欠席、委員会、クラブの確認のみ行っているところが多いと聞いています。
成績まで事前に知らせるなら、もう、通知表なんてなくせばというのが、実感です。
★ ★ ★
横浜市の通知表は書く分量が圧倒的に多いということ。
その通りである。
他府県の方はびっくりされるかもしれないが、全教科ごとに全部コメントを書く学校があるのである。
それに加えて、行動欄、総合欄、特別活動の欄など全部である。
これが多分多数派である。(通知表は各学校が決めるようになっている)
作るのにへとへとになっている。
資料(USBなど)を家に持ち帰ってはならないので、遅くまで学校に残って書くか土日に出てきて仕事をするかない状態である。
子供を持っているお母さん先生方は大変なことである。
★
なぜこうなっているかというと、横浜は、通知表にはあらゆる角度からさまざまなコメントを書くという伝統を持っていたのである。
校長会が、いくつかの見本を出して、各学校はそれを選んでいく方式である。
もちろん、各学校は、それを選ぶ必要はないがだいたいそれを選んでいくのである。
その見本が、とにかくいっぱい書く通知票になっている。
だから、伝統的にそうなってしまったのである。
ご存じのように、通知表を出す法的なものはない。
自主的なもの。出さなくてもいいのである。
★
私が最後にいた学校では、私が「あゆみ作成委員会」の委員長だったので、相対評価から絶対評価へ変わるときに、学校独自で通知表を改訂してしまった。
教科ごとに書く欄は廃止。文章を書くところも最低限に止める。
先生たちも賛成して決まってしまった。
先生たちの負担はずいぶんと軽くなったはずである。
★
通知表にくわしく、いっぱい書くという考え方を変えなくてはならない。
これはきわめて自己満足の世界でしかないからである。
通知表に書かれることは、ほとんどが記号である。
所見欄の文章でも、受け取る側にしたらほとんど記号だと思った方がいい。
だから、どんなにくわしく書かれていても通知表だけではどんな意味もない。
このことが分かっていない。
通知表が意味を持ってくるのは、日常の教育活動と連動した時である。
★
この通知表については、「必ずクラスを立て直す教師の回復術」(学陽書房)に「通知表の仕上げ方」としてかなりくわしく書いた。
それを参考にしてほしい。
「位置づけを明確にする」「資料づくりが決め手」「所見文を書き上げる」という項目で書いている。
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