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いつから研修は役に立たないものになったのか

   ある教育委員会のトップの方が次のようにフェイスブックで呟かれていることに注目した。
  ★ ★ ★
 週にいっぺんくらい、これから研修会ですという人や今日は研修会でしたという人が僕の席に挨拶に訪れます。「その研修で明日の実践が目に見えて変わるんですね」と笑顔で問いかけます。すると皆さん困った顔をされます。いつから研修は役に立たないものになったのでしょうか。
 ★ ★ ★

 「官制研修」は相変わらずどこでも頻繁に行われている。
 私も、そこへ呼ばれて行く。
 

 かなり多い。
 「役に立つ研修になっているのか」と言われると口ごもってしまう。
 ★
 正直に告白すると、私は37年間の教師生活で、教育委員会関係の研修会に参加したことは数えるほどしかない。
 

 義務的に区の研修会には参加していた。
 主任の肩書きがあると、参加せざるを得ないことがあるのである。
 

 ところが、市の研修会に参加したことなど数えるほど。
 最初から出なかったわけではない。
 

 何度か出ていくうちに「ああっ、こんな研修会に行くより教室で子供たちと過ごす方が絶対に良い」と思って行くのを止めてしまった。
 

 今から考えてみれば、ちょっと傲慢なところがあったのかもしれない。
 学ぼうとすれば、どこにもその場はあるからである。
 

 民間の研究会へ参加していたのかと言われれば、そうでもない。
 確かに、官制研修よりも民間の研究会へ出る方が多かったかもしれないが、ほとんど教室で過ごすことが多かった教師生活であった。
 ★
 その研修が、最近はどうにもならなくなっているとよく聞く。
 とにかく人が集まらない。
 

 集まってもほとんど寝ている。
 行かなければいけないから、仕方なく来ているのである。
 だからほとんど役に立たない。
 ★
 10月1日も、私はM市の教育委員会から呼ばれて授業研究会に行く。
 M市の研究主任の先生たちが集まっておられる。
 

 今までも行われていたらしい。
 どのような先生が来て授業をされていたのか聞くと、〇〇大学附属のN先生など。
 

 日本を代表するような有名な先生である。
 そこへ私も呼ばれて授業をする。身が竦むような思い。
 

 私のように授業下手であった者がいいのであろうか。
 4年生の教室で授業をする。
 

 終わってからの講座でも模擬授業をしながら、「味噌汁・ご飯」授業のことについて説明する。    
 「味噌汁・ご飯」授業でいいからということで、私も引き受けているのである。
 

 何せ70点の授業でいいのであるから気軽である。
  ★
 何かが変わろうとしているという予感がする。
 日本各地を回り、各地で話をする。
 

 実に集中して耳を傾けてもらえる。
 とくに、「味噌汁・ご飯」授業はすごい。
 

 私がそこで授業をしているのである。
 教育委員会も変わろうとされている。
 

 今までの方法ではだめだと真剣に考えられている。
  ★
 私の義兄は佐賀で10年間体育の指導主事をしていた。
 (もうとっくに退職しているのだが…。)

 この義兄は、ほとんどの研修会を自分で授業をして成立させていた。
 

 一番説得力がある。
 現場で、授業を問題にしているのである。
 

 自分が主張していることを授業をして見せて、そのことで話をするのである。
 

 どこなことでも言うことはできる。
 
そんなことは誰でもできる。
 

 でも、授業でその主張を見せて示せなければまったく意味がない。
 それが指導主事である。
 

 私は横浜で37年間一度として指導主事の授業を見たことがない。
 「指導助言することを自分の授業でやってみろよ。私のクラスを貸すから」
といつも思っていた。(さすがに指導主事に言ったことはなかったが…)
 

 私はとんでもないことを言っているつもりはない。
 しごく当たり前のことを言っているのである。
 ★
 研修を変えるべきである。
 

 受講者の「今」を揺さぶり、受講者の「明日」を刺激する研修に変えていくべきである。
 

 そうだったんだ!と頷きが生まれ、そういう視点があったのだと気づかれる、そういう研修に変えていくべきである。
 

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コメント

私も指導主事こそ授業をすべきだと考えてます。
でも、一度も見たことがありません。

研修センターでも何度も偉そうに話す指導主事を見ましたが、授業がうまそうと思ったことは一度もありません。

明日の教室東京分校を始めてから、都の研修には行かなくなりました。
前者の方が格段に面白くためになるから。

投稿: J.SASE | 2012年10月 3日 (水) 18時40分

野中先生、よくぞおっしゃってくださいました!
研修は役に立ってこそ意味があるのに、「ためにする」研修の何と多いこと。
私がこれまでに参加して「明日の実践に役立った」と自信を持って言えるのは、
自分で選んで参加した「書道研修」「ICT研修」「図工研修」、そして
初任者研修のうち、夏休みに行われた「理科実験」と「体育」の実習だけです。
必修の研修は、正直言って退屈で、何の役に立つのかわからないものばかりでした。
初任者研修は特に、研修で得るプラスよりも、教室を離れることで被るマイナスの
ほうが大きいことが多く、つらい思いをしました。
今は、大学でも授業を学生が評価する時代です。
企業も、研修の成果をコストパフォーマンスで評価します。
官製研修や研究会も、基本は悉皆ではなく自由参加とし、役に立つ研修を
どんどん企画しなくてはならない仕組みを作っていかなくてはならないと思います。
指導主事が授業してくれるなら、大歓迎です。

投稿: iwai | 2012年10月 3日 (水) 19時40分

 私の市の今月の研修会(社会科です)は、模擬授業をする予定です。市でも「学び合う学び」を研究しているので、それとも関連づけるようです。(適度にグループ学習を取り入れている学習形態です) 
 特に着飾る授業ではなく、ふだんの授業を見せてくれるらしいので、大いに期待しています。
 官制研修でも民間研修でも、模擬授業はとても有効だと思います。これが広がっていって、研究授業でも、着飾らないふだんの授業を見せることになるといいなと思います。

投稿: TOSS末端教師 | 2012年10月 3日 (水) 21時48分

自慢じゃあありませんが、野口先生の飛び込みの模擬授業の前に前座で別のクラスで模擬授業をして、その後検討会に参加した経験を持つ池田であります(^^)。

この研修問題は、結構根が深いなと思っております。
教育公務員特例法の21条と22条には、研修について以下のように書いてあります。

引用開始 ーーーーーーーーーー


(研修)
第21条 教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。
2 教育公務員の任命権者は、教育公務員の研修について、それに要する施設、研修を奨励するための方途その他研修に関する計画を樹立し、その実施に努めなければならない。

(研修の機会)
第22条 教育公務員には、研修を受ける機会が与えられなければならない。
2 教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる。
3 教育公務員は、任命権者の定めるところにより、現職のままで、長期にわたる研修を受けることができる。

引用終了 ーーーーーーーーーー

ここで思うのは、研修は研究と修養なわけです。今、研修と言うと、なんだか上から言われた事を承る機会のようになっている感じがありますが、あくまでも研究と修養です。

さらに、「本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる。」とあることから、校長がOKを出せば民間教育団体の研修も可能な訳です。幸いにして、中教審の「教師の資質向上に関する特別部会」http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo11/index.htmの答申では、民間教育団体のことを良く書いています。

引用開始 ーーーーーーーーーー


2校内研修や自主研修の活性化
○ 教員は、日々の教育実践や授業研究等の校内研修、近隣の学校との合同研修会、 民間教育研究団体の研究会への参加、自発的な研修によって、学び合い、高め合い ながら実践力を身に付けていく。

引用終了 ーーーーーーーーーー

日本は法治国家ではなく、条例国家であるという指摘もあります。条例であれこれ規定されてしまい、法が示す理念とは違う形になってしますということです。

教員は、法治国家の日本で仕事をする教育公務員であれば、こういうところを丁寧に読み、実践に活かす事が大事ではないかと思うのです。

私らしくなく、やや硬い内容でした(^^)。

投稿: 池田修 | 2012年10月 3日 (水) 22時25分

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