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目指すべき1本の道が見つかったのだ!

   「初任者の明日がかかっている」というブログを書いた。
 それに対して京都橘大学の池田修先生と山形の佐藤先生よりコメントがついた。
 とてもうれしいコメント。
 大切な内容が込められている。
 改めてここに紹介したい。
 ★    
  池田先生は、大学で「学級担任論」を講座として設けられている。
 知り得る範囲で言えば、全国の大学の中でこうした講座を設けている大学教授は池田先生だけである。
 なぜそうなのか。
 いくつもの壁があるからである。
 まず、教師になるための単位にこれがない壁である。だから、池田先生の講座は必修ではなく選択になる。
 文科省のカリキュラムの中に「学級経営」や「学級づくり」がない。
 ほとんど2/3は教科になる。教科偏重である。
 そのカリキュラムは、「教師は授業をちゃんとやればそれでいい」というスタンスから構成されている。
  2つ目の壁は、この「学級担任論」の講座を設けるためには現場経験がなければとても無理であることである。それも単なる現場経験ではなく、きちんと現場のことをまとめておかなくてはならない。それがむずかしい。
 大学には付属の教師がいる。
 その先生に協力を仰いでできないのかと私は考えるがそれはなかなか実現できない。
 3つ目の壁は大学にまだまだ戦前の師範学校アレルギーが残っていることである。
 技術的なこと、実践的なことに対しては、「そんなハウツーは大学では必要がない」という反発が強いとよく聞く。
 これらの壁に対して池田先生は次のようにコメントされている。
 ★ ★ ★
 理念や理想だけではなく、現実に対応できる力を育てたいと改めて思います。一年目を駆け抜けられるあれこれを、本当に教師を目指したいと考えている学生たちに伝えたいと思います。
  ★ ★ ★
 まことにその通り。
「現実に対応できる力を育てたい」ということ。
 この力がないために、クラスが荒れていく、崩壊になっていく、そして辞めていく初任者が後を絶たないのである。
 このことにどう対応するのか、大学人から聞いた試しがない。
 池田先生や私の知り合いの大学の先生たちの少数派が、この問題に正対されている。 池田先生は「一年目を駆け抜けられるあれこれ」と言っておられる。 
  山形の佐藤先生のコメントは、これに応えておられる。
 今でこそ中堅の実力を身につけた佐藤先生も1年目は大変だったのである。
  それもここに紹介しておこう。
 
  ★ ★ ★
私も「初任者は2年目よりも100倍大変だ」と言われて初任の1年を過ごしてきました。仕事の見通しがうまく持てない、何もかも初めての仕事内容、子どもへの対応がうまくできない…初任者の直面する困難は挙げればキリがありません。
しかし、周りの先生方の支えがあるからこそ「1年目を乗り切れば何とかなる」と思い、やってこれました。
きっと、百合子先生は周りの支えが得られず、苦悩の中で命を絶たれたのでしょう。希望に溢れて教員になり、すぐに直面した困難。しかし、誰も助けてくれない。百合子先生の苦悩は、想像を絶するものがあります。
野中先生が発信されていることは、全国の初任者にとって、若手教員にとって、明日への希望になっています。
★ ★ ★

「初任者は2年目よりも100倍大変だ」ということは、その通り。
 1年目の見通しもなく、ただ突っ込んでいくだけのものがどれだけ危ういものか、多くの先生たちが経験済みのことであろう。
 しかも周りは「とにかく授業をしっかりやれ!」と発破をかける。
 指導者は指導案を何時間も書かせる。(あの指導案は研究授業の指導案なのである)
 初任者は、担任を持っているのである。
 この指導者たちは、「1ヶ月の学級づくりが1年間の学級づくりの8割を占める」ことを学んできていない。
 この1ヶ月の学級づくりは、初任者もベテランと同じように進めなくてはならないことが分かっていない。
 時代がそのように進んでいることを分かっていない。
 自分の経験からしか指導できない。
 だから、校長上がりの初任者指導が担当する初任者4人中3人の初任者のクラスを崩壊させていくことが起こってくるのである。
 授業の指導も確かにしなければいけない。
 だが、授業は指摘してすぐにうまくできるものではない。
 とにかく精一杯授業をしていく以外にない。
 ところが、学級づくりだけは手を抜けないのである。 
 ★
 ある初任者の先生。
 学級が崩壊していく。
 意欲も、熱意もある。
 ただ、どうしても学級の発達障害の子供に対応できない。
 周りの先生たちにもなかなか支援してもらえない。
 百合子先生そっくりではないか。
 そして、ある日管理職が呟く。
「先生は、ほんとうに子供が好きではないのではないか?」
  子供への愛情のかけ方の不足が、学級を崩壊させていく原因だと管理職は見ているのである。
 初任者が混乱の渦中にいるとき、こんなことを指摘する「ばか管理職」がいるのである。
 この指摘がどれほど初任者の意欲をつぶし、ますます混乱させていくか、簡単に想像できることである。
  ★
  自殺した百合子先生は、教師としての意欲も熱意もあった。
 大学時代から東南アジアのストリートチルドレンに関わり、満を持しての教師だったのである。
 ただ、自分の理想や理念を現実化していく方法論がなかった。
 それは初任者には無理である。
 周りが手助けして、とにかく1年目を乗り切らせていく以外になかった。
 もし百合子先生が私の「学級づくりの方法論」を身につけていたら、……と想像するがもはや意味がない。
 ★
 今年の夏、あるM市の教育委員会の初任者講座に行った。
 30人ほどの初任者の講座。
 2時間びっしりと学級づくりの方法と2学期からの手立てを語った。
 その中に次のような初任者がいた。指導主事の先生の言葉である。
  ★ ★ ★
 K先生。
 1学期の後半はクラスが荒れ、毎時間管理職、補助教員、空き時間の先生の計3人が教室に入り、K先生のクラスをサポートしていたようです。
 K先生には、管理職や先輩教員が
 いろいろとアドバイスしていたそうです。
 「それでもなかなかストンと話が落ちない。本人には消化できない」
 と校長は言っておりました。
 そして、9月の第1週、
 私が「指導主事訪問」としてK先生の教室に入ることになったのです。

 ところが、です。

 校長先生から、「Kは変わりました!」と。

 「Kが、俄然やる気になりまして。
  あれこれ、やっています。
  子どもたちも、落ち着いてきました。
  何よりもKに笑顔がある。
  夏休み、いったい何があったんでしょうか?」

 私は、野中先生の初任研のお話を、校長にしました。

 K先生のクラス。
 時間を守り、ルールを徹底しているようでした。
 まだまだ荒々しさは残っていますが、
 今後 確実に良くなっていくと思います。

 野中先生、本当にありがとうございました。
 ★ ★ ★
  なんともうれしいことではないか。
 私の講座が、K先生を甦らせている。
  これからもK先生はそんなに簡単なことではない。
 しかし、K先生には目指すべき1本の道が見つかったのだ、私にはそう思える。

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コメント

 発達障害の児童生徒への対応は、経験が二十数年の私でも難しいところがあります。新任がうまくいかない可能性は極めて高いです。
(ばか管理職の発言は論外です。この人こそ教師を辞めるべきです!
 しかし、周りの教師が支援できないのは忙しさからでしょうか?それとも対応できる技術を持った先生がいないから?後者だとすると、学校ぐるみで緊急に研修会をしないといけません。)
 発達障害への対応は原則がいくつかあります。TOSSの本にもたくさん出ています。
 それは、同時に学級経営がうまくいくことにもつながります。
 

 私は、児童生徒の問題行動は、全て発達障害系の行動だと思って対応しています。
 そう思って対応することで、頭の中がすっきり対応できるようになりました。
 
 学級経営の原理原則と発達障害への対応を学び、適切に実践することで、新任でもベテランでも学級(学年・学校)が安定することにつながると信じています。
 

投稿: TOSS末端教師 | 2012年9月14日 (金) 00時08分

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