「高倉健」という生き方。
NHKのプロフェッショナル「高倉健という生き方」を見る。
「健さん」。
私たちの世代(団塊の世代)はずっとそのように呼んできた。
「あこがれの人」というのではない。
そのように考えるにはずっと遠い人だ。
「気になる人」。
ずっと「気になる人」だったことは確かなことである。
★
大学時代、健さんの任侠映画を何度か見た。
オールナイトの映画館。
なけなしの金をはたいて居酒屋で騒いだあと、みんなで駆けつける。
一番前の席に座わる。
健さんが何か言うたびに「意義な~~~~し」と声をかける。
場内から失笑。
健さんが刀を振りかざしながら悪いやつを追いかけてくる。
悪いやつは右に行く。
健さんは追いかけながらどちらへ行けばいいかきょろきょろする。
私たちは「右、右、右」と声かける。
健さんは右に行く。
場内からどっと笑い声が響く。
こんな時代があったのである。
★
高倉健。81歳。映画俳優。56年の俳優人生を生きる。
酒は飲まない。タバコも30年前に止める。
ただひたすら歩いている。
★
番組では、「あなたへ」の映画収録の場面を映し出していた。
NGもなく、一度きりの場面を次々に撮っていく。
座らない。
ずっと立ちながら健さんは待っている。
高倉は、「生き方が芝居に出る」と言う。
それは作られた演技というより、次のようにぼそりと呟く。
ふだんの生き方じゃないですかね。
★
私たちが目にしている、あるいはイメージする81歳とはまったく違う。
このような81歳を生きられたら、どんなにすごいことだろう。
はじめて私は健さんにあこがれを感じてしまう。
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