初任者指導ということ。
8月29日の新聞に「中教審 教員養成で修士課程履修を答申」という記事が出る。
読んでみるが、どうなるのかよく分からない。
北海道である先生から聞いた情報はなかなかいいものであったが、この新聞記事とはどうも一緒ではない。
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私が初任者指導を3年間行ってきた経験から言えば、問題は次のことになる。
①初任者がすぐに担任を持つと、7,8割の先生たちのクラスが荒れる。
②荒れる原因は、さしずめ3つ。
A 「教師」として生徒達(子供たち)との関係づくり
の仕方が分かっていない。
B 学級をまとめられない。
C 教室を離れての研修体制の多さ。
AもBも教えられていない。学んでいないのである。
そして、C。
教室を離れての研修が多くて、子供たちと一緒にいられない。
それがどれくらいハンディーになるのか、分かっていない。
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北海道教育委員会が今回始めた指定校7校の「初任者研修の自校実施」は、画期的なことである。
今まで問題になっていた「教室を離れての研修体制の多さ」を直視し、それを自校で行おうとする施策である。
参加した協議会では、指定校と近隣校が集まって4校合同で初任者研修を行うなどの実践が提案されていた。
要するに、すぐにでも必要になる具体的な課題を即座に教えていく体制整備を行おうとするのである。
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学級を持つとき、最初の1ヶ月が1年間の8割ぐらいの比重を占めること。
このことを知っている初任はほとんどいない。
そして、この1ヶ月の間に何をやらなければいけないかを知っている初任はまったくいない。
もちろん、初任のせいではない。
大学はまったくそのことについて教えない。
だれからも、どこからも学んでいないのである。
これを自校実施にした場合、前もって教えることができる。
(初任者指導を担当する先生がこのことを知っておかなくてはならないが。)
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私は初任者指導の実際で、このことを確かめている。
勝負は、始業式前の時間になる。
この時間に教えることはいくつもあるが、絞れば3つ。
ア、子供たちとどのように関係づくりをしていくか。
私は、縦糸を張ること、横糸を張ることを教えた。
イ、学級の仕組みづくりをどうするか。
とりあえず1週間の仕組みづくりを教える。
給食当番システム、掃除当番システム、日直システムについては一緒に作る。
ウ、教室づくり
・机を並べ、出席簿順に並べるように名前を貼り付ける。
・ロッカー、廊下のフックなどに名前をつける。
・指名カードを作る。 など
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初任者も、ベテランが行うようにきちんと学級づくりをしなければならない。
昔は、周りの様子を見ながら、子供たちに教えてもらいながら、作っていけば十分だった。
今は、学級づくり(学級経営)だけは手を抜けない。
学級づくりで土台づくりをしなければ、学級が動いていかない。
ここが分からないで、最初から初任にがんがん授業の指導案作りをさせて、初任をつぶしていく初任者指導、管理職がいる。困ったものである。
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