第1回「味噌汁・ご飯」授業・学級づくり研究会講座が終わった!
第1回の「味噌汁・ご飯」授業・学級づくり研究会を開催した。
50名ばかりの先生たちに参加していただいた。
福島、大阪、長野などからも駆けつけていただき、ほんとに感謝するばかり。
やはり、「日常授業」をどうしていくかというのは参加された先生方の真剣な問いだと改めて考える。
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しかし、多くの先生がこの「日常授業」に問題意識を持っているかというと、私はそう考えていない。
研究授業などの「ごちそう授業」に意識のほとんどを振り向けている先生もいる。
そんな先生は、普段の日常授業は研究授業へ向けての練習授業かあるいは単に「流していく」授業である。
多くの先生は、「日常授業」にほとんど意識を持っていない。
そういう場合が多いのである。
「日常授業」はやっているが、意識してやっているわけではないのである。
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かつてある小学校へ「味噌汁・ご飯」授業について話をしていったことがある。
だが、ほとんど空振り状態。
先生方は、ほとんどピンとこない状態であった。
もちろん、私の話し方の問題でもあったであろう。
ところが、よくよく考えてみると、日頃やっている「日常授業」はあまりにも日常すぎるために「大切にしましょう」「充実させましょう」と言っても、「そうですね」と頷くだけでそれ以上はないということが分かってきた。
研究授業には、多大な時間を使って教材研究をして臨むのに、いざ「日常授業」を充実しましょうという話になってくるとピンとこない。
これはどうなっているのか。
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このことについてかなり考えたことがある。
たとえば、「風景」ということがある。
私たちには「美しい風景だね」「あの風景を絵にしよう」という発想がある。
でも、このように考える「風景」を「風景」としてとらえられるようになったのは明治20年代のことである。
それ以前も風景という景色はあったが、それを「風景」としてとらえることはなかったのである。言文一致が行われて、こういう「風景」の発見がなされたということらしい。(「日本近代文学の起源」柄谷行人著 講談社文芸文庫)
これには驚いたが、ここにはかなりのヒントがある。
「日常授業」も、先生方にとってやはり明治20年代前の「風景」のようなものではないか。事実としてやっているのに、まったく意識されていない。そんなものではないか、と思ったものである。
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理屈っぽくなってしまった。
だが、「日常授業」に意識の多くを振り向けていくことは大切なことである。
子供たちの学力向上のためにも必要なことであるし、何よりも子供たちが生き生きとし、そしてそれを見る教師たちも生き生きとなる。
どんなに忙しくても、教師は「学級づくり」や「授業づくり」が充実していればがんばっていけるものである。
むしろ、この「教師の原点」に帰っていくことを訴えたい。
当たり前だと言わないでほしい。
多くの教師たちは「学級づくり」や「授業づくり」はつけたし的にしか力を注いでいない。
そんなことより、押し寄せてくる行事や学校の仕事に忙殺されているのである。
ここでのベクトルを変える必要がある。
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アンケートで各先生たちに書いてもらったことはとてもありがたかった。
次回の講座への要望は次のようなものであった。
①国語だけでなく、算数、社会、理科でも同じ講座をぜひ開いていただきたい。
②学級経営の基礎基本
③野中先生の模擬授業
④授業のいろいろなパターンの資料がもっとほしい。
⑤もっと活動例を紹介してほしい。
⑥「味噌汁・ご飯」授業でよく使う「キーワード集」。
⑦1日の教科(5教科)の板書方法
⑧さまざまな教科に活用できる発問。
⑨「味噌汁・ご飯」授業の続編~単元計画の作り方(実際に少し作ってみたい)
⑩実際に「味噌汁・ご飯」授業を作ってみたい。数人のグループで。
⑪ノート指導など
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うなずくものばかりである。
私たちは国語から「味噌汁・ご飯」授業を始めている。
それはすべての教科のもとであるし、小学校はこの国語に多くの時間数が使われているという理由である。
多くの先生たちが悩んでいるのも、この国語の授業である。
だが、「味噌汁・ご飯」授業はもちろん国語ばかりではない。
算数にも、社会にも、理科にも、体育にも、……すべてで展開されていかなくてはならない。
私たちの研究会はそれに挑戦していきたい。
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野中の模擬授業を見たいという要望が何人もあった。(笑)
授業下手であるので、そんなに見せられるものではない。
ところが、最近は「『味噌汁・ご飯』授業です」と言って授業することが多い。
70点でいいので気軽である。
9月は横須賀の小学校で、10月は横浜の小学校で「味噌汁・ご飯」授業をすることになっている。
10月26日は横浜の東小学校で、知り合いのS先生(30日にも参加されていて、私との授業対決だと懇親会で叫んでおられた)が4時間目、そして私が5時間目に授業をすることになっている。終わったあとに私の講座がある。
くわしくはこのブログで後々紹介したいが、時間が許せば、ぜひ近くの先生は参観してほしい。(参観は自由と校長先生が言われている)
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第2回目の研究会は、もう少し具体化したものになるはずである。
具体的にどのように教材研究して、どのような授業を作り上げたのか、実際に参加されている先生方が教材研究をして授業を作り上げるなどの講座が考えられる。
また、参加いただければありがたい。
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