荒れるクラスを回復する~その2 教室の「空気」と「時間」を統率する~
教室は、「空気」と「時間」で成り立っている。
どちらも目に見えない。
「空気」とは、教室に流れる雰囲気。
その雰囲気は、担任と子供たちによって作られている。
「時間」は、教室に流れる「時間」のことを指している。
朝自習から終わりの会までの一連の流れになる。
担任は、できるだけ早くこの「空気」と「時間」を統率すること。
これが大きな課題になる。
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「空気」を統率するとは、2,3人のやんちゃたちにこの「空気」を掌握されない間に 、担任がリーダーシップを発揮して先に掌握してしまうことである。
だから、できるだけ早くなのだ。
教室が荒れてくるということは、担任がこの「空気」を統率することに失敗しているということになる。
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「時間」を統率するとは、朝自習から終わりの会までの一連の流れがスムーズに進むようにすること。
スピード・テンポ・リズムが大切になる。
なぜスムーズなのか?
子供たちの体の中は、ゲームなどによって身につけたスピード感にまみれている。
無意識状態。
だから、だらだら、もたもた、ゆっくりというのは彼等には合わない。
すうっ~~~とスムーズに流れていく「時間」が快感になる。
これを無視しては、さまざまな活動が成り立たない。
授業時間をきちんと守ること。休み時間をきちんと確保すること。空白の時間を作らないこと。さまざまな活動を手早くさっさっと終わること。……
教室が荒れてくるということは、担任がこの「時間」を統率することに失敗していることになる。
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私は、この2つの視点から教室の「荒れ」を考えていく。
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昨年、知り合いに頼まれて、一人の初任者の相談にのったことがあった。
崩壊寸前だというのである。
5年の担任。女性の担任である。
まず、初任が最初に5年担任ということのハンディがあった。
普通はそんな人事はしない。
夏休みに相談にのって、そして9月に入って1日授業を見せてもらった。
もちろん、2つの視点で教室を見ることになる。
想像していたよりもずっと良かった。
「空気」の統率も「時間」の統率もほとんど失敗していたが、がんばっていた。
まず何よりも担任に対して反発している子供が1人もいなかったことが良かった。
80%ぐらいの担任が、ここの関係づくりで失敗しているのである。
ところが、「時間」の統率がなかったので(というよりこんな意識がなかった)子供たちはだらだら、もたもた行動していた。
回復させる手立てをさまざまに助言した。
どのくらいできたのかは定かではない。
でも、何とか1年を終えたのである。
3月には、その先生から感謝の手紙をもらったからである。
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