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「味噌汁・ご飯」授業 その2

   37年間、私は子供たちの顔を真正面から見ながら授業をし続けてきた。
 たいした授業ではなかったが、いつも心にあったのは「おもしろい、楽しい」授業をしたいという思いだった。
 ★
 退職して初任者指導を3年間行った。
 今度は子供たちの背中を見ながら、子供目線で初任者の授業を参観した。
 それこそ初任者の、ほんとの普通の授業を見たのである。
 考えてみれば、このようにまるまる普通の授業を見ることなど37年間一度もなかったのである。
 見てきたのは、他の教師たちの研究授業がほとんどだった。
 見ながらびっくりした。
 真正面から見た子供の顔と、後ろから見た子供たちの背中と、全然違う。
 真正面から見ていたときには、子供たちはいつも「おもしろい、楽しい」授業を望んでいると思い込んでいた。
 しかし、後ろから見た子供たちの背中はそんなことを望んではいない。
 初任者の授業だからかもしれないと最初そう思った。
 しかし、そうでもない。
 子供たちはそんなに大きな期待など持っていない。
 どうしてもそのように背中は答えているように思えたのである。
 ★
 ただ、その背中はときにゆがんで、拒んでいるようにも思えた。
 教師の長々と続く説明である。
 子供たちは、長々と続く教師のおしゃべりに、その背中は拒否感を鮮明にしているように思えた。
 「おもしろいとか、楽しいとか、そんなことでなくていいからもっと活動させてくれよ!」
 「体を動かしたり、考えさせたり、行動させたり、…そういうのをやってくれよ!」
と背中は訴えてるように思えた。
 初任者指導を3年間やらなかったら、このような「背中」を見ることはなかったであろう。
 「野中先生、それはあんたの思い違いだよ!」と言われるかもしれない。 
 でも、そのように見えてしまったのである。
  ★
 「味噌汁・ご飯」授業・学級づくり研究会(通称「みそ・学研究会」)では、「味噌汁・ご飯」授業を「活動」で考えている。
 もちろん、単元目標も、本時のねらいも、きちんと設定して、あとはどんな「活動」で授業を組んでいこうかと考える。
 これは従来の「味噌汁・ご飯」授業で提起してきたこととまったく違っている。
 子供目線で、いかに活動させていくかという視点から授業づくりを始めている。
 「活動」を授業づくりの中心におこうということになる。
 ★
 活動は、8つの基本型を設定している。

 聞く、見る、読む、おぼえる

 書く、話す、話し合う、動く

 今までは、「聞く・見る」などは活動には入っていなかった。
 でも、言語活動の中の、一つの活動として考えていいのだと思う。
 広く活動を考えている。
  「動く」は、図工で作品を描く、理科で実験をする、体育で体を動かす…など全ての動きとした。
 そうすると、この8つの活動が授業の中での子供たちの活動の姿として描ききれるのではないかと思ったのである。
  ★
 子供たちが拒否感を示しているのは、ほとんど「聞く」という活動を強いられる授業。教師側にとってはしゃべり散らす授業になる。
 私たちは「おしゃべり授業」と名付けている。
 まず、日常授業で展開されている「おしゃべり授業」をどう克服していくのかが「味噌汁・ご飯」授業の課題になる。

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コメント

>>私たちは「おしゃべり授業」と名付けている。
 まず、日常授業で展開されている「おしゃべり授業」をどう克服していくのかが「味噌汁・ご飯」授業の課題になる。

私もここに問題意識を持っています。
私は、国語科ですので「国語科を実技教科にしたい」というテーマでこれを考えています。
国語の先生、特に小学校より、中学、中学より高校と校種が上がるに連れて、この話す率は高くなると感じています。これで、読む、聞く、書く、話すの四領域を授業の中で鍛えることは、殆ど無理だと思います。

で、実際の実技教科の先生の授業を見ると、全体に話す時間は、全体の2割り程度かと思います。残りの8割が活動の時間。

この8割の時間の安定した運営のために、何をどうしたら良いのかをあれこれ考えています。今書いている本で論じてみたいと思っています。

投稿: 池田修 | 2012年5月31日 (木) 16時41分

「ただ、その背中はときにゆがんで、拒んでいるようにも思えた。
 教師の長々と続く説明である。
 子供たちは、長々と続く教師のおしゃべりに、その背中は拒否感を鮮明にしているように思えた。」

今年度、4名(同じ学校です。)の初任者指導をやっている奈良県教員です。わたしも野中先生と同じことを考えていました。そして、退屈です。それなのに、子どもたちはじっと座っていますから、なんと我慢強いのかとも思いました。
そして、教員の方は子どもたちがわからないという表情や無反応であればあるほど、しゃべるのです。「あまりにも」とわたしが感じた場合は、でしゃっばってしまいますが。

小学生相手なのに、昔の大学の講義のようにだらだらとしゃべられては・・・と思います。

投稿: 木島 由紀子 | 2012年6月 3日 (日) 13時46分

池田先生、木島先生、コメント有難うございます。
木島先生は、初任者指導をされていたのですね。
初任者は、授業のイメージを塾の授業や高校の授業などにおいているのです。
だから、当然おしゃべり授業になっていまいます。
それでいいという感覚ですから、この感覚を変えていくことはそんなに簡単ではありません。
初任研で授業研究会などを数回やった程度で変わるはずはないです。
 池田先生、活動の時間を80%にするという提案は画期的です。期待しております。

投稿: 野中信行 | 2012年6月 4日 (月) 11時42分

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