学校を再び「教育機関」に回復させなくてはならない!
ゴールデンウィークが終わって、また日常の生活が戻ったのであろうか。
佐賀にいる妹から最近ブログの更新がないので、具合が悪いのではないかと心配のメールがきた。
私はいたって元気なのだが、自分の仕事に追いまくられている。
8月初旬に出版したい本の原稿が締め切り間近。
これが大変である。
また、来週は東京や宮崎での講座があり、その準備も大変。
そして、家の改築が始まっているので、一日中ガーガーと騒音の中にいる。
まあ、こういうわけでブログの更新どころではなかった。
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知り合いの先生から興味深い話を聞いた。
フィンランドを訪問した先生の報告会のこと。
フィンランドでは、先生たちは3時半には退勤をする。
最後は校長が戸締まりなどをして4時半頃には帰る。
先生たちは家に帰って、家族と過ごしたり、読書をしたりして過ごすと言う。
うらやましい話だ。
ほとんど教師たちは、学校では子供たちの学習に全力を尽くせばよいわけである。
また、子供たちが学習に臨む状態についても興味深い話を聞いた。
子供たちは、教師の授業について決して「楽しい、おもしろい」授業などを望んでいない。勉強は必ずしなければいけないもので、それを学年に応じてきちんと習得していくようになっている。親たちも、教師に対して尊敬の念を持って接してくれる。
ずいぶん日本とは違う話だと思いながら聞いた。
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私の親しい先生は、今初任者担当をしていて、初任者の指導に当たっている。
その初任者は、学校にいつも8時、9時まで残っていて、へとへとになって家に帰る。一人で住んでいるので、多分コンビニ弁当か惣菜を買って帰るのであろう。
3,4時間の睡眠で、また学校へ行く。
その繰り返しをしている。
それが日本の現実であり、あまりにもフィンランドの教師たちとの違いに愕然となってしまう。
日本的状況がフィンランドのように進んでいくとはとても思えない。
しかし、どう考えてもフィンランドがまともではないか。
私は、できるところからフィンランドのような教師の立場に進んでいくことを望んでいる。
当たり前のことではないか。
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先日のブログで「PTA組織を根本的に問う必要がある」と書いた。
池田修先生たちからコメントがあり、学校は5時になったら留守電にすべきだと書かれたあった。
私もその通りに思う。
この措置などは、すぐにでも実行すべきことである。
だが、絶対にそのようには学校の現状は進みはしない。
壁になっていることがある。
大きな壁は、「学校はサービス機関だ!」ととらえられていることである。
これはそういうふうに考えていく管理職が増えていく現状であるが、何よりも保護者たちがそのように学校を考えていることに最大の問題がある。
このように保護者たちが考え始めたのは、1980年代の中頃からである。
私が勤めた37年間の間に、みごとに学校が「教育機関」から「サービス機関」へ様変わりしたのである。
これが日本の教育を変えた元凶の1つだと、私は思っている。
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ある学校での体験である。
この学校は、1ヶ月に1回程度にショー的な行事を組んでいる。
保護者を招いて、子供たちの活動の様子を見せる。
保護者は喜ぶ。
教師たちが大変である。
その行事のために、授業をつぶして子供たちに練習をさせる。
どうしても学年間で競争的になる。
派手に華やかにショーを組んでいった学年がもてはやされる。
授業はどうでもいいのだ。子供たちの学力は学習塾でつけてもらえばいい。
そのように内心思っている。
だから、子供たちはどことなく落ち着かない。
完全に学校が「サービス機関」に成り下がっている。
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学校を再び「教育機関」に回復させなくてはならない。
そのことなくして、日本の教育が回復できないのだと、私は強く思っている。
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