野口塾100回記念会が終わった!
野口塾100回記念会は、100名余の先生たちの結集で、ものすごい盛り上がりであった。
会場はびっしり。
先生方は、北は北海道から南は九州まで全国各地から結集されていた。
昼食で野口先生夫妻と同席させてもらった。
「100回の野口塾を開くためには,10年かかりました」
と野口先生は述懐されていた。
100回を記念して、野口先生からプレゼントがあった。
そこには、次のようなことが手書きで書かれてあった。
△ △ △
感謝あるのみ
「授業道場野口塾」が、お蔭様で百回を数えました。唯々、皆様のお力添えの賜
と心より感謝申し上げます。粗品三点は、いずれも私と深い繋がりのあるもので
師であり、また分身でもあります。お役立て下されば、幸甚です。有難うございます。
導かれ押され教わり登り来て今立つ嶺の風は涼しくも
野口芳宏
各位 平成24年三月25日
△ △ △
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今回の野口塾は、通過点。まだまだ野口先生は大丈夫。
76歳になられているけれども、かくしゃくとして通過していかれるであろう。
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この100回記念に、私もまた一講座を担当した。
光栄なことであった。
といっても、「崩壊しない学級をどのように作るか」という暗いテーマである。
50分の持ち時間。
とにかく訴える以外にない。
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先日、向山洋一先生が産経新聞に掲載された「全国に広がる新型学級崩壊」を話題にしながら、話を始めた。
学級崩壊の状況は、広がっていることは間違いない。
その事態は深刻である。
向山先生は、評判の良かったベテラン教師の教師や学校の中心になってきた教務主任の教室で起きるようになったと指摘されている。
しかし、その事態は今に始まったことではなく、10年前から起こっていた事態であった。
今、もっと深刻なのは「学級崩壊予備軍」の方だ、と指摘する。
崩壊にカウントされないけれども、2月、3月にクラスはよたよたする。
4月の「群れ」の状態から何ら「集団」へと向上はしていない。
10月や11月頃から、「前はクラスが回っていたのだが、最近はうまく回らなくなった!」と言って、「早くこのクラスは終わりにしたいなあ」と指折り数える状態。
だから、終わりになるに従って、クラスは荒んでいく。
この予備軍のクラスが、中堅やベテランの教師たちにどんどん広がっている。
★
原因は何か。
大きな原因は1つ。
私が指摘したのは、「子供、親、家庭の変質」。
37年間担任として、子供や親や家庭を見詰めてきたのだ。
どこから、どのように変質していったのか、歴史の証言者みたいな立場にいるのである。
大きく変わったのは、親たちの子育て。
1970年代までは、多くの親たちがまだまだ「子育ては全部親の責任」という意識を持っていた。
先生への対処の仕方、あいさつ、礼儀、言葉づかいなどがきちんと家庭で指導されていた。
ところが、この時代から親たちは、自分のやりたいことのために、「めんどくさい子育て」を他でやってくれることを願い、学習塾、おけいこごと、学校などでの代弁を頼むようになっていったのである。
ここから大きく歯車は違ってくる。
学校へは、「生徒」しない一群の子供たちがやってくる。
この子供たちは、自分の不快なことを教師が強制しようものなら大きく反発し、クラスを壊しにかかるという事態が起こり、学級崩壊へと進んでいく。
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しかし、「子供が悪い、親が悪い、家庭が悪い」と指摘しつづけても、それは何の問題改善にならない。
そんな外的要因に引き回されることなく、その事態に合わせて私たちも変わらなくてはならないはずである。
私たち教師の側の問題点を4つ指摘した。
1つは、厳しくしすぎ。縦糸の張りすぎ。
2つ目は、心の通い合いがない。横糸を張れない。
3つ目は、スピード・テンポ・リズムがない。
4つ目は、おしゃべり授業。
1,2は、学級づくりでの「関係づくり」の問題。
3は、学級づくりや授業づくりの方法の問題。
4は、日常授業で、しゃべりまくって授業をしている教師の問題になる。
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終わった後の懇親会で、「先生が指摘された問題点そのままに学級を壊しているベテランの先生がいます」という話を何人もから聞いた。
やはり、そうなんだと…。
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懇親会は、中華街「重慶飯店別館」で行われた。
100回記念にふさわしい豪華な懇親会になった。
多くの先生たちと出会い、しゃべりまくり、今朝になってもその余韻が残っている。
野口先生が登っておられる嶺はどんな高さだろうか、どんな風が吹いているのだろうか、などとふと想像を巡らせている。
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次の講座は、29日の愛知県小牧市の初任者講座になる。
そして、31日の北九州の「明日の教室」講座になる。
まだまだ続いていく。
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