子供たちの心に灯をともすフォロー
中村先生の「フォロー」の本を紹介したら、この本の著者の一人飯村先生からコメントをもらった。
△ △ △
私自身、この「フォロー」の技術を意識したことで、授業や学級づくりは変わりました。
それまでは、発問や指示、説明といった教師からの投げかけばかり考えていました。
ぜひ多くの人に読んでもらいたいです。
△ △ △
また、山形の佐藤先生からは次のようなコメントをもらった。
△ △ △
「フォロー」という対応の技術について、中村先生はいろいろな著作で「普通の教師は、意識的になるべきだ」と提唱されています。
多くの教師は、子ども達に「フリ」はしても、「フォロー」を忘れがちです。しかし、いわゆる「名人」と言われる先生方は、無意識に「フォロー」をしています。
自分も、「フォロー、フォロー」と意識しながら、気づいたら忘れていた、ということがほとんどです。意識しなくとも「フォロー」できるまで、まだまだ道のりは長いです・・・。
△ △ △
このフォローの技術を使えるようになるにはそう簡単なことではない。
5年目の佐藤先生はそのように言われている。
★
この「フォローの技術」とは、何だろうか。
私なりの言い方をすれば、子供たちとの「関係づくり」にはなくてはならない技術なのだ、と。
縦糸を張るときに、横糸を張るときに、どうしても必要になるのである。
このフォローの技術で、「うまいなあ」と感心した実践がある。
「道徳のチカラ」(3号)という雑誌に載っている福山憲市先生の実践である。
(連載 心を育てる学級づくり・授業づくり <「おしい」と「やるね」の繰り返し>)
多くの著作をもつ第一級の実践家である。
△ △ △ (実践を簡略して紹介する)
福山学級では,4月初日から、机や椅子に対する心構えを育てるために次の実践を行う。
┌───────────────────┐
│●全員、起立!だまって、後ろに行きます│
└───────────────────┘
子供たちはきょとんとしながらも、後ろへ行って1分以内に全員が並ぶ。
そこで言う。
「だまって行動しているのは、素晴らしい!!でも、おしい。93点。残念なことが
あります。」
93点と言いながら、子どもたちから目をそらし、机・椅子の方を見回す。
┌─────────────────────────────┐
│もう気がついている目をしている人がいます! │
│そうです。椅子です。椅子が出ている人がいます。机がねじれて│
│いる人がいます。おしいですねえ。 │
│もう一度、やってみます。だまって、席にもどってください。 │
└─────────────────────────────┘
子供たちは今度こそという顔で戻っていく。
┌─────────────────────┐
│全員、起立!! だまって後ろに並びます!!│
└─────────────────────┘
椅子もきっちり入れ、机のねじれもない。子供たちの顔は、自信に満ちている。
ここでの福山先生のフォローはすごい。
┌─────────────────────────────────┐
│ やるねえ、さすがです。100点です。(子供たちの眼が輝く。そこで │
│言う)でも、もっとすごい人がいます。山根君です。100点花丸です。 │
│両手で、椅子をすっと入れていたのです。片手ではないのです。椅子に │
│対して心が優しいのです。 │
│佐藤さんも100点花丸です。 │
│後ろに行く前、ちょこっとですが、友達の椅子が出ていないか、見回し │
│ていたのです。こういう心が嬉しいのです。 │
│そしてそして、清水君。清水君も100点花丸です。 │
│起立!と言ったとき、音を立てないように、さっと立ったのです。 │
│先生、やるなあと思いました。ありがとう。 │
│もっとすごいのは、金山さん。先生は「並びます」と言葉を少し変えま │
│した。 │
│金山さんは、気がついていたのかな。後ろに行くだけでなく、並ぼうと │
│している姿でした。やるなあ。100点花丸!!ありがとう。 │
└─────────────────────────────────┘
△ △ △
まだまだ実践の続きはあるのだが、これぐらいでいいだろう。
ここでのフォローのすごさが分かってもらえばいい。
普通の教師たちにはとてもできないフォローになる。
しかし、努力すればできる。
そのためには、観点をきちんともって子供たちをよく見ておかなくてはならない。
こんなフォローができたら、子供たちの心に灯をともすことになる。
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