インプットとアウトプットのバランスを取る!
「挙手指名発言」のブログでは5名の方のコメントをいただいている。
いつもありがとうございます。
これを読むと、現状での小学校や中学校の授業の様子が垣間見える。
多くの教師たちが次のような授業をしている。
●教師のおしゃべり(あえて「説明」と言わないでおしゃべりと言う)が多く、
ときどき発問をして3,4人のよくおしゃべりをする子供に発表させて先へ
進んでいく授業。(講義式授業)
●発表はほとんど挙手発言。
●作業などはほとんど取り入れない。
これが現状である。
はっきりしているのは、傍観者を作り、きわめて受け身的な授業に終始していることである。
★
この現状を「一斉授業そのものの問題である」と括ることは容易い。
私はそのように括らない。
多くの教師たちも、この現状を必ずしも肯定をしていない。
このように進めていくしか方法論を持っていないし、現状はとにかく忙しいのである。 私は、この「現状」から出発したいと思った。
この「現状」を受け入れて、さて何ができるかというように考える。
★
子供が教室で行う「活動」は次のことになる。
<見る><聞く><書く><話す><読む><動かす><おぼえる>
ほとんどの「活動」がこれに入るであろう。
講義式の授業は、<聞く><書く>の活動になる。
日頃多くの教師たちがやっていることは<聞く>だけの活動になる。
インプットだけの、きわめて限定的な活動である。
ときどき「挙手指名発言」をさせる。
それは<聞く>―<話す>という活動になる。
ここで<話す>というアウトプットが入る。
だが、3,4人のよくしゃべる子供だけのアウトプット。
これも限定的だ。
しかし、これに<聞く>―<書く>―<話す>という「挙手指名発言」方式にしていくと場面は変わる。
子供たち全員がノートに自分なりの答えを<書く>という「活動」が加わるからである。これは全員がアウトプットの活動をしたことになる。
インプットとアウトプットを組み合わせて、多様に展開していくと場面は変わる。
インプットとは、主に<見る><聞く><読む><おぼえる>になる。
アウトプットは、主に<書く><話す><動かす>になる。
★
コメントでJJさんが立命館小の岩下修先生が言われていたことを記してある。
△ △ △ 引用始め
6月に立命館小の岩下修先生とお話しする機会がありました。
その中で「1時間の授業の構成を考えるとき、子供のインプット(の活動)と
アウトプット(の活動)のバランスをとるようにしている。」というお話があり
ました。同感しました。
△ △ △ 引用終わり
さすがに授業名人の岩下先生である。
言われることが違う。
★
担当した初任者が漢字指導をしていた。
テレビを使って筆順指導をし、ノートに書かせている。
宿題でもノート1ページ書かせている。
これはインプットになる。
ところが、「これだけ指導しているのにまとめのテストはひどい」ということになる。
どうしたらいいのか、ということになる。
私が指導したのは、「インプットは熱心にやっているが、アウトプットが弱い」ということ。
どうしたか。
インプットと同時に、アウトプットも小刻みに実施していく必要である。
小テストというアウトプットをもっと使わなければ「おぼえる」活動はできないのである。
★
活動の<見る>を中心にして展開されている授業がある。
玉川の堀田先生、愛知の玉置先生などは「ICT」を使った授業を主張されている。
私も同感している。
子供たちは<聞く>時代から<見る>時代へ変わっているからである。
<ラジオ>から<テレビ><パソコン>などの時代へと様変わりしている。
だから、どうしても<聞く>よりも<見る>に視点を移していった方がいいことは当然になる。
私はそのように理解している。
★
「一斉授業そのものの問題」に括ることを問題にした。
私が考える一斉授業の問題点は、多くの教師たちが<聞く>という活動を中心に進めている授業しかも傍観者を多く作る授業になる。
そこから脱皮していくことである。
脱皮していくとは何か。
① 多様な「活動」を授業に組み込むこと。
②インプットとアウトプットのバランスを取ること。
さしずめこんなところになるのであろうか。
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コメント
JJです。コメントを取り上げていただいて有難うございます。「インプットとアウトプット」という視点から授業を見てみると、シンプルに分析できるのがいいのかなあと思いました。ものすごくわかりやすいのです。実際、自分の授業でもどちらかばかりだと子供がだれます。岩下先生の言葉を聞いてから、自分の授業設計を常に見直しています。
投稿: JJ | 2011年12月20日 (火) 22時22分