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漢字指導をどうするか?

 新潟の大島先生からコメントがついた。

 △ △ △ 引用始め 
  今年は漢字学習を第二グループのやり方でやっています。昨年まで試行錯誤やって来た結果、このパターンが良いのではないかとたどり着いたやり方です。
漢字学習→テスト→間違った字の練習→テスト→間違った字の練習→テストという風に合格するまでやります。初回満点だった子達も二回はテストをします。
明確な根拠をもってやっていた訳ではないので、内田先生の記事を読んで、やはりなと確信しました。昨年度までより、定着率が高いのです。テストの回数が増えたので、丸つけの回数が増えましたが、丸が多くなるので、それ程負担感が有りません。
△ △ △ 引用終わり

 ★
 漢字学習についてである。内田先生のブログにある第二グループの実践が書かれている。
 漢字指導については、ほとんどの先生方が効果をあげていないのではないだろうか。
 私は勤務最後の学校で、徹底した漢字学習に挑戦したことがあった。
 国語の重点研究の一環である。
 学校全体で取り組んだ。
 学校全体で、週2回、朝自習の時間に漢字学習の時間を設定した。
  私の学年では、今まで学習した漢字の5問テストを作成し、その時間に漢字テストをしていくのである。
 やり方は、大島先生の方式と同じだ。
 テスト→間違った漢字の練習→テスト→間違った漢字の練習→テスト
 これで合格したら、先に進んでいくのである。
 これを2回繰り返していた。
 学校全体では、1年間に3回の全校テストを行い、合格を80点以上として全クラス80点以上が何人、以下が何人と全員の先生たちに報告していた。
 分かったことは、それだけ徹底してやっていても各クラス80点以下の子供たちが何名も出てくるのである。
 漢字スキルは、全校が光村のあかねこスキルを使っていて、学年の最初には、重点研の委員が全体を集めて模擬授業をして使い方を徹底していた。
  ★
 あかねこスキルは、きちんと取り組んでいけばかなり漢字を覚えることができる。
 それはこのスキルのシステムをきちんと徹底していった場合である。
 しかし、このシステムを使わないで自己流で使っている場合が多いので効果はあまりない。
 「ゆびかき→なぞりかき→うつしがき」 がきちんと徹底されていない。
 ★
 しかし、私の学校で、この「あかねこスキル」を使っていて、やはり問題があることが分かってきた。
 その都度のテストでは、ほとんどの子供が100点を取るのであるが、時間をおいてテストをすると無残な結果になってしまうのである。
 これは、「あかねこスキル」の使い方に問題があるのだろうと思っていたが、必ずしもそうでもない。多くの先生たちがやはりそうなるのである。
 ずいぶん時間が経って、これはアウトプットの問題であるのだと気づいたのである。
 どういうことか。
 子供たちは覚えたものは忘れるのである。
 きちんとインプットをさせたら、子供たちは覚えているものだという幻想を私たちはどこかでもっているが、それは幻想だ。
 どんなにすぐれた教え方でも、それだけでは覚えるということにはならない。
「覚える」ためには繰り返しのアウトプットが必要である。
 ★
 だから、漢字指導については私は次のような指導をしていた。
 国語の授業の中の5分間をこれにあてる。
 1日に2,3個の漢字指導。
 漢字のスキルやドリルを使いながら、漢字テスト(5問テスト・合格したら進級していくテスト)を朝自習(週に2回)に繰り返していた。その漢字テストシステムのなかに、定期的に20問テストを繰り込んでいた。まとめのアウトプットである。 
 クラスの中には、2,3人はこれについてこれない子供がいる。
 覚えるという習慣が身についていない子供である。
 それは特別指導をしなければいけない。
 しかし、覚え始めると画期的に変わりはじめる。
 たかが漢字指導であるが、効果が早く出てくるので、その変化を実感させるためにはこれは効果的である。
 私は、4,5,6月の3ヶ月間で漢字指導と音読と発言の3つを特別に指導し、効果を出させて7月の三者面談でおおいに褒めまくった。
「やればできるのです。これからがんばりましょう」と。
 子供たちは、自分ができるようになっているという「事実」(変化)を自覚できなければ自分で伸びようとはしないものである。

 だから、早めに効果が出てくるこの3つを使ったのである。    

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コメント

 私は、10問テストと、まとめテストは全く別物と考えています。
 だって、10問だけなら「勢い」「パターン」で覚えられます。一気に詰め込む感覚です。
 まとめテストだとそうはいきません。問題は増える、忘れている、だから無理やり詰め込むが(中にはやら(れ)ない子も)・・・そりゃ、一発勝負なら無残です。
 だから、以下の方法で私は行っています。
 
1 漢字スキル「○学期のまとめ」の総合テスト(第1次まとめテスト)60~70問程度
 ①前半を一通り書きこませる。(既習事項なので、パターンはわかっている、少し量の負荷をかける)
 ②後半を同様に。
 ③前半テスト。間違ったところだけ2回目なおし。
 ④後半テスト。③と同様。
 ⑤全体のプレテスト。
 ⑥本番テスト。(90パーセント以上合格)(再テスト者は、間違えたところをもう一度書かせる)

2 写しまるくん「○学期のまとめ」(第2次まとめテスト)50~60問
 ①~⑥を同様に行う。

 2学期にやったら、第1次テストで33名中32名合格。第2次テストは全員合格。(しかも、満点か1点少ないだけという快挙!)でした。
 やはり、アウトプットを徹底的にやったおかげでしょうか?
 3学期・学年末もこの方法でやっていきたいと思っています。

 ちなみに、普段の10問テストは、いわゆる内田先生の第4の方法で行っています。いわゆる「手抜き」です。

 「手抜き」といえば、私は答え合わせは隣同士(まとめテストはできた子同士。多少調整を加えますが)です。もちろん、最終確認はします。(ちなみにプリント系の宿題もです)
 ほとんどの先生が、ご自分で答え合わせをしています。時間がかかってもったいないなあ・・・と想いつつ。
 「隣同士はされないのですか?」と聞いてみたけど、「子ども同士の○つけが信用できなくて・・・」という返答。もっと任せればいいのに・・・という言葉を飲み込んでいます。(これが言えるようになるには、相当人間関係ができていないといけません。若い人なら(人によるが)言えてしまうこともありますが)

 最後は脱線で失礼しました。

投稿: TOSS末端教師 | 2011年12月26日 (月) 22時16分


さて、漢字練習について面白い興味あるお話でしたが、
要は、子供が忘れることを責めない姿勢ではないかと自分にここ10年いいきかせています。 そうではなくて、「忘れたら思い出したらいい」仕組み作りではないでしょうか。

 たとえば、私たちがやっていることは、補習校ですので時間の制限がありますが、

1 新出漢字として学習する際に、導入をていねいにする(指書きやこの漢字を使ったこの熟語はマスターしてほしいという紹介など)
2 その漢字を使った熟語を読めるようにする読み読みプリント
3 漢字クイズ (合格しなければ合格するまで9
4 単元テストのための練習
5 単元テスト
6 さらには学期末のまとめテスト

といった形で 重ねて重ねてやってゆく形をとっています。同じテストをするのではなく、形をかえて縦から横からというふうに漢字に触れるという形です。 これはおそらく、英語圏で暮らす子供たちの漢字と触れる時間が圧倒的に少ないという危機感から20年以上にわたり蓄積されてきたスタイルでしょう。

でも定着する子がすべてではないので、まだ手探りは続いています。

投稿: 前川英樹 | 2011年12月29日 (木) 07時09分

前川先生、ありがとうございます。いつもいつも朝起きて澄んだ青空を見たら、サン・ノゼの青空を思い出しています。
 漢字指導について、インプットとアウトプットの視点から考えたら決着がつくのではないかと思っています。三育は特別に漢字指導には力を入れているので、ぜひこの観点から検討してください。
 この前、前木さんのフェイスブックで、三育学院の先生たちの写真が出てきてとてもなつかしく、うれしかったです。

投稿: 野中信行 | 2011年12月29日 (木) 10時28分

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