「現代型うつ」って知っていましたか?
NHKの「クローズアップ現代」の今日(11/22)のテーマは、「現代型うつ」についてであった。このような鬱病が急速に広まっていることを番組は警告していた。
20代、30代に広がっている。
医療機関にかかる鬱病の中で、「4:6」の割合で、6割が「現代型うつ」ということ。 この10年、医療機関での調査では「やや増加」「かなり増加」を合わせれば、90%になる。
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この「現代型うつ」の特徴は、「他人のせいにする」(自分は悪くない)にすること。相手が悪い、会社が悪いと自分以外に責任があることを告発することらしい。
そして、職場を離れるとケロッとして旅行に行ったり、同僚と飲みにいったりするすることができるところも特徴になる。
今までの「うつ」が、自分を責める、閉じこもるという特徴を持っていたことからすると、確かに新しい鬱病である。
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あるIT企業のAさんの例が出されていた。
入社2年目。電車の中で会社の書類が入った鞄を置き忘れる。上司から呼ばれ、「これから注意するように」と注意される。それからAさんはその叱責を理由に鬱病になり、休職となる。
さほど厳しい注意ではなく、いつもの注意だったということらしい。
上司が寮へ様子伺いに行くと不在で、聞くと同僚とたびたび酒を飲みに行っているということ。典型的な「現代型うつ」である。そのIT企業は、それから4人の若手が「現代型うつ」で休職するという事態を迎え、本格的な対応を考えているという。
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コメンテーターは、20代、30代の若者は子供の頃他人から厳しく叱られた経験がないまま大人になり、さほどたいしたことがない叱責に自分が傷つくことを恐れ、相手の非をなじって「うつ」になっていくと指摘していた。
「子供のままの感性」でまだ十分に大人になりきっていないという指摘である。
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私は「ついに来たよ」という感想だった。
私は37年間教育現場で子供たちを見続けてきた。
子供たちの変わり目も、自分の目で見続けてきた。
親たちの子育ての変わり目も、十分に見てきた。
こうなるのは仕方ないなと思ってしまう。(醒めた言い方で申し訳ないが…)
要するに、「現代型うつ」になる若者たちは、まだまだ社会人としての「大人の感性」を持っていない。だから、上司からの叱責に弱く、その問題を自分の問題として考えられないで、すぐ「相手が悪い」と思い詰め「うつ」になっていく。
私たちからは「なに甘えてるんだ!」となるところだが、現場はそうは言っておられない。実際に休んでしまうのだから。
学校現場も、これからこういう問題を抱え込む。
いやもう抱え込んでいるのであろう。
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