明日、愛知の尾張一宮に行く!
明日、愛知の尾張一宮へ行く。
一宮市教職員組合からのお招きである。
300人の先生方が来られる。「第2回教育フォーラム2011」
夕方の6:00から80分の講演である。
この一宮市は、新しく入ってくる初任の先生たち全員に、私の本をプレゼントされている。
そこに所属する親しい知り合いの先生からそのことを知った。
3年ぐらい前かららしい。
その関係からなのか、初めて教職員組合からお招きをいただいた。
テーマは、「学級経営を成功させるポイント」。
私が得意とする分野になる。
この一宮市も若い先生たちが多くなり、毎年100名以上の新採用があるということ。
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11月8日の朝日新聞夕刊は「辞める新人教員増加」という見出しで「重い負担、人間関係……10年で8.7倍」の内容を掲載していた。
先日のブログで書いたことである。
10年度に公立の小中学校・高校・特別支援学校などで勤め始めた教員は2万5743人。このうち288人が1年以内に依願退職。(1.1%)
2000年度の依願退職者は、新人教員1万5171人の内33人(0.3%)。
この10年で8.7倍に膨れあがっている。
採用人数は、1.7倍の増加だから確かに多すぎる。
都道府県別に見ると、東京都が84人、次いで大阪府20人、愛知県18人、埼玉県15人になっている。東京都が全体の3割を占めている。
これは何だろうか。
都教委は、新人教員を支えるために退職教員を再雇用する取り組みを昨年度から始めたらしい。
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私も3年間初任者指導の仕事をしてきた。
私は1週間に一度そのクラスを訪れ、朝から終わりの会までいて、放課後その初任の先生に助言をするということになっていた。
1年目、2年目の初任者指導の時には、最初に教室に入って指導するという日が始業式から3日が過ぎていて、もはやさまざまな係や当番が動き出しているときであった。
これではだめだということで、3年目のときには、始業式の前に特別に学校へ出かけて始業式前に準備しておくことを一緒に作り上げた。
そうなのだ。
始業式前に必ず準備しておかなくてはならないことがあるのである。
そんなことは初任者は知らない。
誰も教えていないし、同じ学年の先生もよほど面倒見のよい学年主任しか教えない。
突然突入するしかないわけだ。
準備しておくこととは、教室づくり(机の配置、机・ロッカー・廊下フックの名前付け)、朝の会・終わりの会のプログラム、日直システム、当番全員システム、給食当番システム、清掃当番システムづくりなど。
これが4月4日までに終わっていなくてはならない。
5日(横浜はこの日になる)の始業式を終えてからでは遅い。
この学級づくりは、初任者、ベテランもまったく関係なく、同じようになされなければいけない。
初任者だからといって、遅くなってもよいと言うわけにはいかない。
★
ある初任者指導の先生は、このような学級づくりはまったく指導をしないで、始業式の日から「授業だ、授業だ」ということで指導案を作らせるような指導をした。
考えてみてほしい。
3日間は、普通授業どころではない。
さまざまな準備に追われるはずだ。
それを指導案作り追い込むのである。
初任者がどのような状況になったか、大変だっただろうと思う。
このようなとんちんかんな指導をする。
その結果、指導している初任のクラスがことごとく崩壊状態になった。
今も大変である。
初任者指導担当教諭は、自分の頃の経験から授業を指導すればなんとかなると勘違いをしている。(自分が初任の頃はそれで良かったのである)
もはやそれでは通じないことを分かっていない。
★
全国の初任者指導の状況はさまざまである。
ほとんどが学校の誰かの教員が初任者指導の担当になり、担任をする傍らに初任者指導をすることが多いのではないだろうか。
教育委員会も、きちんとした指導の手本が整備してあるわけでもない。(一応の文書はある)
だから、初任者は荒野に解き放たれたひつじのようなものだ。
その学校が初任者を育てる連係プレーができていればいい。
その連係プレーがなければ最悪になる。
とにかく初任者は大学でほとんど何も学んできていないのであるから。
★
どのように初任者を育てていかなくてはならないかの「初任者指導のシステム」はほとんどないに等しい。
あってもほとんど参考にならない。
このことに危機感を感じている教育委員会や一部の大学の先生はいるが、まだあまりにも少数である。
それに加えて教師になっていく学生たちも、この状況を把握していない。
私は昨年度ある教育委員会で初任の先生たちに「初任のクラスは7,8割が荒れていくという状況になっていますが知っていましたか」と問うた。
180名近くの中で知っていた初任者は4,5名。
あとは知らないのである。びっくりした。
これだけさまざまな場所で学級崩壊などの情報が乱れ飛んでいるはずであるが、知らないのである。
知らないですぐに学級担任をして、何も知らないままに隣の先生に聞いて進めていく学級づくりをしていて、うまくいくはずはない。そんなに甘くはないのである。
初任の医者が盲腸の手術で、腹を切り開いてからその後どうするか分からず隣のベテランの先生に「このあとどうしたらいいのでしょうか?」と聞きに行くなどということがあったら誰でもがとんでもないと言うであろう。
しかし、学校現場ではそんなことは初任者の場合日常茶飯事に行われている。
これをおかしいと思わないと、先に進まないのである。
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研究会の同志である秦安彦先生が、来年の3月には明治図書から刊行されるであろう
一書が進行中である。私が編集をする予定。
明治図書の「新卒教師時代を生き抜くシリーズ」として出されるであろう。
「初めて教壇に立つ先生のための仕事術」~初任者は2Wを問え!~(仮名)になる。私が今まで提起してきたことをさらに具体的に展開されようとしている。
ほんとうなら子供たちとの関係の中で具体的に実際的に身につけていくことがベストであるが、ないものねだりをしてもはじまらない。
私たちができることを一つずつ進めていくだけである。
ぜひとも期待してほしい一書になるはずである。
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