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「武器」を新しく先生になる人たちに手渡したい

   岡山の青山先生のブログを見ていたら、新規採用の教職員「依願退職」について引用されていた。
 斎藤剛史さんという方が書かれてものである。
 一部引用したい。

 △ △ △   引用始め
 公立学校の教員は新規採用後、担任などをしながら、指導教員の下で1年間の初任者研修を受けます。このため、採用後1年間は条件附採用期間(企業・一般公務員は6カ月間)となり、1年間の勤務成績などによる評価を経て、正規採用となる仕組みになっています。条件附採用期間後に正式採用とならなかった教員の数は、2002(平成14)年度採用が102人、03(同15)年度採用が111人、04(同16)年度採用が191人、05(同17)年度採用が209人、06(同18)年度が295人と、次第に増えています。

2006(平成18)年度採用者のうち正式採用とならなかった295人の内訳を見ると、成績不良による不採用が4人、死亡5人、分限免職1人、懲戒免職が4人で、残る281人は「依願退職」です。しかも、依願退職281人のうち84人が、「病気」を理由に退職しています。
依願退職者とそのうちの病気退職者の推移は、2002(平成14)年度94人(うち病気15人)、03(同15)年度107人(同10人)、04(同16)年度172人(同61人)、05(同17)年度198人(同65人)、06(同18)年度281人(同84人)となっています。病気退職者については、その多くが「精神性疾患」が原因ではないかと指摘する教育関係者もいます。
△ △ △   引用終わり

 私の親しい知り合いが初任者指導をしている。
 担当の初任者(男性)が、5月頃から休むようになり校長に尋ねると、腸の病気であるという答え。
 クラスも大変になっていたらしい。
 やはり、1ヶ月以上休み、9月には退職していったと聞いた。
 多分、クラスが思うようにいかなくなり、精神的に参ってしまっての結果だと予想できた。
 だから病気退職のほとんどが「精神性疾患」というのは、確かなことであろう。
 また、2006年度の不採用のうち死亡5人というのも気になる。
 自殺ではないかと疑われる。
 ★
 「崩壊クラス立て直し記」「授業のまとめ」を希望する方々の多さには驚いた。
 2年前にも一度呼びかけたものなのだ。
 希望する先生たちのメールを読んでいると、やはり「学級崩壊」は確実に広がっていると思われた。
 都市圏だけでなく、地方にも広がっている。
 この事態は如何ともしがたい。
 90年代からの小学校教育の最大の課題は、「学級崩壊」へどう対処するかということだと、私は思ってきた。
 真正面からこの事態にぶつからなければ、いずれにっちもさっちもいかなくなると判断できた。
 私は2003年12月に初めて「困難な現場を生き抜く教師の仕事術」(学事出版)を出した。
 こんなものが本になるのだろうかと恐る恐る出した一冊だった。
 この事態が広がっていく様子を指をくわえて見つめていくことはできなかったからである。
 あれから8年。
 事態はどうなったか。
 悪い方向へ予想通りになっていった。
 文科省も、教育委員会も、学校も、真正面からこの事態にぶつかることはなかった。
 そんなことより、総合をどうするか、英語教育をどうするか、子供たちの生きる力をどうするか……に忙しかったからである。
 ★
 しかし、この8年間の間に私たちは確実に「学級崩壊」への対処の仕方、手立てを自分たちのものにしてきたのである。
 私たちが提起するものを十分に把握し、実践してきた先生たちは、確かに落ち着いたクラスを作り上げ、成果をあげておられる。
 そんな先生たちがメールで何人も報告しておられる。
 うまくいかなかった先生たちも、何度も挑戦しておられる。
 うれしいことだ。
 ★
 何度も書いたことだが、学校で行われているクラスの荒れに対するほとんどの方策は、次の3つになる。
     
 

 ①クラスを荒らしている2,3人の子供への集中的な指導
 ②とにかく授業を確かなものにする取り組み
 ③担任交代

  ①②の方策ではほとんど効果がないことは明らかになっている。
 ③は効果がある。
 学級崩壊のほとんどの原因が、担任と子供たちとの関係づくりの失敗・破綻なのだ。
 そのために担任交代で「関係づくり」を変えていくことの効果は大きいのである。
  担任交代ができる学校はいい。
 でも、そういう余裕はほとんどの学校は持っていない。
 それが現状だ。
 だから、先生たちは鬱病で休職するか、退職に追い込まれる。
 それにしても、担任交代しか効果的な手立てがないという学校の現状は何とも情けない。つくづくそのように思う。
 ★
 私は、これから来年度の2月、3月、4月に初任者指導講座などを設けて、学級の荒れに対する手立てを伝えていきたい。
 私たちが確実に手にしてきた「武器」を新しく先生になる人たちに手渡したい、そのように願っているのである。
 

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コメント

 野中さん、こんにちは。
 山口県の中村健一です。

 新採1年目の若手が多く辞めて行く事実に、本当に胸が痛みます。

 採用試験に受かって、彼、彼女たちはどんなに希望に満ちあふれていたことでしょう。
 それが、わずか1年未満の間に挫折、そして、辞職です。
 下手をすると自殺ですからね。希望に満ちあふれた若者たちが早急に自殺に追い込まれる状況は、やはり、おかしすぎます。そして、せつなすぎます。

 2月4日(土)は、広島でよろしくお願いします。
 若手に「武器」を渡してやってください。
 
 若手には、野中さんが必要です。
 どうぞよろしくお願いいたします。

                                     中村 健一

投稿: 中村ケニチ | 2011年11月 2日 (水) 20時31分

中村先生、野中です。コメントありがとうございます。
 学級作りの本が好調ですね。
 うれしいことです。
 2月4日は楽しみにしております。

投稿: 野中信行 | 2011年11月 5日 (土) 10時08分

 今日、うれしい話をききました。
 学級経営に悩んでいる若手の講師から、私が手渡した本でかなり学級がうまくいくようになってきたと聞きました。(大規模校で学年が違うので、子どもの詳しい状態がわかりませんが)
 その本は、野中先生の2冊の赤と青の本です。初任者向けの本です。
 
 これからも悩める“若き”先生を助け、成長の一助にしたいと思います。
 いつもありがとうございます。
 

投稿: 小牧市のTOSS教師より | 2011年11月 7日 (月) 23時58分

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