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学級崩壊の原因~西川純先生の記事を読んで~

 西川純先生(上越教育大学教授)が「日本教育新聞」に「学級崩壊の原因」(H23.6.6)という記事を書いておられる。
 大阪のN市の校長会でこの記事が出されて、M小学校の校長先生は、今日の朝の打合会で先生たちにも紹介したところだと言われて、私にその記事を見せられた。
 「西川先生が書かれているものだ!」
と思いつつ、読んでみた。
 重要な指摘がなされている。
  
 △ △ △   引用はじめ
 学級崩壊したクラスを見れば、傍若無人な行動をしている子どもに目がいき、その子が崩壊の原因のように見えます。
 が、違います。本当の原因は、崩壊しているクラスにおいても、そこそこ真面目にやっている「良い子」なのです。一番手のかかる子は、おそらく崩壊前から授業に集中できなかったし、逸脱行動をしていました。でも、そのころは周りの子は教師に従っていました。だから崩壊ではありません。そして、他の子がそこそこやっているので、手のかかる子も暴走しません。
 △ △ △ 引用終わり
  
  ★
  私は「クラスには2:6:2の法則(真面目な2割:中間派の6割:やんちゃな2割)がある」と言っている。
 やんちゃな2割の中の2,3人にクラスを引っかき回されている。
 でも、それで学級崩壊は起きない。
 中間派の6割がやんちゃな2割にくっついて教師の指示に従わない8割が形成されたとき学級崩壊は引き起こされていくと言っている。
 ★
 だから、大切でキーポイントになるのは「6割」の子供である。
 西川先生は、「そこそこ真面目にやっている『良い子』」と言われている。
 この子供たちが決め手になる。
 この視点を持っているかどうかで局面が大きく違ってくる。
 ★
 だが、教育委員会関係、学校の現場は、まだこの視点をほとんど持っていない。
 学級が荒れていったり、崩壊していったりするのは、2つのことだと思っている。

  ①2,3人のやんちゃが起こしている。
  ②担任の授業への取り組みのまずさがそれを招いている。

 だから、学級が荒れてくると、①への対策を担任も、周りの教師も、管理職もさかんに行っている。
 管理職は原因は②だと思い担任に「教材研究をもっと必死にやりなさい。授業だ、授業だ」と叫んでいる。
 この構図がどこの学校にも広がっている。
 そして、さして効果があがらない。
 自分たちがまちがった手立てを打っているとは気づいていないのだ。
 西川先生は書いている。
  ★
  △ △ △   引用始め
 普通の子たちが教師の指導に反する行動をするのは勇気のいることです。では、その子たちはなぜ、教師に反抗できるのか?
 それは、そのクラスのオピニオンリーダーたる、そのクラスの「良い子」たちが教師を見捨てるから、安心して教師の指導に反する行動をするのです。そして、その原因は、そのレベルの子が教師を見捨てるような行動を教師がするからです。
 学級崩壊の本体は「良い子」の崩壊で、傍若無人な行動をしている子どもではありません。しかし、多くの教師は後者の子を何とかしようとするから効果がないのです。それは本体ではなく、影です。本体の方を何とかしなくてはなりません。
 △ △ △ 引用終わり
 ★
 私が見てきた崩壊クラスでは、真面目派の2割は最後まで席について一応先生に従って学習をしようとしていた。しかし、その2割も担任を支持しているかというと、もはやその段階は越えている。ただ、親の圧力などで席にだけは座っているに過ぎない。
 その段階では中間派の6割はもうすでに羽目を外してやんちゃといっしょに担任の指示には従わない。
 西川先生は、問題の担任の行動を次のように指摘している。

 △ △ △ 引用始め
 多くの教師には意外だと思いますが、学級崩壊を立て直すのは、実はそれほど難しくありません。というのは崩壊の原因である「良い子」は学級崩壊が自分に不利であることを十分理解しています。そして、普通の子どももそれを理解しています。だから、ちゃんと謝って「良い子」から見捨てられるような行動をやめればいいだけのことです。
 では、見捨てられる行動とは何か?それは方針が定まらず、その場その場でぶれた指示を乱発するからです。
 「良い子」は、教師の言ったことに従った行動をして、周りの子どもにもそれを促します。ところが、次に教師は前の指示と逆な指示をします。「良い子」は「えっ?」と思いつつも、それに従った行動をして、周りの子どもにもそれを促します。ところが、次に教師は…。それが続けば、「もうやってられない」と思うのは当然だと思います。
 △ △ △ 引用終わり
 ★
 実に的確な指摘をされている。
 私は、いま学級が荒れないためには、最初の1ヶ月で教室の「空気」と「時間」を統率する必要があると主張している。
 「空気」の統率を1つだけ絞るとすると、「教師の指示に従うこと」になる。
 クラスが教師の指示に従って即座に動いていく状態を1ヶ月の間に作り上げること。
 これが第一の課題になる。
 そのためには、西川先生も書かれているように、指示が一貫していなければいけない。 だから、「時間」の統率なのだ。
 朝から帰りまでスムーズに流れていく学級の「時間」を設定していかなくてはならない。
 

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

池田です。学級の分析って大事だなあと改めて思います。そしてそれをもとにした指導の方針設計も。

投稿: 池田修 | 2011年10月24日 (月) 09時01分

池田先生、コメントありがとうございます。
 瀧本さんの本を読みましたよ。
 その感想をブログに書きました。
 このしたたかさが、これから教育界にも必要だとしみじみ感じました。

投稿: 野中信行 | 2011年10月25日 (火) 13時11分

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