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池田先生の学級担任論に触発されて

    京都橘大学の池田修先生が、ブログに学級担任論の授業を書いておられる。
 全文引用させてほしい。

 △ △ △
 今日の学級担任論では、春休みにする教員の仕事の説明から入る。小学校六年生を担当した先生が、四月から新五年生を担当するとして、春休みにどんな仕事をしているのかを考えさせて、解説する。

春休みは、ご案内の通り教員にとって一年間で一番忙しい時間である。今まで担当していた学年のまとめがあり、次に担当する学年の準備がある。これを一週間でしなければならない。

自分のクラスだけならまあまだいいが、学年のこと、学校のことをやっていくわけで、相当大変になる。今までの纏めは、ここをやっていかないと次の学年でクラスを分けるときに困る。また、一年間の方針を立てるということをやっていかなければ、四月からがスタートしない。

学生たちは、私が配った資料に愕然とする。
毎年、学級担任論で見られる光景である。

私の時代には、一年目の先生が学年主任なんて考えられない。
ところが、単級の学校だとこれがあるわけだ。
さらに、二年目から体育主任とかもあって、運動会の実施計画などを書かなければならない立場になることも、今はある。

目隠しをされて、走らされるのだ。
何をして良いのか分からない、どっちに向かって走っていいか分からないのに、走らされるのだ。一年目は、100走を目隠しをされて、毎日全力疾走させられている感覚だろう。

授業ができていないから子どもたちが荒れる。
確かにそれはあるだろう。
しかし、学級は生活集団と学習集団から成り立っている。もう少し言えば、生活集団の上に学習集団があるわけだ。

この生活集団を成立させなければ、学習集団は成立しない。
嘗ては、
「先生の言うことを良く聞いて、賢くなってきなさい」
と送り出してくれる親御さんに支えられて学校はあった。
しかし、いまはそんな家は少ないだろう。先生が、自ら先生の「偉さ」を証明し、子どもを児童の位置において、自分を先生と認めさせる過程が必要になってきている。

野中信行先生もよくおっしゃるが、実は授業はそんなに簡単にうまくはならない。勿論、最初からうまい先生もいるが、実際はなかなかうまくならない。3年、5年、10年と修行をしてうまくなって行くことが多い。この10年もの修行が許されるのは、学級が生活集団として成立しているときである。

私は学級が崩壊して先生を退職するという先生の話は聞いたことがあるが、授業がうまく行かなくて退職するという先生の話はあまりきかない。授業がうまく行かなというのは、実は学級が崩壊していることが多い。

学級をどう作って行くか。校務分掌をどう進めて行くか。その二つが、四月に一年目の先生の両肩にドシンとのしかかる。学級担任論ではそのことから授業をスタートしている。
 △ △ △   
 
 夏に郷里で甥に会った。
 ある大学で教師の免許を取っている。3年生。
 いずれ小学校の教師になろうというのであろう。
 これから何を身につけなくてなくてはならないか、30分ほど話した。
 それは、教室の「空気」と「時間」のこと。
 「時間」は、本を読み、知識として蓄えれば何とかなる。
 しかし、「空気」は知識ではだめだ。
 いまから意識して子供たちに負けないで教室の「空気」をリードできるようなスタンスを身につけなくてはならないと、そんな話をした。
 ★
 池田先生は、大学で学生たちにこのようなことを伝える講座を持っておられる。
 私が大学に望むことはこのことだ。
 私は、この夏学級が崩壊している、あるいは学級が荒れている初任の先生たちに出会った。何人も。
 どの初任の先生も、真面目で必死だった。
 いい加減に教師生活をおくっているわけではない。
 私と話していると、すぐ涙が出てきた。
 教室の「空気」をやんちゃたちに支配されてしまっている。
 それでも、なんとかこの先生たちが1年目を凌いでほしいとひたすら願った。
 日本全国には、このような先生たちがごまんといるのであろう。
 身がすくむような思いになった。
 ★
 1年目の先生たちのクラスが少し荒れていくことは仕方がない。
 だが、何とか若さとエネルギーで凌いでいく。
 そこに「覚悟」と「知識」を持たせていくことは今もっとも大切なことである。
 今までの私たちが想定している方法では全く通じない。
 それをこの夏したたかに感じさせられた。
 私に、何ができるか必死で考え続けている。
  

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