二学期制と五日制の検討
Y市では、学校での二学期制や五日制についての再検討を始めるらしい。
二学期制とは、前期、後期のこと。
五日制とは、土日の休みのことだ。
それを隔週に改めていきたいということらしい。
★
二学期制は、私が勤めているときに実施されたもの。
ほとんど反対ができないように強引に導入された。
もちろん教育委員会サイドの強い要望である。
その意図は、授業時間の確保であった。
「学びの連続性」などという言葉がまことしやかに強調された。
ところが、実際に実施してみると、時間の確保など夏休みを1,2日少なくしていけばすむ程度のことでしかなかった。
こんなことなど事前に計算してみれば済むことだったのだ。
学制発布実施以来ずっと続けてきた3学期制を止めて、結局この程度の結果に終わったこと、まったくもって恥ずかしいことではないか。
再検討するという。
そのためには、なぜ始めたのか、その意図が結局達せられなかったのは何故か、もとの3学期制に戻す意味は何か…などの総括をきちんと行うことである。
それを委員会は、きちんと示すのか。
多分しないだろう。
またうやむやにして、3学期に戻すのではないだろうか。
要するにトップの思いつき程度の発想にしか過ぎなかったことになる。
★
五日制を隔週にするという動きは、すでに東京で起こっている。
要するに学力を向上させるために、授業時間を増やすという動きである。
これもあまりにも短絡的な考え。
世界で学力が高い国々の共通の特徴は、授業時間が少ないことである。
このこととまったく逆行する。
世界は、授業時間の「量」ではなく、「質」を問題にしている。
なぜ、日本だけは「量」を問題にするのであろうか。
そこをまったく答えない。
「授業時間を増やす→子供の学力が向上する」という簡単な図式しかない。
現場で37年間授業をしてきて、6時間目というのがあまりにもつらい時間であることを実感した。
教師も疲れているが、子供たちも疲れている。
夏の暑い日なんか、我慢大会をやっているようなものだ。
この時間は、決して意味がある時間だとは思えなかった。
「質的転換」をどのように図るかを考えることが大切なのだ。
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