教師が指示したことにはきちんと従わせること
石巻の佐々木先生から、再びブログへのコメントが付いた。
野中先生がおっしゃっていることが、もっと基本的なことであることが分かりました。私なりにまとめてみると、つまり、それぞれのキャラクターのやり方の共通している部分、原理・原則をまとめていこうということでしょうか。一見違っているようだけれど、共通している部分。表現はいろいろだけれど、野中先生の言うところの「縦糸・横糸」に集約されるようなそれ。
確かに、私も皆さんの実践を読んで、聴いて、「あ、根っこは同じだな。」と感じたことが多くあります。そこを整理する、ということでしょうか。
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私の言わんとすることを適切にまとめていただいている。
「学級づくり」にどうしても必要なものとは何か。
「原教育実践」とか「原教育技術」という言葉を使っている。
佐々木先生も言うように「原理・原則」と言えば済むものをこのような言い方をしている。
でも、そこにこだわっているのは、今までの実践家たちが提起してきた「学級経営論」の共通している部分に注目していたからであろう。
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最近は、まず学級を成立させていくことを、次のように言い切っている。
学級の「空気」と「時間」を統率すること
1ヶ月の仕事になる。
これを統率できれば、1年間の見通しができる。
とくに、「空気」がむずかしい。
学級の「空気」をやんちゃたちにリードされるようになるか、担任がリードするようになるか、決定的な決め手になる。
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「空気」をリードしていくには、どうしたらいいか。
中堅やベテランの教師たちは、「厳しく」することで担任の姿勢を見せる。
昔は、これだけで良かった。
でも、現在は「厳しく」するだけでは成り立たない。
ベテランの教師たちの学級崩壊が数多くなっているのは、ただ「厳しく」していることからの結果である。
これでは通じなくなっている。
私は、「関係づくり」が必要だと考える。
橫藤先生が提唱された「縦糸・横糸」の織物モデルに引きつけられたのは、この「空気」への統率のため。
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「空気」をリードしていくための1つのシンプルな条件は、とりあえず次のこと。
教師が指示したことにはきちんと従わせること。
これは「厳しさ」に通じる。
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でも、教師が指示したことに従いたいという気持ちにさせるための教師の条件とは何だろうか。
これは簡単ではない。
教師に従いたいという魅力や権威や雰囲気がなければいけない。
これはどうして作っていくのだろうか。
私は、これが大学での大きな課題の1つだと思っている。
このことを親しい知り合いと考えたことがある。
知り合いは、役者としての「演技力」だと言った。
偽善だと思われてしまうかもしれないが、それぞれの教室の場面で演技していく役者としての能力が必要だと言った。
なるほど、なるほど。
まだ他にもありそうだが、これは大きな条件の1つになる。
この「演技力」を駆使して、教室の「空気」をリードする。
子供を笑わせ、時には強く叱り、そしてフォローする。
中村健一先生の「安心感のある学級づくり」(黎明書房)は、その実践が満載だ。
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教員養成の大学は、このようなことをほとんど意識していない。
大学では、教室の「空気」をリードする「演技力」をどうして身につけさせるかをもっと真剣に考えなければいけない、と思っている。
教員になろうとする人は、ただ真面目で、大学の単位を優秀な成績で習得するだけでは現実的には通用しない。
まったく通用しない。
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教室の「空気」は、子供との「関係づくり」になる。
教室の「時間」は 、教室の「仕組みづくり」になる。
この2つが1ヶ月の課題。
そして、この2つを踏まえて「集団づくり」に挑戦していく。
私が絞って絞ってまとめたことは、この3つ。
「学級づくり3原則」と提唱する。
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