支えたのは元気な体じゃないですか!
かつてある心理学者から次のような話を聞いたことがある。
△ △ △
「最新の心理学の到達点には、かつて日本で言われていた『健全な肉体に健全な精神が宿る』という言葉は、あり得ないのです。ただただ『健全な精神が必要だ』ということだけが到達点なのです」
△ △ △
私は、そのとき「ほう、そんなものか!」と感心したことがある。
健全な「心」、健全な「精神」が大切なんだと。
思いつくことがいっぱいあった。
オリンピック出場や甲子園野球で肉体を鍛え抜いた人間でも、いざ普通の生活をするときにはその鍛えた肉体はほとんど何の支えにもならないことを自分の目で見てきたからである。
かつて私の周辺にもそんな人たちがいた。
★
だが、「精神」や「心」を鍛えるためにはどうするのだろうか。
大相撲で大関になる琴奨菊が、躓いていたのはこのことだった。
大一番に弱かったから。
期待される重圧に耐えられなかったから。
琴奨菊は、イメージトレーニングでこの壁を越えていったようだ。
★
イチローが184安打で今シーズンを終えた。
200安打が潰えた。
今年のイチローは、どうしたのだろうか。
17年連続の打率3割も潰えた。
イチローは「今年はいろいろ出来る年だったのでね。昨年10連続やって、一応区切りのところまできたので」と答えている。
自分の中でさらなる進化を求めて挑んだ年だったらしい。
注目する言葉を今日の朝日新聞に載せている。(2011.9.30朝刊)
「苦しい時期を支えたのは」という問いかけに次のように答えている。
△ △ △
支えたのは、元気な体じゃないですか。心はポキッと折れたことがありますけど、
体がとにかく元気だったから、それに支えられた。普通は、体がしんどくなってくるから、それを心が支えるという順番が多いが、全く反対だった。折れた心を体で支えていたという特殊な現象があった。
△ △ △
「普通は、体がしんどくなってくるから、それを心が支えるという順番が多いが、全く反対だった。折れた心を体で支えていたという特殊な現象があった」
と言っている。
これは意味深な言葉だ。
心理学の到達点はともかくも、私もまたやはり元気な「体」が「心」を支えるという
ことはあるのだと、最近しみじみと思うのである。
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