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ある高学年のクラスのできごと②

 前回の続きである。
 問題がこじれてきた段階でどうするか。
 それは、5月の中旬あたりから6月へかけて訪れてくる。
 普通に取ろうとする手立ては、「問題原因駆除手立て」である。
 問題の原因を取り除こうと、それに時間をかけるのである。
 だが、それをしてはならない。
 担任は、「問題はなぜ起きたのか」と問題の原因を取り除こうとする行為をやめなければならない。
 「どこに問題があるのか」という発想をやめなくてはならない。
 「どこに問題があるのか」と探し出すと、「問題を起こしているのは誰か?」というところから順番に「悪いところ、悪いところ」へ問題追求が起こる。
 原因を追求する発想は、関係している子供たちに怒りを与える。
 怒りを含んだ「問題をなくせ」の追求は、絶対に事態を改善の方向へは導かない。
 事態が改善しないので、それを望んでいる周りの子供たちは、だんだん担任に対して冷ややかになり、反発を感じていく。
 そして、ますます事態を悪化させていく。
 ★
 それでは、原因追求ではなくて、一体何をすればいいのであろうか。
 こじれた関係になっていくと、問題を起こす子供たちにばかり注意がいく。
 子供たちに対する担任自身の働きかけには思いが至らない。
 子供たちへの<関係づくり>が壊れていっていることに思いが至らないのである。
 
 このようなことはないだろうか。
 
 ①授業の始まりで、日直が何度も「静かにして下さい」と注意をしている。
    担任もおしゃべりをしていたり、よそ見をしていたりする子供を注意する。
    何度も「始めます」という挨拶をやり直しをさせる。
    始まりが5分もかかることがしょっちゅう。
   担任は、始めと終わりはきちんとさせたいという願いがしつこい注意になる。
 ②朝の会も終わりの会も、きちんとさせたいために何度もやり直しをさせる。
    そのために朝の会は延々と続き、いつも1時間目の授業に食い込む。
    終わりの会も、ちゃんとしないために延々と延びる。30分もかかることが
    ある。
 
  担任はどこに困っているのだろうか。
 まとめてみると、次のようなことになる。
 A 担任の指示に従わない。
 B 担任に反発する。
 C クラスで決まっているはずのルールに従わない子供がいる。
 D 授業中、それぞれの子供が勝手におしゃべりをしたり、手いたずらをしたり、
   よそ見をしゅっちゅうしてその注意に追われる。
 
 A、Bは、担任との関係づくりでの失敗である。C、Dは、クラスのルールづくりの失敗である。
  ★
 とりあえずどうしていくのか。
 方向は2つある。
 1つは、すぐにでも止めること2つ。
 もう1つは、新たに取り組むこと3つ。
 ★
 すぐにでも止めることがある。
 1つは、先に述べたこと。問題原因を追求することを止めることである。
 これは火事で燃えさかっているときに、「火元は何だ、何だ!」と原因を追求することに似ている。
 冷静に考えてみれば虚しく、おかしなことである。
 2つ目は、スピードのない行為を止めることである。
 たとえば次のようなことである。
 ①朝の会、終わりの会で5分が原則(せいぜい7,8分まで)
    それで終わらないのは、プログラムがおかしい。
  ②時間を守る。一日を学校で決められた時間できちんと進んで行く。
  特に、休み時間を奪うような授業は絶対止める。
 ③授業の最初は、どんなにうるさくてもすぐ始める。
  日直には、2度以上「静かにして下さい」など言わせないで、「始めなさい」と指示をする。
  ★
 新たに取り組むことが3つある。
 1つは、発想の転換である。
 原因追求を止めて、「問題がない子供たち」「問題がない行為」「問題がない場面」に注目していくことである。
 私が昨年担当した2年生担当の先生は、これをやってみごとにクラスを大転換させた。
(この実践については、「新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則」(明治図書)に個人目標達成法として実践を載せている)
 2つ目は、仕切り直しをすることである。
 クラスの子供たち全員にアンケートを取る。
 そして、一人一人にそのアンケートのもとに面接をする。
 子供たちの意見を求める。
 特に、先生に願いたいこと、クラスでやめてほしいことなどをきちんと聞く。
 それを踏まえて、全体の中で、これから担任として止めること、そしてクラスのみんなにも守ってほしいことを提起して話し合う。
 3つ目は、楽しいイベントの計画である。
 クラスで守ってほしいことをクラス目標にして(これは前著の「目標達成法」を参考にしてほしい)目標を3つ達成できたら「お楽しみ会を開こう」などと計画したらいい。 子供たちと計画してどんどん楽しみな計画を作りだしていくことである。
 もはや行事と授業だけで学級経営をしていくことは無理である。
 学期の最後に「お楽しみ会を開く」などのイベント活動では、もはや学級を活性化することなどできない。
 日頃から学級の活動の中にイベント活動を位置づけていくことは大切なことなのだ。
 ★
 クラスが荒れていっている先生への取り組みの方向を示した。

 粗い方向だが、意図していることはわかってもらえると思う。

 
 

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