城南信用金庫の「脱原発宣言」
最近、ずっと心に残ったことに「城南信用金庫」の理事長の言葉があった。
これは何だと思われるかもしれない。
城南信用金庫は、私の町内にもあって、私も退職を機会に口座を開設した一人。
いわゆる顧客様なのだ。
何度かこの支店を訪れたことがあるが、顧客様にとても温かいもてなしをする。
訪れると、さっと新茶のもてなしを受けたことがある。
関東を中心にしている信用金庫である。
ここがちょっとおもしろい試みをした。
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4/28「論壇時評」(朝日新聞)で作家の高橋源一郎もまた、この城南信用金庫のことを扱っていて印象に残った。
おもしろいのでちょっと引用しておこう。
この1ヵ月、わたしが目が醒める思い読んだのは、「論壇」以外のことばだ。それは、たとえば、城南信用金庫の「脱原発宣言」であり、ユーチューブ上で公開された、理事長のメッセージだった。
( http://www.youtube.com/watch?v=CeUoVA1Cn-A )
そこで目指されているのは、すっかり政治問題と化してしまった「原発」を、「ふつうの」人びとの手に取りもどすことだ。「安心できる地域社会」を作るために、「理想があり哲学がある企業」として、「できることなら、地道にやっていく」という、彼らことばに、難しいところは一つもないし、目新しいことが語られているわけでもない。わたしは、「国策に歪められたものだった」という理事長の一言に、このメッセージの真骨頂があると感じた。「原発」のような「政治」的問題は、遠くで、誰かが決定するもの。わたしたち自身が責任を持って関与するしかない、という発言を一企業が、その「身の丈」を超えずに、してみせること。そこに、わたしは「新しい公共性」への道を見たいと思った。
壊滅した町並みだけではなく、人びとを繋ぐ「ことば」もまた「復興」されなければならないのである。
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私も、この理事長のメッセージを何度も聞いた。
目新しいことは何も語っていない。
驚くべき言葉も何もない。
普通に、新規報告をするような調子でとつとつと語っている。
しかし、何だろう…。
ちょっと感激したのである。
地方の一信用金庫が行う業務とはまったく違った「ことば」がそこにあった。
越境した「ことば」とでも言った方がいい。
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4/29の朝日新聞では、一面に「『脱原発』への金利優遇」として次の記事が載っている。
原子力発電所事故を受けて「脱原発」を訴えている信用金庫2位の城南信用金庫(東京都品川区)は28日、脱原発のための預金や融資を5月2日から始めると発表した。太陽光発電などを導入すれば定期預金の利息を年1.0%に引き上げ、導入のためのローンも1年間を無利子にする。
…………………
城南信金の吉原毅理事長は原発事故後、「脱原発」を掲げ、自社の電力消費を3年以内に3割減らす節電策を打ち出した。「危険」が高い原発に依存しなくて済むような地域社会作りに貢献したい」としている。
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