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「教えること」から始まる!

   初任のクラスの4年生が、「10歳を祝う会」を行う。
 体育館で、さまざまな演し物。
 そこで、体育館に全員の子供たちの自画像を飾りたいという提案で、私に自画像の指導をしてもらえないかという。
 それぞれの組で、2時間の指導。
 酒井式の「触って描く自分の顔」の指導である。
 今回は、彩色をしないでコンテで描くだけの自画像。
 ★
 私が担任をして図工を指導をしていたときは、まず学期の始めにこの絵を描かせていくことから始めたものである。
 2月16日、17日の両日で、2クラスの指導。
 酒井式の描画法は、概念くだきを重視している。
 概念砕きの基本は、まず新鮮で、魅力的な課題を与えることが始まりである。
 だが、それだけでは不足する。
 子供が今持ち合わせている方法だけでは、どうしても解決できない課題をぶつけてやるのである。
 指導は、鼻→口→目→耳→顔の輪郭→髪の毛という順番。
 触りながら一つ一つ描いていく。
 子供たちは、描いていくうちに驚くのである。
 初めてこんな顔を描いているのである。
 興奮してきて、互いに見合い笑い合う。
 できあがった作品は、ほとんど変わりなく、「うまい」とか「へた」がなくなっている。
 ★
 担任が「この作品は、10歳を祝う会で体育館に飾ります」と言うと、
「え~~~~~~~~~~~~~~~」という大ブーイング。
 親たちがかけつけてくるのである。
 子供たちが私の方を振り向いて「野中先生もそれを知っていたの?」と聞く。
「そうだよ。素晴らしい作品だ!」
 描き上げた作品は、思いもよらない、想像を絶する顔なのである。
 ★
 子供たちは、漫画絵のお人形さんの顔しか描いたことがない。
 この概念をこわすというのは、大変なこと。
 徹底して「教えること」をしなければ概念はこわれない。
 「一人一人の思いを大切にして、自由にのびのびと描かせましょう」
 と口当たりのいい指導をしていると、結局漫画絵しか描かない。
 図工教育は、結局こうして子供が学校帰りに捨てて帰るような作品を作ってきたのではないか。  
 それは、「教えること」を避けてきたからである。
 教えないで、支援、支援と合唱してきた結果である。
「教えること」から始まるという当たり前の指導が、見直されてきているのは当然のことだ。
 

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コメント

 奈良県で小学校教員をしています。いつも野中先生のブログを楽しみにしています。
 わたしが持っている「子どもが伸びる102の授業術」多湖輝編著12ページに「人の顔はまず鼻からかかせれば絵が大きくひろがっていく」という見出しで、なぜそうすればよいのかが説明がされています。1984年に発行された本です。この本に書かれていることは、現在の教育現場でも十分に、いいえそれ以上の価値あることが書かれています。持っていてよかったと思える本です。
 「不易と流行」ですね。
 

投稿: 木島由紀子 | 2011年2月20日 (日) 21時37分

木島先生、コメントありがとうございます。
 多胡先生のこの本は、私も持っています。
 書いてあることはすっかり忘れています。
 もう一度探し出して読み直します。
 ありがとうございました。

投稿: 野中信行 | 2011年2月21日 (月) 18時50分

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