8月最後の講座が終わりました!
兵庫県のM市に行く。学級経営講座である。
5月に一度行っているので、二度目になる。
テーマは、「2学期の学級経営に備える」である。
M市は、9月1日の始業式なので、まずぴったりのテーマであった。
5月の時には、30名ばかりの人数が、今回は、60名と2倍に増えていた。
参加されている先生たちは、かなり中堅、ベテランが多い。
ちょっとうれしくなった。
M市は、まだまだやるじゃないか、という気持ちである。
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ベテランをちょっと意識して、学級経営全般で今とりわけ必要なのは、「スピード・テンポ・リズム」だということを何度も強調した。
現在、多くのベテランのクラスが、学級崩壊にあっている。
私は、3つが原因だと言い切っている。
1つは、縦糸の張りすぎ。
2つ目は、横糸を張ったつもり。
3つ目は、スピード・テンポ・リズムなし。
3つ目がポイントである。
もうベテランの先生たちのテンポが、子供たちのテンポに合わなくなっている。
その意識が、ベテランにはない。
私もなかなかテンポを上げるということができなかったが、意識だけはしていた。
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最後の勤務地の大池小で、初任のM先生がいた。
初任はこの学校ではほとんどが苦しんだ。
ところが、このM先生だけは、1年目は快調であった。
初めて教室に授業を見に行ったとき、まずビンと伝わってきたのは、テンポの良さであった。
そのテンポに子供たちは乗って、調子よく授業が展開されていた。
その時、「ああっ、これで大丈夫だな」と思ったものである。
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70年代までは、子供たちの行動の価値観は、「善悪」にあった。
だから、子供たちは、先生たちに合わせて行動することができた。
スピードも、テンポも、リズムもいらなかった。
子供たちが、先生に合わせてくれたからだ。
ところが、80年代の半ばごろから、子供たちの価値観は、「快・不快」に変わっていったと、私は思っている。
子供たちは、先生に合わせなくなった。
子供たちは、自分にとって「快いか」「快くないか」で行動するようになった。
それは、意識的というよりほとんど無意識的にそのように行動するようになった。
15秒のテレビコマーシャルやゲームのスピードに慣らされた彼等の体は、もはやずぶずぶにスピード感に浸されてしまっている。
「まったり」とか、「だらだら」と彼等がやっているのに、そうしている自分たちを無意識的に嫌っている。
だから教師が、スピード感を持って進めていくことは、彼等の無意識はまず快く思うはずである。
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向山洋一先生のベストセラー「授業の腕をあげる法則」の10ヵ条がある。
よく読み込むと、この10ヵ条は、1ヵ条を中心にあと9ヵ条が構成されていることに気づいていく。
結局、この本で一番向山先生が言いたいことは、「第7条 空白禁止の原則」である。
今年、10マス計算の杉渕鐵良先生が、「子ども集団を動かす魔法のワザ」を出された。
杉渕先生が、この本で一番言いたいことは、「スピード、テンポ、リズムをつけろ」ということである。
つまり、「空白禁止」と「スピード、テンポ、リズム」がきわめて大切な条件であることがよく分かる。
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こうしてこの夏、6回目の講座が終わる。
今年の夏は、講座の準備と実際の講座で、ほとんど7,8月を費やしてしまった。
この暑さの中で、よくがんばったことになる。
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