学級づくり~「群れ」を「集団」にするということ~
7日(月)は、福島の郡山市に行った。ここの教育委員会から呼ばれての講座である。私は、月曜日、休日なのである。
郡山に新幹線で着くと、そこは、広々とした街が広がっていた。
私の親しい友人で、指導主事であるW先生が車で迎えにこられていた。
2:00からの講座である。
テーマは、「学級経営を成功させるポイント」。
初任研研修講座であったが、初任者は8名だけで、あとはベテランの先生たちも多く参加されていた。
最近、学級経営、学級づくりで呼ばれることが増えた。
それだけ授業以前の学級づくりで悩む先生が、多くなっていっているのであろうと思われる。
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さまざまな学級づくりについて話をした。
「6月、7月の学級づくりは、どのようなことに注意した方がいいのか」
私は、「群れ」を「集団」にする手立てをどんどん取っていく期間であると思っている。
この手立てについては、本では、目標達成法、ちょこちょこ学級会、会社活動(係活動)などを提起している。
もう一つ、「○○はかせ~低学年方式」を提案した。
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この方式は、担当している2年生の初任者にアドバイスしたものである。
10日(木)に教室に行くと、「べんきょうはかせ」「かたづけはかせ」「きゅうしょくはかせ」「そうじはかせ」が画用紙に書かれて、貼られていた。
その画用紙の下には、子供たち全員の名簿が貼られていた。一つずつ○をつけるようになっている。もうすでに、何人も○がつけられていた。
10個○が貯まったら、それぞれの「はかせ」になっていく。(私は、10個はちょっと多すぎるので、5個でいいのではないかと助言した。どんどんはかせにならせるのがポイントであるから。)
今、困っていることを4つの「はかせ」にしたのである。
そうじのとき、私も子供たちにどんどん「○○さん、はかせ1回」と呼びかけた。
そうすると、急いで子供は、鉛筆を持って○をつけにいくのである。
一生懸命そうじをしている子供である。
2年生のその教室は、掃除の仕方がさまがわりをしていた。
全員が、夢中になってそうじをしているのだ。
結局、いつもよりずいぶん早く掃除が終わってしまった。
先生は、さぼっている子供を叱ったり、さかんに指示を出す必要がない。
自分たちでどんどん終えてしまう。
「かたづけはかせ」は、終わりの会のとき、急いで帰る準備ができることである。
今までは、おしゃべりをしたり、走り回ったり、だらだらしたり、…うまくできなかったのである。
しかし、この「はかせ方式」で、とてもすばやくできるようになった。
先生が、子供たちを叱ることは一度もない。ただ、「○○さん、すごく早いね。かたづけはかせ一回」と声をかけるだけでいい。子供たちは、その場で○をつけにいく。
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この方式の発祥は、有田和正先生の「~~のプロ」づくりである。
低学年は、その「プロ」を「はかせ」にしただけである。
このプロ方式は、4年生までしか通用しないと思われる。
高学年は、ちょっと無理がある。「そんなのになったってつまんない」という声があれば、もう意味がないからである。
2年生の初任者のクラスは、やんちゃな子が多いために叱ることが多かった。
そんなクラスは、エネルギーがある子供たちが多い。
そのエネルギーを悪い方ではなく、良い方に向けていけば、充実した学級ができあがる。それを狙った方式である。
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「群れ」から「集団」へ変わっていくというのは、次の2つの条件が必要だ。
1つは、学級でのルールがきちんと機能していて、自分たちでそのルールを守っていくことができること。
2つ目は、教師の手助けなくして、自分たちで学級の活動を進めていくことができること。
これは、低学年でもできることだ。
「給食はかせ」「朝自習はかせ」「読書はかせ」「ノートはかせ」「したじきはかせ」など、学級の目標やめあて、困っていることなどに合わせて、どんどん作っていくことができる。クラス全員の子供がどこかの「はかせ」に入るようにすることが必要である。
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そのあとの懇親会では、東北授業づくりネットワークの阿部先生もみえて、6人での会合であった。
いろいろな刺激的な話が聞けて、ずいぶんおもしろかった。
何から何まで丁寧な対応をしてもらった指導主事の先生方に感謝したい。
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