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中1ギャップの問題について

   朝日の週刊誌「AERA」から取材を受けた。
「中1ギャップ」についてである。
 このことは、数年前から登場してきた名前であろうか。
 中学1年の生徒たちが、5月の連休が明ける頃から、学校へ行くのを渋る状況が現れるという現象である。
 私は、当然出てくるであろうと思っていた。
 すでに、「中1ギャップ」(学事出版)<石川晋、石川拓、高橋正一著>という本が世に出ている。
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 私にとっては、佐世保小6殺人事件が大きな衝撃であった。
 同じグループの中の女子が加害者と被害者にわかれて、衝撃的な殺人を行った事件である。
 私は、夏休みに早速その事件があった現場に行った。
 風光明媚な土地で、自然が豊かな、落ち着いたところに学校も、加害者の自宅もあった。おそらく、学校の関係者は、驚愕の事件であったのであろう。
 私は、事件を検討しながら、その時、「もし…」という命題を2つ立てた。
 もし、保護者が、加害者の私立受験という名目で大好きだったミニバスを止めさせなかったら、あの事件は起きなかったのではなかったか。
 もし、被害者の女子たちから離れて孤立していた加害者の動向に、担任が注目し、相談相手になっていたならば、あの事件は起きなかったのではないか。
 事件は、こんなことで解決できたはずはないのかもしれないが、私は、そのように思えてならなかったのである。
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 あの事件以降、私はさらに女子グループの動向に注目し、もめごとをキャッチしたならば、こちらからどんどん話をするという方針を選んだ。
 今、高学年担任の第一の課題は、女子グループの問題であり、彼等といかに交わし合うかという姿勢を持てるかどうかである。
 私は、そのように考えてきていた。
 今、小学校高学年は、かなり深刻な状況にあり、高学年担任は、特別な仕事となってきているのである。
 ネットと携帯が、この状況をさらに増幅させていったと、私は思う。
 これもまた、かなり深刻である。
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 だから、この高学年の状況は、そのまま中学校へ持ちまれていき、新たな問題を起こしていくだろうと、当然予測できた。
 それが、中1ギャップだったのではないかと思っている。
 中学校の先生たちは、小学校の高学年が、このように深刻な状況になっていることをまだあまり分かっていない、分かろうともしていないのではないか。
 だから、従来の方法でしか対処できていないのではないか。
 小学校の担任は、ずっとクラスにいて、必然的に子供たちの動向が目に入る。
 しかし、中学校の担任は、教科担任制で、よほど意識的でなければ、子供たちの間で起こっている問題は目に入らないはずだ。
 そのシステムだけでも、問題発見に圧倒的に中学の担任は不利になる。
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 どうしたらいいか。
 今、中1ギャップについて、中学校へ馴染めない子供たちが多くなっていると分析し、馴染める処方箋をとっていこうという試みが多くある。
 もちろん、必要なことである。
 私も、6年生の時には、そのような試みをいくつかしてきた。
 しかし、以前も同じ状況にあったわけであり、急に今子供たちが中学校へ馴染めなくなっているわけはないはずである。
 そこに問題の核心があるとは思えない。
 小中連携を強めていくことしか、とりあえずの方向はないように思える。
 小学校の高学年が、前代未聞の深刻な事態になっていることを中学校の先生たちに分かってもらうことが先決である。 

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