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子どもは「もう一歩」を待っている~パート2~

   18日(火)に出勤すると、保健室登校しているAさんが、音楽専科の先生と一緒に職員室へやってきた。
 廊下で、もぞもぞとしている。
 音楽専科の先生が通訳してくれる。
「野中先生の怖い話を聞きたいということらしいです!」
隣のクラスの友人から「野中先生は○年○組に怖い話をしたんだよ」と聞いたらしい。
その怖い話を自分にもしてほしいという要望である。
「よし、よし、怖いぞ。お漏らし用のパンパースをはいているか?」
等と話しながら、会議室で「理科室骸骨事件」を話した。
 私とも打ち解けてきている。
 ★
 次の日。
 ○年○組に一日入る水曜日。
 5時間目にAさん、音楽専科の先生と一緒に教室へ来る。
 すぐ、先生は帰られる。
 Aさんは、尻込みして廊下へ出る。
 私は、追いかけていく。
 「じゃあ、廊下でなら勉強できるかな?」と聞く。
 Aさんは、頷く。
 急いで欠席している子供の机を廊下へ出す。
 だが、椅子だけは自分の机の椅子を出してくれとこだわる。
 これにヒントを得た。
 Aさんの机は、教室のちょうど真ん中にあるのだ。
 廊下で勉強しているAさんに問いかける。
「Aさん、真ん中の机が嫌なんだろう。廊下側の一番後ろの端のところなら、大丈夫かな?」
 Aさんは、頷く。やはり、そうだったのだ。
 図工室での図工、音楽室の音楽は、もうきちんと参加できているのである。
 教室だけがどうしても入れない。
 もうAさんの気持ちは、みんなと一緒に勉強したいと思っている。
 だけど、教室へ入っていくことだけがうまくできない。体が動かない。
 それはそうであろう。1年生の時からずっと不登校になって、4年生まで来てしまっているのであるから。
 そこで、Aさんと約束。
「私がみんなにAさんが後ろの席だと入れるのだと言っていることを言って、席替えをしてもらうから、それでいいでしょう!」
 5時間目の最後の5分間。私は子供たちに訴える。Aさんも廊下で聞いている。
「Aさんが、今廊下で勉強していることは知っているでしょう。Aさんは、教室へ入りたいのだけど、体が思うように動かないんだ。でも、この前のお楽しみ会のとき、みんながAさんが参加してくれたことを喜んだでしょう。Aさんはうれしかったのです。
 一緒に勉強したいと思っているのです。みんなで協力してください。そこで、Aさんは教室の端の机だったら入れるって言っています。ちょっとだけ席替えをお願いしていいですか?」
 みんなも十分納得してくれた。
 その日、Aさんは、勉強が終わって保健室へ元気に帰っていった。
 ★
 無理をしてはならない。
 Aさんの思いを十分大切にしながらの行動である。
 放課後の反省会で、初任者の先生と話す。
「これからは、先生達の後押しだけでは限界がある。これから女の子達の包み込みが必要になる。とにかく、女の子達にしょっちゅう声かけをさせるなどの作戦だね」と話し込む。
 不登校になっている子供へどのように対処していくか、同時進行の緊迫の初任者指導をしていることになる。
 ★
 次の木曜日。
 Aさんは、理科の時間も、道徳の時間も、運動会の練習も、英語の時間も、全部クラスのみんなと一緒に過ごしたという報告を受ける。
 事態は一気に動き出したのである。

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