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子どもは「もう一歩」を待っている

 初任者のクラスで、5時間目は「お楽しみ会」。
 子供たちは、張り切っていた。
 始まろうとするとき、ふいと不登校で保健室登校をしている子供が、臨任の先生と一緒にプリントを届けにきた。
 私は、「ここだ!」と思い、廊下へとびでる。
「Aさん、いまお楽しみ会をしているんだ。ちょっとだけでいいから見ていかない?
 ちょっとでいいよ。ちょっとだけ」と誘いかけた。
 一緒に付いてみえた先生も、同調されて「じゃあ、ちょっと見ていきましょうよ」と押してもらえた。
 私は、Aさんを「ちょっとだけだから」とかなり強引に教室に引っ張り込んだ。
「Aさんが参加してくれるんだってよ」と、みんなに呼びかける。
「わあっ~~~~い」という歓声。
 ★
 Aさんは、もうずいぶん教室を避けてきた。
 前の学年から不登校になっていて、今年になって、保健室登校をし始めていた。
 原因は分からない。
 でも、保健室での表情は、もう何とかなると思われていた。
 お楽しみ会は始まった。
 最初は、椅子取りゲームだ。最初は、こわごわという感じだったが、だんだんに慣れてくる。
 最後のビンゴゲームのときには、自分から景品を取りに行く。安心している表情。笑顔も見える。
 終わりに、「お楽しみ会」会社の子供たちがみんなに感想を聞いていた。
 一番感激したのは、「初めてクラス全員でお楽しみ会ができたことがとてもうれしかったです」という感想。
 私も最後に手を挙げた。
「Aさんが今日初めてお楽しみ会に参加してくれました。野中先生が強引に無理矢理誘いました。(笑い声)みんなに聞きたいです。Aさんが今日こうしてお楽しみ会に参加してくれてとても嬉しかったという人、手を挙げて!」
 全部の子供が、手を挙げてくれた。
 Aさんは、みんなの挙手が、きっとうれしかったのだろう。
 明るい顔で、教室から保健室へ帰っていった。
 ★
 初任の先生は、あとでの反省会で、「まさか、Aさんが教室に入れるなんて思っていませんでした。感激して涙が出ました」と。
 これぞ、緊迫した初心者指導をしていることになる。
 北海道の横藤雅人先生は、その著「子供たちからの小さなサインの気づき方と対応のコツ」(学事出版)で次のように指摘されている。

 子供に「もう一歩」近づこうとする私を子供たちは歓迎してくれた。こちらが「もう一歩」を踏み出そうとすると、子供と私の距離はぐっと近くなり、子供たちは、「先生、本当はね…」と自分のことを語ってくれたように思う。
 ところが、この頃は、「もう一歩」を意識的、無意識的に避けようとする風潮が強まっているように感じる……

 「もう一歩」踏み出してみたらどうだろう?きっと子供たちは、待っているのも知れないのである。 
 

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