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点を線に~太郎生小学校の衝撃~

 津市太郎生小学校の中林則孝校長から学校便り「たろうっこ」を送ってもらった。

 1ヶ月に一度出す学校便りを何年分かまとめたものだろうと思っていたのだが、

封筒を開けたら、驚いた。なんとまあ、ほぼ日刊の学校便りが納められていた。

これは尋常ではない。

 忙しさに紛れて、ずっとそのままになっていて、やっと7日に読み終えた。

 またまた、静かな興奮に包まれている。

 ★

 読み進んでいくうちに、太郎生小学校が平成22年3月31日で閉校になることに気付く。

 明治8年2月10日が創立だから、135年間続いたことになる。

 その学校が閉校になるというのは、どういうことであろうか。

 卒業生は、4410名。

 恐らく、万感の思いに包まれるであろう。

 ★

 太郎生小学校(たろうしょうがっこうと呼ぶことを教えてくれたのは、山の手南小の校長先生だった)は、職員数13名。

 2,3年と4,5年は、複式学級である。

 「小規模学校の良さをどのように生かして教育をするか」ということで、さまざまなことに挑戦されている。

 その心意気が、すごい。

 11月17日に、研究発表会が行われている。自主発表である。

 88名の参加者。

 私が知っていたら、必ず参加しているだろうと思われる研究会である。

 中林校長は、職員に次のように投げかけている。

「この発表会は私のドリームでした。何が夢か。閉校になる年に発表会をすることではありません。これまでの伝統的な研修会や発表会、研究紀要とは一線を画す研究会をしたいという夢です。具体的には研修を通して、子どもの力を付けるという当たり前のことをするということです。発表会のために取り繕うことはしないと心に決めていました。

 2つ目には職員の力量が上がったことを職員の皆さんが自覚できること。そのような研修会であり、発表会であること。

 そして、3つ目にはきれいごとになりがちな『成果と課題』のない紀要を作ることです。願わくば、参加者に読んでもらえる紀要にしたい。他の学校とは違うよ、これが私たちの学校の実践だよということを明確に主張したい。こういった問題意識への挑戦が、私の『夢』でした。」

 小規模のこの太郎生小学校が、複式学級を抱えながらも、こんなに本物の教育を作り上げているという自負が、随所に見える。

 そして、その自負をほんものにしている。

 この発表会のパネリストの1人でもあった、玉置崇先生(私の親しい友人の一人でもある)が、ブログの中に書いている。

「見てもソンをさせない(状態にした)日常をそのまま発表。形式張らない、飾らない、大胆な発表。研究会は何を伝えなくてはいけないのか。それを感じさせてもらった発表会」と。

 ★

 ここにも、本物がある。

 私は、札幌の山の手南小で、日常授業をいかに変革していくかの本物の研究を見てきたばかりである。

 本物は飾らない。

 でも、中心に必ず夢を語る校長がいる。

 私は、この日本のはじっこで、かすかに新しい教育の胎動が始まっていることを感じている。

 その胎動は、本物の、日常授業の変革を標榜して始まっているように見える。

 その一つ一つの点を、線にする動きを始めなくてはならない。

  

 

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