いよいよ「味噌汁、ご飯」授業の提案がまとまった
「味噌汁、ご飯」授業の提案が、何とかまとまった。
11月15日(日)の横浜講座(参加されたい方は、masaichi@r3.dion.ne.jp 井上)
で提案する予定である。
この授業には、3つの条件が必要である。
これは、京都橘大学の池田修先生の提言である。
1 日常的である
2 飽きることがない
3 栄養価が安定している
この授業は、「縦の課題」と「横の課題」との融合として考えた。
「縦の課題」とは、教師側として何を取り組んだらいいかということ。
「横の課題」とは、子供側として「飽きがない」状態をできるだけ授業に取り入れていくこと。
★
「縦の課題」を考えていくとき、どうしても基礎基本の技術が必要になる。
これを身につけないと、なかなか上にあげた3つの条件をクリアできない。
それを基礎基本10か条として提案している。
この基礎基本も、すぐにできるようにはならない。
たとえば、基礎基本3か条「一時に一事の指示を徹底せよ」としている。
しかし、これは理解しても、すぐに使えるようにはならない。
ベテランの教師達でも、この原則をきちんと使えている授業をあまり見たことがない。
意識して使っていかなくては、とても身に付かない。
★
「横の課題」を考えていくとき、子供の発達段階を考えた。
吉本隆明さんは、「家族のゆくえ」(光文社)で、小学校の時期を学童期ではなく、<少年少女期>という提案をしている。
この時期は、「遊びが生活の全てである」と規定している。
私たちは、子供の発達段階をあまり想定していない。
「子供達の学力を保障していくためにはどうしたらいいか?」「きちんと授業を成立させていくにはどうしたらいいか?」という発想から、授業を構想している。
そうではなく、小学校の時期は、「遊びが生活の全てである」という段階を想定しなくてはならないと思ってきた。
だから、子供達に教科の好き嫌いを調べるとき、ほとんどが体育を一番にあげると思う。算数や国語が、一番好きということにはなかなかならない。
体育が、子供達の遊びの要素を一番満足させてくれるからである。
理想的には、小学校の授業が遊びみたいな感覚になっていったらいいのである。
なかなかそうはいかないが……。
考えられることは、授業の中に、子供達の作業や活動をできるだけ入れていくことである。
★
「味噌汁、ご飯」授業は、あるべき授業を求めていくものではない。
すでに、すべての教師達が日常的に行っている授業を、日常に耐えられる授業にせり上げていく試みである。
「ごちそう」授業づくりではない。
唸るような、感動的な授業を作ろうとしているのではない。
発想も、授業づくりの仕組みも、まったく違う。
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