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悩みにお答えします

  授業づくりネットワークのメールマガジンに「お悩み相談コーナー」がある。

 私が、そのコーナーを担当している。

 いつから始めたのか覚えていないが、もうかなりである。

 たとえば、次のような相談に、次のような答えている。

 

 

 

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メールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」
           第212号  2009年11月25日発行
                      (毎週水曜日発行)
HP http://www.jugyo.jp/js-pro/

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★目次★
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1 若手教師の悩み(その22)
          岡山県・小学校教諭・教師11年目
2 悩みにお答えします
                   横浜市立子安小学校(初任者担当)教諭
                                    野中 信行
3 「教育フォーラム 教師のチカラ in広島」のご案内
                      編集部
4 オススメDVD「みて、すぐわかる! 授業導入のアイディア集」
                      編集部
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 お待たせしました!今号は、「若手教師の悩み」です。
 もちろん、大人気コーナー野中信行さんによる「お答え」つき。今回は、
教師と子どもの距離の取り方について「お答え」してくださっています。
 特に、自分が「友達のような先生」(友達先生)になってるかも?と思
う若手は必読です。
 今回の「お答え」は、少々厳しいですが、必ず若い先生方の勉強になり
ます。力になります。
 ぜひ、心して読んでください。          (中村 健一) 

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1 若手教師の悩み(その22)
          岡山県・小学校教諭・教師11年目
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子どもとの距離の取り方について

 教師になって11年目だが、新卒時代から悩んでいることがある。それ
が「子どもとの距離の取り方」だ。
 おそらく私は子どもとの距離が「近い」のだと思う。よく言えば親しみ
やすいのだろうが、近すぎると馴れ合いの関係になってしまい、それがマ
イナスに働くことが多々ある。教師と子どもの間の緊張感が薄れ、バカに
されたり、友達のように思われたりで、指導が入りにくくなる。特に男子
にその傾向が強い。

 たとえばやんちゃなMくん。休み時間は一緒に遊ぶことが多い。かわい
いので、ついあれこれ世話をやいたり、からかったりしてしまう。そうな
るとMくんのわがまま度が増してくる。きちんとはいていた靴下をはかな
いことが増えてきた。「靴下をはこうね」といっても「○○だからやだ」
と何かしら言い訳をしてはこうとしない。結局Mくんを叱ることになって
しまい、悪循環に陥ってしまう。結局、私の接し方が子どもをわがままに
したのではないかと思う。

 いろいろと自分なりに改善を試みている。まず、言葉づかいだ。授業中
はきちんとした言葉で丁寧に話すようにしている。始めは子どもと距離
ができるのではないかと心配したこともあったが、その方が子どももすん
なり聞き入れることが多い。
 また、よくない言動に反応しすぎないように気を付けている。子どもと
同じになって言い返したり、口やかましく言ったりしてしまうが、挑発に
のるからさらに子どもは面白がってエスカレートすることが多い。火に油
を注ぐようなものかもしれない。後で個別に話をすると、落ち着いて話が
できる。子どもはその子なりの表現で教師に何かサインを送っているので、
その思いを汲んで、大きく包み込んでやることで子どもは安心し、素直に
自分を出せるような気がする。子どもの反応は教師の鏡だと思う。教師が
丁寧に接すると子どもも丁寧になり、教師がからかうから子どももからか
うのだなと思う。

 私は子どもに近い教師でいたいと思う。いくつになっても外で子どもた
ちと遊びたいし、子どもの思いを大事にしたい。子どもとの距離が近いこ
とは決して悪いことではないと思う。もしかしたら、子どもとの間に「線」
を引くことが今の自分に必要なのかもしれないと感じている。
 ほどよい距離感を保ちつつ、温かくて誠意をもった接し方をしていきた
いと思う。

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2 悩みにお答えします
                   横浜市立子安小学校(初任者担当)教諭
                                    野中 信行
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 最近、「友達のような先生」(友達先生)をよく見かけるようになりま
した。
 楽しそうにじゃれ合っていて、とても賑やかに騒いでいます。横で眺め
ていると、どちらが先生なのか分からない感じがするときもあります。
 一見、先生と子供たちは、仲が良さそうで、ほほえましくも思います。
こんな感じで1年間を過ごしていけたら、どんなに理想的だろうと思った
りもします。

 しかし、このような教室は、崩れていきます。
 スタートして1ヶ月ほど過ぎた頃から教室ががやがやと賑やかになりま
す。2ヶ月も経つと、学級が崩れ始め、学習も成立しなくなります。あん
なに担任と子供たちが仲良く、友達のように付き合っていたのにと不思議
に思われる光景です。

 でも、崩れます。ここには、崩れるための「からくり」があります。
 友達のような先生になって、何でも気軽に話していけるということ。
 しかし、子供たちは、先生と気軽に話せることを第一に望んでいるわけ
ではありません。ここを誤解するのです。子供は、毅然として教室が安全
で、安心できる居場所にしてくれる教師を望んでいます。子供のことを真
剣に考え、そして問題や悩みを抱えたときに、きちんと対処の方向を示し
てくれる、そんな先生を望んでいます。「この先生なら大丈夫」という安
心感が生まれたとき、初めて子供は、教師を信頼します。

 気軽に話せることは、子供と教師の関係を保っていくためには大切なこ
とですが、気軽さが、子供の信頼を生むのではありません。ここを誤解し
ないようにすることが、教師と子供との関係づくりでは極めて大切なこと
です。

 だから、教師と子供たちとの間には、毅然とした一線を確保しておくこ
とは第一に考えなければいけないのです。私たちは、「縦糸を張る」とい
う表現を使っています。

 私の37年間の教師生活の経験から言いますと、「厳しい先生」という
のを決して子供たちは嫌っていないのです。それどころか、歓迎していま
す。子供は、厳しさと優しさの両面を兼ね備えた教師についていきます。
時には「冗談を言っておもしろく」、時には「厳しく毅然として怖い感じ」
の先生を子供たちは信頼します。

 今回相談されてる先生は言います。
「私は子供に近い教師でいたいと思う。いくつになっても外で子どもたち
 と遊びたいし、子どもの思いを大事にしたい。子どもとの距離が近いこ
 とは決して悪いことではないと思う。もしかしたら、子どもとの間に
 『線』を引くことが今の自分に必要なのかもしれないと感じている。ほ
 どよい距離感を保ちつつ、温かくて誠意をもった接し方をしていきたい
 と思う」
 この先生の気持ちはよく分かります。
 しかし、私は、この言葉に教師としての「甘さ」を感じてしまいます。
教師として第一に大切にしていくことは、「子どもの思いを大事にしたい」
「温かくて誠意をもった接し方」ではありません。

 教室を安心できる居場所にし、子どもの成長をきちんと見つめ、成長の
方向と方法を誰よりも的確に示していくこと。それが教師として第一にす
べきことです。子供たちも、そのことを本当は望んでいます。ベクトルの
方向を違えてはいけないのです。

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コメント

福山憲市先生の記事より,この記事を見る機会に恵まれ,コメントを書かせていただきます。
野中先生の的確なアドバイス,大変参考になります。
自分自身では,なかなか客観的に線を引きづらい部分に,しっかりと線が見えた気がします。見えた線を大事にしながら,今後がんばらなくては・・・と,気が引き締まる重いです。
今後も足元を見つめて,努力できたらと思います。
貴重な出会い,有難うございます。

投稿: TAKATAKA | 2009年11月28日 (土) 21時28分

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