希望降格で、179人。
昨日の講座のあとは、質問タイムであった。
参会者の方に、第3講座までの間に質問を出してもらっておいて、その質問にどんどんその場で答えていくコーナーである。
これは厳しい。
即座に答えられないものもある。
その中で、なかなかうまく答えられなかった質問に次のようなものがあった。
「研究部で進めようとしている研究内容に、校長がなかなか賛成してくれないので困っている。何かいい方法はないものか?」
というものであった。
ちょっとだけ答えたのは、「校長の賛成がないものは、なかなか進めていくことは難しい」ということだったと思う。
70年代までは、反校長としての組合派の人たちが、校長と対立して盛んに論争を繰り返したものであった。
そして、どうなったのか。結局、校長と対立してうまく行ったことなどほとんどなかったはずである。消耗なことばかりであったはずだ。
★
はっきり言うが、校長の支持がなければ、研究活動などは進まない。
完全な支持でなくていい。(完全な支持があった方がいいが)消極的支持(「まあ、仕方ないか!)でいい。
校長を包み込んでいかなければ進まないことははっきりしている。
だから、徹底的に校長と話し合わなくてはならない。
校長を無視して、重要なことが進んでいくことはない。
★
このブロブを見ている校長さんは、かなりおられる。
11月5日(木)の読売新聞を読まれただろうか。
「先生 『希望降格』」最多179人」という見出しであった。
2008年度、本人の希望で管理職から外れる「希望降任制度」で、校長などから外れた公立小中高など教員が、179人。
その中には、副校長から27人、教頭から55人、校長から3人、一般教員になったという。
今、管理職は楽な仕事ではない。激務である。
仕事は、一般教員の比ではない。
だから、こういうことになる。
私は、管理職にならなかった。
でも、他の人にも、「管理職は辛いから、ならない方がいいよ」というつもりはまったくない。
学校を変えたい。今ある状態を変えていきたい。そう思う人たちは、管理職にならなくてはならない。
教育長になれるならば、もっといい。
しかし、「名誉職だから」程度の理由で管理職になろうとするならば、「これから辛いぞ」と言っておきたい。(笑)
管理職(校長)は、学校を変えられる。(悪く変えようと思ったら、すぐにできる)
ただし、ビジョンだけ持っていては変えられない。
ろくでもないビジョン(要するに、自分がそのようにしたいだけ)で、トップダウンをしようとするのはいるのである。
そういうろくでもない校長に、私も今まで2人ほど遭遇したことがある。
私は、さっさと転任した。
私は気軽であったので、「はい、さようなら」であった。見限らなければいけない。
管理職は、学校を変えるためには、ビジョンと方法論をもっていなくてはならない。
方法論なくして、絶対に変えることはできない。
方法論というのは、変えていくための<仕組み>論である。
★
今までの学校を成立させている<仕組み>をきちんと調べ上げなくてはならない。
たとえば、そのために過去5年間ぐらいの間に職員会議でどのようなことが話し合われ、どのようなことが決議されたのか、職員会議録をじっくりとしらべあげなくてはならない。
そして、その今までの<仕組み>を変えていくための新しい<仕組み>を想定しなくてならない。
それから、副校長、教務主任、企画会メンバーを中心に熱く「こうしていきたい」「この学校は、こうしていかなくては良くならない」と語らなくてはならない。
一緒に<仕組み>作りをしてくれるスタッフを集めるのである。
少なくとも共にやってくれるスタッフが副校長(教頭)以外に3人はいなくてはならない。
管理職は、学校をまず教職員がすごしやすい職場に変えていくことである。
教職員第一、子供第二である。(これは、公言することはできないが…(笑))
校長は、できるならば教室で授業をしたほうがいい。
これだけでも、教職員は見る目が違ってくる。
そして、教職員が困っている事態に徹底的に関わっていく。包み込んでいく。
★
こういうことが、現場で、管理職を見ながら考えてきたことである。
現在、多くの友人達が、管理職になり、奮闘している。
私の簡単な管理職論で、エールを送りたい。
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コメント
横浜のご提案、盛況とのこと。あのPPTからすればそうだろうなあと思いつつ、僭越ながら嬉しく思いました。
>> 教職員第一、子供第二である。(これは、公言することはできないが…(笑))
私が敬愛している元校長先生は、最初の職員会議でこれを公言されていました。
「私は子どものことよりも先生方のことを考えますと。子どもたちを直接指導するのは先生方ですから、先生方が健康で働きやすいようにするのが私の仕事です。」
と仰りました。そして、その通りにされていました。本当にすばらしい校長先生でした。野中先生のこの部分を読んですぐに思いました。
投稿: 池田修 | 2009年11月16日 (月) 23時38分
リンクさせていただき、いつも楽しみに読ませていただいてます。今回の以下の部分、うれしい一言でした。
「教職員第一、子供第二である。(これは、公言することはできないが…(笑)」
でも、実際そうだと思います。まず教師自身が元気が出る職場。雰囲気。仕組みであること。それがあって、子供に返って行く。
教師自身がヘロヘロになってしまう職場だと、どんなに理想が高くても、いずれ疲弊し、それが子供に返っていきます。
みんなが元気になれる組織が一番だと思います。ありがとうございます。
投稿: ムッシュ | 2009年11月17日 (火) 20時09分