そのとき、そのときを楽しむ
土日に、神奈川県湯河原の温泉宿へ行ってきた。
4人の旅行仲間。忘年会を兼ねての旅行である。
10年ばかり九州のあちらこちらを旅してきた。屋久島へ行き、沖縄の八重山諸島へ行き、佐賀のさまざまな場所(私が佐賀出身なので、甥が車を出してくれた)へ行き、長崎へ行き……という旅であった。
職種もさまざまだ。事務職、技術員、教員、そして材木関係の仕事。
話は、国際情勢から国内情勢、そして個人的なこまごまとした話になる。言いたい放題の話で、それぞれ勝手な話になる。
気軽な旅であった。
今年の3月、最後の一人が退職し、一応の締めくくりをした。
それでも、一年に数回は、こうして集まる。
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湯河原は、紅葉が真っ盛りであった。
見渡す山一帯が、紅葉に覆われていて、ため息が出るほどの絶景である。
4人でうろうろと散策をし、再び宿に帰って、屋上の露天風呂から紅葉を眺めることができた。
「ああ、絶景かな、絶景かな!」
なんとも贅沢なことである。
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今年、ちょっとショックなことがあった。
いつもの散歩コースで、とりわけきれいな紅葉がある場所を見つけて、何度も足を運んだ。
昨年まで、この道は歩いていたはずだったのだが、どうしてこのような紅葉を見つけることができなかったのか。
きっとそんな風景など関係なく、考え込んで歩いていたのであろう。
そのことが、ショックなことであった。
自分の人生訓とは離れてしまっている。
そのとき、そのときを楽しむ。そのとき、そのときの思いを大切にする。
こんなシンプルな生き方をしようとしている自分とずいぶんかけ離れていたことになる。
★
親しい旅行仲間の一人は、ときどきうつ的になり、どっとへたり込んでしまうことがある。
私たちにも、あけすけにそのことを話してくれるので、何とか回復していく。
うつ的になることは、誰にでもあるが、避けていく手法も身につけておく必要がある。
アメリカのバーモンド州の山奥でナチュラルライフを満喫して、昨年亡くなったターシャ・テューダーは、きっちりと次のように言っている。
「家事をしている時、あるいは納屋で仕事をしている時、これまでの失敗や過ちを思い出すことがあります。そんな時は考えるのをやめて、スイレンの花を思い浮かべるの。スイレンはいつも沈んだ気持ちを明るくしてくれます。思い浮かべるのは、ガチョウのひなのことでもいいんだけど」
うつ的になる時は、失敗や過去の過ちに苛まれる。
これをどうして絶っていくかは、大きな課題だ。
簡単なことではない。
でも、ターシャは、こうして絶っていったのである。
また最近、小宮一慶さんの「時間力養成講座」(ディスカヴァー)を読んでいたら、「輪ゴムを使った訓練」法を書いていた。
「左手の手首に輪ゴムをはめる。そして、『頭にきた!』とか、『こんなことになったらどうしよう』などとネガティブなことを思った瞬間、その輪ゴムを引っ張って、パチンとするのです。
すると、はっとして、怒りや不安の感情が途切れる、というわけです。
おそらく輪ゴムを引っ張ろうと思った瞬間、すでに『自分を客観的に見ている自分』というものが生まれ、その時点で、多くは解決しているのだと思いますが、さらにパチンとやることによって、すっきり断ち切ることができます」
なるほど、なるほど。
こうして失敗や過去の過ちを思ってしまう自分を絶っていくのである。
過去に生きることも、過去に苛まれることも、そして、今のうつうつとした気分をも乗り越えて、今を楽しみ、今に生きていくことは大切である。
そういう生き方をしてみましょうよ。
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