今回のこの政変劇を注視していく
今、テレビや新聞をよく見る。できるだけ多くの情報を目にし、自分なりの判断をするためである。
民主党が政権を取って、連日さまざまなニュースが乱れ飛んでいる。
私は、このブログでは政治のことについて書くことはほとんどなかった。
政治嫌いという面もある。教育の世界に政治を介入させてくることは良くないという考えもある。
しかし、今回の政権交代は、そんなことを言っている時ではないと判断している。
それは、今回のこの政変劇は、明治維新に匹敵するほどのできごとではないか、と思っているからである。
日本人は、内発によって自分たちの世界(組織)を変えていくことは、苦手である。
外発(外からの刺激や政策などによって)で変わることがほとんど。
ところが、今回の変わり方は、日本国民が自分たちの意志で政権交代を選んだのである。
かつて、歴史的に見れば、明治維新だけではないだろうか。(あれは、武士達の政権交代だったのだが…)
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ついつい新聞記事は、教育の面に惹きつけられる。
たとえば、次のような読売新聞の記事がある。
会見で新施策知る、文科省幹部「あ然」…三役会議始動
読売新聞 09月19日14時53分
民主党の掲げる「政治主導」の行政運営が、さっそく動き出した。
19日未明、文部科学省の中川正春、鈴木寛両副大臣と2人の政務官が就任記者会見に臨み、川端文科相とつくる「政務三役会議」の運営方法や新たな施策を公表した。副大臣による定例会見の実施、「中央教育審議会」をはじめとする各審議会の委員の見直し……。官僚抜きで決めた方針が次々に発表されると、その場にいた省幹部が、あっけに取られる姿も見られた。
18日深夜、東京・霞が関の文科省大臣室。川端文科相はこの日初登庁を終えた鈴木、中川両副大臣や、後藤斎、高井美穂の両政務官と記念撮影に臨んだ。見守っていた同省幹部らは撮影終了後、カメラマンとともに静かに部屋を後にした。
官僚のいない大臣室で行われたのは、民主党政権が「政務三役会議」と名付けた新設の会議。各省の大臣、副大臣、政務官が参加する省内の最高意思決定機関という位置づけで、今後、週に1回開かれる。当然、官僚は出席できない。
川端文科相らは、約1時間に及んだ初の三役会議で、〈1〉高校無償化など政権公約に掲げた15点の早期実現〈2〉補正予算の見直し〈3〉2004年4月以降の天下りの報告――など5項目についての報告を、省幹部に求めることを確認。別室から坂田東一次官と山中伸一官房長を呼び出し、5項目を書いた指示書を手渡してこう告げた。「必要な予算を作るために身を削ってがんばってほしい。国民と約束したことにお金をまわさなければならないから」
坂田次官は、補正予算の執行見直しについて連休中の22日の報告を求められ、「はい」と答えるのが精いっぱいだった。
その後開かれた副大臣、政務官の就任会見で、鈴木、中川両副大臣らは、国会の委員会に所属する与党議員と同省幹部らが参加する「政策会議」の新設や、副大臣による週2回の会見の実施などを次々に発表。文科相の諮問機関・中央教育審議会など審議会については、いずれ委員の人選を含め見直すこともありうるとした。
会見場の片隅にいた同省の幹部は、政策決定で蚊帳の外に置かれた形。その1人は会見終了後、ぼうぜんとした表情で話した。
「『政』と『官』の在り方はまるっきり変わった。今後、一体どうなるのか」
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私は、副大臣になった鈴木寛さんが、文部大臣になってくれることを願っていた。残念であったが、副大臣入閣は当然である。
「教育をめぐる虚構と真実」(宮台真司、神保哲生 春秋社)で、宮台や神保と対話している鈴木さんを知って、これはすごいと思ったものである。
今現在の議員の中では、もっとも教育に精通している一人であると、思っている。
しかし、読売新聞の内容は、爽快である。
初めて、「政」が、「官」を押さえて主導権を取っている。
進めていく内容については、必ずしも賛成ではないが、大きな地殻変動が起きる予感がしている。
そうしなければ、今現場で進んでいる市場原理主義的な変化を食い止めることはできない。
教師を疲弊させ、ぼろぼろにさせようとしている。
この変化に「政」がまったをかけられなければ、もう絶望的な教育状況になっていくことを覚悟しなくてはならない。
「官」が引っ張ってきた教育改革は、もうほとんどが失敗してしまったのである。
「ゆとり教育」の失敗が、最近の最もいい例。
私は、この総括を徹底的にやってほしいと願っている。
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「教育と平等」(苅谷剛彦著 中公新書)がある。
愛知県小牧市の教育長 副島先生が、推薦された本である。
これからの教育論議は、この本を下敷きにして論議しなくてはならないと推挙されている。(小牧市のホームページの副島先生の推薦された本をほとんど読むことにしている。いつも教えられている)
まだ、読んでいる途中だが、今までの認識を大きく変えなくてはならない指摘を読んで、戸惑っている。
今のこの時期に読んでおくべき本であることは間違いない。
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